SDGsと事業の同軸化で、より支持される企業へ リコージャパンの地域貢献とは


光学機器メーカー・リコーの販売会社であるリコージャパンは、持続可能な開発目標「SDGs」と自社事業や業務目標を同軸化した取り組みを進めています。社内全体でSDGsへの理解を深め、顧客にもSDGsの取り組みを広めることで支持され、関係性強化にもつながっています。
 
SDGsの取り組みが始まった経緯や社内認知度を高めるポイント、SDGs活動がもたらす事業効果についてリコージャパン株式会社 経営企画本部 SDGs推進グループ の太田康子さんにお話を伺いました。

 
 

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顧客との信頼関係を生んだCSR活動がSDGsへ発展


――リコージャパンでSDGsの取り組みが始まった経緯を教えてください。
 
リコージャパンは全国47都道府県に約350の事業所があり、1万8,000人以上の従業員が働く地域密着型企業です。従業員は地元の人を採用し、お客様も地域の中小企業が多く、リコー創業者の市村清が掲げた「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という「三愛精神」を受け継ぎながら、地域に根を張り地域課題を解決する姿勢で事業に取り組んでいます。
 
SDGs活動の発端は、そのような企業風土の中で生まれました。きっかけは、当社のCSR報告書を読んだ食品事業を手掛けるお客様が、地方のキノコ生産者と東京都内の小学校を当社のテレビ会議システムでつないだ食育授業の取り組みに感動し、リコーのファンになってくださったことでした。私はこの感動を一人でも多くの従業員に伝えたいと思い、2016年7月から全47都道府県の事業所を上司と回って、働き方改革や女性活躍の推進、社会貢献などの内容をより深く学んでもらうCSR報告書勉強会を始めました。
 
――CSRの取り組みがきっかけだったのですね。勉強会開催で従業員の意識など、社内にどのような変化があり、SDGsに結びつきましたか?
 
それまで営業担当者向けの勉強会は、数多くの商品知識を身に付けるものが大半でしたが、それだけではお客様の本質的な課題解決につながりにくかったと思います。勉強会で学んだ社内の働き方改革や社会貢献の取り組みも語ることで、お客様から自社の課題解決ノウハウを教えてほしいと頼られるようになり、営業担当の意識も変わっていきました。お客様が取り組みたいこと、困っていることのヒントが当社のCSR活動に詰まっていたので、お客様から当社への見方が変わったという事例が全国で生まれました。
 
そこで、当時の社長はCSR活動がお客様の課題解決につながるという意義を実感し、SDGsに取り組む必要性をトップダウンで全従業員に呼びかけました。SDGsに関する具体的な取り組み内容は、2017年の中期経営計画に盛り込まれ、事業を通じて注力する重要社会課題として、脱炭素社会の実現や生活の質の向上、循環型社会の実現などを掲げました。やはりトップがコミットメントすることは大きな力になります。そこからはSDGsバッジを装着し、SDGs強化月間を設けるなどして活動を拡大。結果として社内のSDGsの認知度は高まり、全国の従業員に浸透しました。

 
 

社内浸透のカギとなったキーパーソン制度


――社内でSDGsを浸透できたポイントを教えてください。
 
ポイントは、従業員に「自分ごと」として捉えてもらうことです。そうすることで、SDGsは身近でできる行動から始められ、ビジネスを通じた社会貢献の発想につなげていけます。
 
カギとなったのはキーパーソン制度です。各支社に1~5人のキーパーソン(推進メンバー)を配置。キーパーソンは挙手制、上司からの推薦など、現場で自由に選出してもらいました。その際、部署や年齢などの制限を設けなかったため、様々な経歴、世代の従業員が集まり、多様なメンバーで2018年に活動をスタートできました。
 
――社内でのSDGs人材教育は、どのように取り組みましたか?
 
全従業員を対象に本社主催のオンライン勉強会の開催など、都合の良い時間に見られる仕組みにしたことで広く浸透したと思います。加えて、各地域のキーパーソンの存在が大きく、勉強会だけでなく、紙芝居や事務所内のデジタルサイネージ活用など工夫を凝らした方法で従業員に情報発信しています。全国のキーパーソンは、Teamsなどのグループウエア上で、情報を投稿するなど、メンバー同士でナレッジを共有する仕組みが好循環を生んでいます。
 
さらに、20年からは従業員の個人評価にSDGsポイントを組み込みました。生産性向上に寄与する商品やサービスの販売に連動させているもので、利益の創出とともにポイントも上がります。ポイント制で「見える化」することで、SDGsへの貢献度を実感できるようにしています。

 
 

顧客の生産性向上がSDGsと結び付く理由


――SDGsの取り組みがリコージャパンの事業と同軸化し、どのような効果をもたらしていると感じますか?
 
当社は、デジタルサービスの会社として、地域企業の働く現場の改革に力を入れています。たとえば、SDGsに「働きがいも経済成長も」の項目がありますが、お客様の職場改革によって生産性が上がるとクリエイティブな時間の創出や、小さな子供を抱える従業員の在宅勤務が可能になります。直接携わるお客様だけでなく、その先にいるお客様や家族まで私たちの事業の価値とSDGsの取り組みを届けられている。これは、当社のビジネスコンセプトである「Customer’s Customer Success」そのものであり、SDGsの取り組みを自社のデジタルサービスによって実現できているのではないかと感じています。
 
一方、キーパーソンの活動が社外へ広がっていることも、様々な効果をもたらしています。現在、約420人のキーパーソンがいますが、各地で自治体や教育機関からの引き合いが増え、セミナーや講演会を行うほか、リコージャパンのオフィス見学をアテンドして当社のSDGsの取り組みを知ってもらう活動にも取り組んでいます。これらの取り組みによって地域にSDGsが浸透し、各企業の生産性向上や生活の質の向上などにつながればうれしいです。
 
――最後に、今後の抱負を教えてください。
 
SDGsはパートナーシップが大切で、単独でできることは限られています。サプライチェーン、バリューチェーン、パートナー企業など一丸で取り組んでいかないと目標の2030年には間に合いません。私たちが活動を続けることで、「それならやってみよう」と感じてくださる企業が1社でも増えることを私たちの使命とし、さらなるSDGsへの貢献に取り組んでいきたいです。

 
 
 

<取材先>
リコージャパン株式会社 経営企画本部 コーポレートコミュニケーション部 SDGs推進グループ 太田康子さん
 
TEXT:岡崎彩子
EDITING:Indeed Japan + 笹田理恵 + ノオト

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