新卒採用のための大学訪問のメリットと注意点

談笑する3人の社員のイメージ

大学訪問は、新卒採用を行う際に企業から大学に向けてアプローチする方法のひとつです。企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。また、これから大学訪問を検討している場合は、どのようなタイミングで、どうアプローチをするとよいのでしょうか。新卒採用支援事業で豊富な実績を持つ、株式会社サイシードの鈴木健二さんに伺いました。

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大学訪問とは? 目的とアプローチ方法

大学訪問とは、企業が大学とのコネクションをつくるためのアプローチ方法で、主に新卒採用での人材獲得を目的に行います。大企業や知名度の高い企業は、学生が自ずと企業の存在を知っていることが多いのですが、そうでない場合は、大学訪問をして自社の存在や魅力を知ってもらうことが採用活動において重要になってきます。
 
また、大学訪問とひと口に言っても、様々なアプローチ方法があります。

 

◆キャリアセンターへのアプローチ

学生の就職サポートやキャリア支援を行う就職課にアプローチをする方法です。自社の紹介をしたり、大学が主催する合同企業説明会や業界研究セミナーへの参加の意向を伝えたりします。大学のWebサイトに就職課の連絡先が記載されている場合が多いので、アポイントメントを取り、訪問して面会するという流れが一般的です。新型コロナウイルスの影響で、オンラインでの面会になる場合もあります。

 

◆研究室へのアプローチ

自社にOB・OGがいるなど、つながりのある研究室にアプローチをする方法です。OB・OGに連絡をとってもらい訪問する、または採用担当者も一緒に挨拶に行くといったパターンがあります。内定者が出た際の御礼参りや、内定を出して辞退されてしまったときなども、一つの機会としてアプローチをかけることもあります。特に専門領域や進路が明確である理系の学生には、研究室に対するアプローチが比較的有効だとされています。

 

◆就職担当教授へのアプローチ

学部の就職やキャリア支援を担当する、就職担当教授にアプローチをする方法です。つながりがない特定の大学とコネクションをつくりたい場合に、比較的有効な手段だと言えます。就職担当教授は、大学のWebサイトに掲載されている場合も多いので、検索して連絡をとってみると良いでしょう。
 
大学訪問をする際は、ターゲット校を絞り込んで行うことが大切です。「社員にOB・OGが多くいる」「直近の内定者がいる」など過去の内定輩出校を洗い出し、まずは関係性のある10校ほどにアプローチするとよいでしょう。大学を訪れた際、大学担当者に「当社にはこの大学の卒業生が5名います」と具体的な人数を伝えて、安心感や信頼感を与えることができれば、その後の採用プロセスについて話がしやすくなるでしょう。

 
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大学訪問のメリットとアプローチする際の注意点

大学訪問を行うことで、新卒採用において様々なメリットが期待できます。

 

◆ターゲット校の学生にアプローチできる

企業が採用のために大学生へアプローチできる機会は、あまり多くはありません。大学訪問でターゲット校とのコネクションをつくり、大学主催の就職セミナーに参加したり、採用パンフレットを置いてもらったりすることで、自社が求める人材へアピールしやすくなります。

 

◆自社に合う学生へ直接案内してもらえる

キャリアセンターで就職支援を行うキャリアアドバイザーから、自社に合う学生に求人の案内をしてもらう、研究室の教授から学生を紹介してもらう、といったことも可能になります。

 

◆セミナー開催のコストが抑えられる

大学主催の合同企業説明会参加や業界研究セミナーに参加できれば、民間企業が主催する企業説明会への参加に比べてコストを抑えることができます。
 
このようにメリットの多い大学訪問ですが、人気のある大学では、大学主催の就職セミナーの参加枠の大半が、例年の参加企業で埋まっている場合もあるので注意しておきましょう。定期的にアプローチをかけることでつながりが形成されることもあるので、地道に働きかけることが必要です。また、コロナ禍では、対面で実施する合同企業説明会は「県内企業限定」など地場以外のセミナー参加を受け付けていない場合も考えられます。裏を返せば、地場の企業にとっては地場の大学にアプローチしやすいと言えます。

 
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大学訪問の適切な時期と注意点

一般的には、大企業や知名度の高い企業と上位校と呼ばれる有名大学が、早めに動き出す傾向があります。自社の採用スケジュール、ターゲットとする大学の学生支援スケジュールに合わせて、適切な時期を考えていきましょう。
 
以下のように大きく4つのフェーズに分けて考えると、大学訪問の適切な時期が分かりやすくなります。
 
採用企業施策の基本的な流れ(理系の場合)

採用企業施策の基本的な流れ(理系の場合)の図 ①5月〜7月(大学3年) 大学/夏期インターンシップ関連の学生支援 ・ガイダンス ・インターン対策講座 ・インターン紹介イベント など 企業/夏期インターンシップへの母集団形成 ・大学主催イベント参加要請 ・研究室への告知 ・キャリア形成系授業の参加 ・研究室や大学からの紹介  ②10月〜2月(大学3年) 大学/秋冬インターンシップ、3月広報解禁に向けた学生支援 ・秋期ガイダンス ・業界研究セミナー ・就活スキル系講座 など 企業/秋冬インターンシップ、3月広報解禁に向けた母集団形成 ・大学主催イベント参加要請 ・研究室への告知 ・キャリア形成系授業の参加 ・求人票の送付 ・研究室や大学からの紹介 ③3月(大学3年) 大学/3月広報解禁後の学生支援 ・3月合同企業説明会 ・エントリーシート添削 ・模擬面談 など 企業/3月広報解禁後の母集団形成・選考実施 ・3月合同企業説明会参加 ・研究室への告知 ・求人票の送付 ・研究室や大学からの紹介 ④4月〜(大学4年) 大学/就活継続者・未内定者に対する学生支援 ・個別相談 ・合同説明会(5〜6月頃) ・留学生対応 企業/就活継続社・未内定者に対するコンタクト ・研究室や大学からの紹介 ・合同説明会参加(5〜6月頃) ・求人票の送付 ・個社での説明会実施要請や案内画像提供:株式会社サイシード


優秀な人材をいち早く確保するため、大企業やメガベンチャー、ITベンチャーなどは5月~7月にかけての早い時期から動く傾向があります。自社に興味・関心のある学生の母集団をつくり、夏のインターンシップに動員するために早期からキャリアセンターや研究室にアプローチするのです。その後も各フェーズで各社必要に応じて同様の対応をしていきます。
 
中小企業の場合は、早期にアプローチをかけても採用につながりにくいため、早くても秋以降、または年明けから広報解禁の3月1日にかけてアプローチをはじめる場合が多くなります。
 
大学訪問は採用目的で行うものですが、学生のキャリア教育や就職活動支援といった視点を持つことも大切です。例えば、キャリア形成系の授業に協力する、課題解決型のインターンシップを提供する、学生向けの講座を用意するなど、その時期に大学が求めている学生支援コンテンツも用意することで、より受け入れられやすくなります。
 
ただし、短期的には効果が出にくいという点にも注意しておきましょう。3月の合同企業説明会に必ずしも参加できるわけではなく、手間や出張費が多くかかる場合もあります。すぐにでもターゲットとなる学生へアプローチをかけたい場合は、民間企業が主催するイベントに参加して学生との接点をつくるなど、大学訪問以外の方法も考えておきましょう。

 
 
 

<取材先>
株式会社サイシード・人材事業部 ディレクター 鈴木健二さん
広告・制作会社数社にてtoB企業の法人営業から企画・制作などを経験。10年前から現職。人材事業部のディレクターとして営業、営業企画・推進、マーケティング、採用人事など人材事業部全般の業務および統括を行う。
 
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト

 
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