人事が知っておくべき「健康保険」の基礎知識。従業員の加入条件、手続き方法は


「健康保険」は、従業員が安心して働くための社会保障制度として定められた「社会保険」の一種です。加入条件を満たした従業員に対して、雇用主は全国保険協会もしくは健康保険組合への加入手続きを行うことが義務付けられています。健康保険の手続き方法や加入条件について整理してみましょう。

 
 

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健康保険の制度


「健康保険」は、「厚生年金保険」や「介護保険」と並ぶ社会保険のひとつです。健康保険に加入した従業員が怪我や病気で医療機関にかかる際、自己負担額は医療費の3割になります。

 
 

◆健康保険の種類


一般企業の社員が加入する健康保険は、運営を担う保険者によって次の種類に分かれます。いずれも本人と被扶養者が加入できます。
 
・組合健保
企業の設立した健康保険組合が保険者となり、単独(社員700人以上)または共同(合算で常時3000人以上)で設立。
 
・協会けんぽ
全国健康保険協会が保険者として運営し、主に中小企業の従業員が加入しています。
 
また、個人事業主や定年退職後の元会社員は、原則として市区町村が保険者となる国民健康保険に加入します。いずれの場合も、75歳に達すると後期高齢者医療制度に移行します。

 
 

健康保険の加入条件


健康保険は会社等に雇用されている従業員のための保険です。事業主は、すべての正社員を健康保険に加入させる義務があります。
 
また、アルバイトやパートなどの短時間労働者の場合は、下記の条件を満たすと健康保険に加入させる義務が生じます。本人が健康保険への加入を希望していない(配偶者や親の被扶養者のままでいたい)場合でも、上記の条件にあてはまれば加入手続きを行う必要が生じますので、注意が必要です。

 

  • 適用事業所に使用されている従業員であること
  • 所定労働時間及び日数が、正社員の4分の3以上であること


さらに、上記に当てはまらない場合でも、次の5つの条件全てに該当する場合は、健康保険に加入させる義務があります。

 

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 賃金月額が月8.8万円以上(年約106万円以上)であること
  • 1年以上の雇用が見込まれること
  • 従業員(厚生年金保険の被保険者)が501名以上の勤務先で働いていること
  • 学生ではないこと(※1)


(※1)  夜間や定時制など、学生でも加入できる場合がある

 
 

健康保険の手続き


企業の人事担当者は、必要に応じて健康保険の手続き業務を行います。今回は、社員の入社時と退社時および年次の業務について確認します。

 
 

◆入社時の手続き


従業員の入社日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を用意し、組合健保の場合は健康保険組合、協会けんぽの場合は日本年金機構へ提出します。扶養家族がいる場合は、健康保険被扶養者届も一緒に提出します。
 
書類の記入には下記の情報が必要です。採用・人事労務の担当者は、内定者が入社する前にこちらの項目を確認しておきましょう。

 

  • 従業員の氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • マイナンバー
  • 被扶養者の有無(有の場合は被扶養者の収入を証明する書類等も必要)


健康保険証が会社に届くまで、約2週間かかります。その間、従業員が医療機関で受診した場合、医療費はいったん従業員の全額負担となってしまいます。入社後すぐに手続きを行いましょう。

 
 

◆年次の手続き


従業員の保険料負担額は、原則として4月、5月、6月の給与支給総額を基に毎年算定される「標準報酬月額」に応じて決まり、9月1日から翌年8月1日まで適用されます。会社は毎月の給与から健康保険料を差し引き、会社負担分と合わせて健康保険組合あるいは協会けんぽに納付します。

 
 

◆退職時の手続き


従業員が会社を退職するときは、社会保険の資格喪失手続きを行いましょう。資格喪失日は退職日の翌日で、手続きは資格喪失日から5日以内に行わなくてはなりません。年金事務所に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」と健康保険証を提出します。
 
また、退職後、再就職しない場合の健康保険については、下記のどちらを選ぶのかを本人に判断してもらいましょう。

 

  • 現在加入している健康保険に継続加入する(退職後2年間のみ、保険料は全額本人負担)
  • 国民健康保険に切り替える

 
 

健康保険の加入条件を把握して、適切な手続きを進めよう


事業者は、パート・アルバイト従業員を含めて条件にあてはまる全ての従業員を健康保険に加入させる義務があります。また、社会保険の一種である健康保険は、厚生年金保険と合わせて入社・年次・退社時の手続きを進めます。
 
ちなみに、健康保険の給付対象となるのは業務外の怪我や病気のみです。業務中に負った怪我の治療のため通院する場合は労災保険が適用されることを従業員に周知しましょう。

 
 
 

※記事内で取り上げた法令は2020年2月時点のものです。
 
監修:うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也
TEXT:佐倉ひとみ
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
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