副業ワーカーを採用するのはなぜ?


※この記事は2020年1月20日に取材したものです。
 
2018年1月に政府が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公開して以降、働き方の多様化が注目され、様々な企業で副業を認める動きが広まりました。しかしながら、翌年9月にリクルートキャリアが実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査(2019)」によると、兼業・副業を容認・推進している企業は全体の30.9%に留まっています。まだまだ副業NGの企業が圧倒的に多く、多様な働き方を実現するためには、各企業が副業解禁に向け取り組みを進める必要があります。
 
そこで今回は副業を認め、副業ワーカー(パラレルワーカー)の採用を積極的に展開している株式会社エンファクトリー取締役CFOの鈴木誠さんに、副業に対する取り組みや成果についてお話を伺いました。

 
 

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人材理念を「専業禁止」にした理由とは?


——株式会社エンファクトリーは、副業に対してどのような方針を持っているのでしょうか?
 
2011年の創業時より、人材理念として「専業禁止!!」を掲げています。とはいえ、厳密に専業を禁止しているわけではありません。副業を行うかどうかは個人の自由です。
 
弊社では、副業をただ単に収入の複線化として位置付けるのではなく、「パラレルワーク」と呼び、社員一人ひとりが主体性を持って働く「主」業を複数持つことだと考えています。現在は、正社員36名中18名がパラレルワーカーとして活躍中です。
 
——人材理念を「専業禁止!!」にしたのはなぜですか?
 
今後は生活や働き方、生き方を自らがデザインし、実行する時代になっていくと考えています。そうなると、働き方に正解がない社会に対して個人がどう適応していくかが課題となっていくでしょう。会社側もメンバーそれぞれにマッチする成長機会を提供したいけれど、難しいのが現実です。
 
そこで専業禁止を掲げ、パラレルワークを推進することで、メンバーが主体的に自分にマッチした成長機会を見つけられる制度を採用しました。
 
——社員がパラレルワークに取り組む際のルールは設けていますか。
 
唯一設けているのが「パラレルワークをオープンにする」というルールです。これを具体化するために、「en Terminal(エンターミナル)」という、パラレルワークの発表会を半年に1度開催しています。また、自社サービス「副業特区」を利用し、オンラインを通じて日々パラレルワークの共有をしています。
 
パラレルワークの成果をオープンにすることで、メンバー間で刺激を与え合ったり、アドバイスをし合ったりと、知恵やアイディアが良い循環を生み出す仕組みにもなっています。さらに、パラレルワークをオープンにすることが、コンプライアンス面でも抑止力となります。

 
 

パラレルワーカーを採用するメリット


——在籍社員のパラレルワークを推進するだけでなく、すでにパラレルワークをしている人材の採用も積極的に行なっていますよね。パラレルワーカーを採用することで、会社側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
 
専業社員と比べて、パラレルワーカーは社外の企業や人物との接点を多く持っているという特徴があります。また、本業とは別にビジネスを展開している人は、経営者目線を持っていたり、仕事を自分ごと化できたりする人物が多いように感じますね。
 
少数精鋭で戦うことが多い中小企業の場合、同じ人数を採用するのであれば、多角的な視点を持った人材を確保した方が、成果は上がるのではないかと思います。
 
——多角的な視点を持つ人材を確保できたことで、会社にどんな効果が現れましたか?
 
入社前からパラレルワークをしていたメンバーの場合、その繋がりを入社後すぐに生かして仕事を進められるという事例がありました。例えば、カメラマンやライター、エンジニアなど、専門的なスキルを要する方と初めてお仕事をする場合、仕事のクオリティはもちろん、仕事の進め方や納期などに多少のリスクをはらんでいます。事前にポートフォリオを確認するだけでは、判断が難しい場合もあります。
 
しかし、副業の繋がりで一度お仕事をしている方やその繋がりから紹介された方だと、安心してお願いができるので、取引コストを抑えて仕事を進められます。パラレルワークにより関わる人の範囲が広がるほど、人選する段階での取引コストがかからなくなるのは、パラレルワーカーを採用したことによる効果ですね。
 
また、入社してすぐのタイミングだけでなく、案件やプロジェクトが稼働したときに、パラレルワークで培った人脈を生かして仕事に取り組む人も見られます。パラレルワーカーの働き方を身近に感じることで、入社後にパラレルワークに挑戦するメンバーが増えました。入社後に始めたメンバーが、1年以内に副業先の会社から弊社に依頼を繋いでくれたケースもあります。個人の活動の幅が広がることで、会社の利益にも還元されるというサイクルが成立していますね。
 
——パラレルワークが社内に浸透したことで、社員の仕事に対する意識に変化はあったのでしょうか?
 
本業と副業を両立する時間を捻出しなければいけないので、時間の使い方を工夫する社員が増えたように感じます。会社設立当初と比較すると、会社全体の残業時間は20%減少しました。

 
 

パラレルワーカーの採用で心がけていること


——パラレルワーカーを社員や外部協力者として迎え入れる際に、採用担当者はどのようなことに注意を払うよう気をつけていますか?
 
正社員の場合は「本業にコミットしてくれる人材」、業務委託の場合は「プロジェクトに共感し、プラスアルファの価値を出してくれる人材」の採用を心がけています。それぞれを見極めるために、大切にしているチェックポイントがあります。
 
まずエントリー時の志望理由で「副業ができること」を第一に挙げる人を採用するのは難しいですね。ただお金を稼ぐために副業がしたい方は、弊社の企業理念とはマッチしないと考えています。
 
――御社の採用についてお伺いします。企業理念にマッチする人材をどのように見極めているのでしょうか?
 
「なぜその副業をエンファクトリーで行う意味があるのか」を明確にする必要があります。そのため、面接時に副業をしている理由を聞いて、そこに「成長したい」という意欲があるのか確認するのです。この成長意欲は副業に限ったことではないと思うので、本業にもリンクしやすく判断基準の1つとしています。
 
また入社時は副業をしていなくても、社内での成長の先に、「いつか個人の仕事で生きていきたい」という思いを面接などで聞くことができれば、会社は副業を見守ることができます。
 
副業ワーカーの採用を1からスタートすることは、採用担当者にとってハードルが高い部分もあるでしょう。だからこそ、現在の会社の理念や事業内容を明確にすることが、理想的な採用活動への一歩に繋がるのではないかと思います。

 
 
 

出典:
株式会社リクルートキャリア「兼業・副業に対する企業の意識調査(2019)」

https://www.recruitcareer.co.jp/news/20200324fk7so.pdf
 

<取材先>
株式会社エンファクトリー 取締役CFO 鈴木誠さん
 
TEXT:ユウミ ハイフィールド
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 

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