アルバイト・パートの採用時に知っておきたい契約書の作り方

アルバイト・パート採用時は、雇用契約の内容に基づき契約書を発行します。ただし、契約書には「雇用契約書」や「労働条件通知書」などの種類があり、その違いはわかりづらいものです。そこで、各種書類を適切に発行するために、アルバイト・パートの採用時に必要な契約書の基本をおさらいしてみましょう。
 
 

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アルバイト・パート採用時に必要な契約書

アルバイト・パート採用時には「雇用契約書」「労働契約書」「労働条件通知書」を発行することがあります。それぞれの定義や役割は次のとおりです。
 
 

◆雇用契約書

事業者と労働者間で労働条件(賃金や労働時間、業務内容など)を明らかにし、同意を得るための書面です。「労働条件通知書」に記載された条件について、事業者と労働者が納得し、契約に至った証拠として残します。
 
 

◆労働契約書

事業者と労働者間で定めた労働条件を記載した書面です。「雇用契約書」と内容の違いはほとんどなく、事業者が「誰と契約するか」で異なります。雇用契約書では、誰とでも契約でき(※1)、労働契約書では労働者としか契約できません。ほとんどの企業では、「雇用契約書」が交わされます。
 
※1 雇用契約は「一方が仕事をする、もう一方がその仕事について報酬を払う」という民法上の契約のため、誰と誰が契約するという取り決めはありません

 
 

◆労働条件通知書

事業者が労働者と労働契約を結ぶときに、労働条件を通知するための書面です。これは労働基準法15条で、雇用契約を結ぶときには必ず通知しなくてはならないものと定められています。そのため、公布しなかった場合は罰則の対象になります。
 
 

契約条件により必要書類は異なる?

3種類の契約書がありますが、これらは「目的」と「署名・押印が必要な人」によって区別されます。
 
 

◆「雇用契約書」「労働契約書」

→目的は「同意した旨を確認する」こと。事業者と労働者それぞれが署名・押印する必要がある。
 
 

◆労働条件通知書

→目的は「労働条件を労働者に通知する」こと。事業者のみ署名・押印が必要。
 
実務上では「雇用契約書」と「労働条件通知書」の内容は、ほぼ同じです。そのため事業者の多くは、2つを併記して「雇用契約書兼労働条件通知書」とし、事業者と労働者がそれぞれ署名・押印して、労働者に労働条件を通知します。

 
 

「雇用契約書」の作成時における留意点

法律上は、雇用契約書の交付義務はありません。しかし、一般的には口約束の契約でトラブルになったとき、「言った・言わない」となるのを防ぐために作成します。作成時には、次のことに注意します。
 
 

◆「契約内容が変更になる可能性がある」ことを明記する

アルバイト・パートで働いてもらう場合、勤務地や業務内容が変更になることがあります。あらかじめ変更の可能性を織り込んでおくなら、雇用契約書には「変更する場合あり」という文言を入れておきましょう。
 
これによって、例えば勤務地が変更になった際、アルバイト従業員から「最初に聞いていた勤務地とは違うので、ここでは働けない」と業務を拒否されることを防げます。もし必要な文言がなければ、アルバイト従業員からの申し出があったとき、契約解除を受け入れざるをえません。

 
 

◆「雇用期間」と「更新の有無」を明記する

雇用期間が決まっている場合、その期間を明記します。また、その期間が終わったときに更新できるのかどうかを示しておく必要があります。
 
更新できる場合は、その判断基準(本人の能力や成績を見て更新する、または経営状況によっては更新しない場合がある、など)を明確にします。これによって、何らかの事情で更新が難しくなった場合などは、無用なトラブルを回避することができるでしょう。

 
 

アルバイト・パートとの契約のタイミング

アルバイト・パート採用後、応募者との雇用契約書の締結は、入社前に完了させましょう。もし応募者から「自分の認識とは違う」と申し出があれば、稼働前に修正できます。入社後に締結し、稼働後に認識の齟齬が発覚すれば、話し合いなどに時間かかってしまうかもしれないので気をつけましょう。
 
 

アルバイト・パート採用時の契約書・トラブルシューティング

 
 

◆事例

アルバイト・パート採用後、応募者との雇用契約書の締結は、入社前に完了させましょう。もし応募者から「自分の認識とは違う」と申し出があれば、稼働前に修正できます。入社後に締結し、稼働後に認識の齟齬が発覚すれば、話し合いなどに時間かかってしまうかもしれないので気をつけましょう。
 
 

◆解決方法

そもそも、口約束でも労働契約は有効です。そのため、口約束が事実であれば、その内容に業務内容を合わせてください。その条件を従業員に提供できない状況であれば、変更後の条件で働いてもらえないかどうかを交渉します。
 
その結果、応じてもらえる場合は、従業員側の認識を確認した上で雇用契約書を作成し、合意を得ます。一方、変更後の条件を受け入れてもらえない場合は、契約期間の途中であっても、従業員本人からの申し出なら契約解除に応じるしかありません。

 
 

◆回避方法

雇用契約書を作成しましょう。書面は認識合わせをしながら作成し、入社前に締結します。
 
 

契約書は、採用後・入社前の交付を徹底する

アルバイト・パート従業員を採用する際、法律上では雇用契約書の義務はありません。ただし、口約束はトラブルの元。同じ言葉を受け取っても、その認識は人それぞれに違うものです。トラブルが起こって「言った・言わない」で揉めないよう、採用後・入社前に雇用契約書を交わすようにしましょう。従業員が気持ちよく働ける環境づくりは、良い人材を確保するためにも大切です。
 
※記事内で取り上げた法令は2019年12月時点のものです。
 
 
 

監修:大槻経営労務管理事務所 社会保険労務士 鈴木麻耶さん
TEXT:流石香織
EDITING:Indeed Japan + ノオト


 
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