育児休業給付金とは? 支給される期間、受給条件など


育児休業中の社員に対し、国が一定額のお金を給付する「育児休業給付金」という制度があります。社員から「育児休業給付金を受け取りたい」と申し出があったとき、人事担当者はすみやかに給付金の申請手続を行わなくてはなりません。適切に対応するため、育児休業給付金の基礎知識、支給額の計算方法をおさらいしましょう。

 
 

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育児休業給付金とは


育児休業給付金とは、国が運営している雇用保険制度から、育児休業中の労働者に一定額のお金を給付する制度のこと。育児休業中に、休業前と同等の賃金を得られない労働者に対し支給されるもので、出産・育児に関わる経済的な支援、休業後の職場復帰の支援・促進、育児休業を取得しやすい環境整備などを目的としています。
 
なお、給付金は非課税で、さらに被保険者と事業主は受給中の社会保険料(健康保険、厚生年金保険)が免除されます。

 
 

育児休業給付金の支給期間


育児休業給付金の支給期間は、産休を取得しているかどうかで異なります。産休を取得している人(出産をする人)は、出産した日の翌日から8週間は「産後休業」となり、休業終了後から「育児休業」を取得できます。育児休業を開始した日から、原則として子どもが1歳になる日の前日までが育児休業給付金の支給期間となります。
 
一方で、産休を取得しない人(出産する人のパートナー)は、出産予定日から育児休業を取得できます。ただし、育児休業給付金の支給期間は、子どもが生まれた日から、原則として子どもが1歳になる日の前日まで。出産前に育児休業を開始していても、出産するまでの間は育児休業給付金の支給対象期間にはならないため、注意が必要です。
 
産休取得の有無に関わらず、子どもが1歳になる前に職場復帰した場合は、復帰日の前日までが支給期間の対象になります。

 
 

◆支給期間の延長


子どもが1歳になった時点で保育園に入園できない、あるいは配偶者の病気やけが、離婚などによって育児が困難になった場合などは、育児休業を延長することができます。事前に申請をすることで育児休業給付金の支給期間も延長が可能です。

 
 

育児休業給付金の受給条件


育児休業給付金を受け取るには、一定の条件を満たす必要があります。

 
 

◆育児休業給付金の受給条件


(1)雇用保険に加入し、保険料を支払っている
 
育児休業給付金は、雇用保険制度から支給される給付金です。そのため、雇用保険の加入が条件。なお、雇用保険の加入義務があるのは、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者です。それ以外の勤務形態は雇用保険の加入対象にならず、育児休業給付金も対象外となります。
 
(2)育児休業前の2年間で、11日以上働いた月が12カ月以上ある
 
過去2年間に病気などで働けなかった期間がある、あるいは第一子の育休中で働けなかった期間がある場合は、受給条件が緩和されることがあります。さらに、育児休業の取得開始時点で有期雇用労働者である場合は、「同一事業主の下で1年以上雇用が継続しており、かつ子どもが1歳6カ月になるまでの間に労働契約の終了が決定していないこと」が条件となります。
 
(3)育児休業後、退職する予定がない
 
休業後の職場復帰を前提とした給付金なので、育休取得時に退職が決まっている場合は支給されません。育休開始時は職場復帰する予定だったけれど、休業期間中に退職が決まった場合には、その退職日を含む支給単位期間(※1)以降は支給対象外となります。
(※1)育休を開始した日から起算した1カ月ごとの期間
 
(4)育児休業中に会社から支払われる賃金が、休業開始前の8割未満の額である
 
育児休業中に会社から賃金が支払われる場合、その額が休業開始前の80%を超えると、支給されません。また、会社から支払われる賃金が13%以上80%未満の場合、減額されます。休業期間中に会社が賃金を支払わない、あるいは13%未満の賃金しか支払っていない場合に限り、給付金が全額支給されます。
 
(5)育児休業中、1カ月の就業日数が10日以下である
 
育児休業中であっても、会社側と労働者が合意していれば、一時的に働くことができます。ただし、支給単位期間に就業した日が10日を超えて、かつ就業している時間が月80時間を超える場合、給付金は支給されません。なお、10日を超えても月80時間以下であれば支給対象となります。

 
 

育児休業給付金の支給額の計算方法


支給額は、育児休業の取得日数と賃金月額によって定められています。育児休業開始日から6カ月間は賃金月額の67%、6カ月経過後から育児休業終了日までは賃金月額の50%が支給されます。
 
ここでいう「賃金月額」とは、育児休業開始時まで直近6カ月の賃金の平均月額のことを指します。交通費や残業代、家族手当なども含みます。

 
 

◆賃金月額の計算式


賃金月額=育休開始前6カ月の賃金÷180×30

 
 

◆育児休業給付金の支給額の計算式

 

  • 育児休業開始日〜6カ月間
    1カ月の育児休業給付金=賃金月額×0.67
  • 6カ月経過後〜育児休業終了日まで
    1カ月の育児休業給付金=賃金月額×0.5

 
 

◆育児休業給付金の計算例

 

  • 賃金月額15万円程度の場合
    育児休業開始から6カ月間の支給額は月額10万円程度、6カ月経過後は月額7.5万円程度
  • 賃金月額20万円程度の場合
    育児休業開始から6カ月間の支給額は月額13.4万円程度、6カ月経過後は月額10万円程度
  • 賃金月額30万円程度の場合
    育児休業開始から6カ月間の支給額は月額20.1万円程度、6カ月経過後は月額15万円程度


なお、育児休業給付金の支給額には上限と下限があります。育児休業開始日から6カ月間は上限が30万5,721円、下限が5万1,737 円です。6カ月以降は上限額が22万8,150円、下限が3万8,610円と決められています。支給額はその範囲内で定められることを、受給を希望する社員には事前に伝えておきましょう。

 
 

社員の生活を支える「育児休業給付金」をしっかり理解しよう


育児休業を取得する社員の中には、収入が減ってしまうことに不安を感じる人もいることでしょう。そうした社員の悩みに寄り添い、サポートするのも人事担当者の役割の一つです。社員の生活を支えるために、育児休業給付金についてきちんと理解し、的確にアドバイスができるようにしておきましょう。

 
 
 

※記事内の情報は2020年9月時点のものです。
※当記事では「パパママ育休プラス」(両親ともに育児休業を取得する場合、子が1歳2カ月になるまで育児休業可能になる特例)には触れていません。
 
監修:うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也
TEXT:水上歩美(ノオト)
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
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