BANTを営業プロセスに活用する方法

著者Indeed キャリアガイド編集部

更新:2021年11月29日

投稿:2021年5月11日

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BANTは、企業間取引(B2B取引)を行う企業にとって非常に有用な手法です。BANTに基づく見込み客の特定は、営業活動による効果が期待できない見込み客に費やされる、貴重な時間を短縮します。模範的で効果のある営業プロセスを重視する場合は、BANTを理解し、導入を検討することをお勧めします。この記事では、BANTとは何か、BANTに基づき見込み客を特定するための質問事項、そしてBANTを活用した営業プロセスについて解説します。

BANTとは

BANTとは、予算(Budget)、決裁権(Authority)、必要性(Needs)、導入時期(Timeframe)の頭文字を取った略語で、元々はIBM社によって考案されました。BANTは、有望な見込み客を特定するためのB2B取引の管理プロセスです。BANT条件に基づいて、見込み客を見極め、優先順位を付けることで、最も有望な見込み客を絞り込むことができます。

BANTに基づき見込み客を特定するための質問とは

BANTの頭文字はそれぞれ、有望な見込み客の優先順位を付けるのに役立つ、見込み客を特定するための質問を表しています。BANTに基づく見込み客を特定するための質問と、各質問の説明を見ていきましょう。

  • 予算(B):見込み客が確保している予算額はどのくらいですか?

  • 決裁権(A):意思決定者は誰ですか?

  • 必要性(N):緊急性の高い問題を抱えていますか、またその問題は社内で解決できる内容ですか?

  • 導入時期(T):ソリューションの早期導入が必要ですか?

予算:価値

見込み客の予算が把握できれば、顧客の価値に基づく方法で見積もりやすくなります。見込み客の予算が、提示する製品やサービスにかかる実際のコストと一致するとは限りません。見込み客は、競合他社や顧客自身の予測に基づいて予算を確保することがあり、場合によっては予算を十分に確保していないこともあります。見込み客の予算の範囲を知るために使用できる、見込み客を特定するための質問例をご紹介します。

  • 現在、この問題に対して、どれくらいの予算を投じていますか?

  • 購入予算の範囲は決まっていますか?

  • この問題のせいで、四半期ごとに多額の事業損失が発生しています。この損失額は、設定した予算と比べてどうですか?

  • 投資を検討することで、四半期ごとに大幅に利益が得られるとします。この利益額は、設定した予算と比べてどうですか?

  • この問題が解決されない場合、5年後にはどれくらいの金額を支払うことになりますか?

  • 最も重要な判断材料は価格ですか?

  • ROIにどのような数値を期待しますか?

決裁権:意思決定者

中心となる意思決定者と直接打ち合わせを行うこともありますが、担当者が最終的な意思決定者ではない場合も少なくありません。BANTの重要なプロセスのひとつに、真の意思決定者を見極めることがあります。これは、最終的な意思決定者ではない担当者とは打ち合わせをしないという意味ではなく、最終的な意思決定者を理解するということです。意思決定者の見極めに使用できる、見込み客を特定するための質問例をご紹介します。

  • 前回、同様の製品を購入した際、意思決定はどのように行われましたか?

  • 次回のミーティングには、誰が参加しますか?

  • 製品を使用するのは誰ですか?

  • 意思決定者は他にいますか?

必要性:問題に対するソリューション

見込み客が、問題に対する解決方法を社内で検討している場合もあるため、ソリューションの必要性は調査を進める上で重要な事項ですが、実際の問題や懸念点が想定していた内容とは大きく異なることがあります。 見込み客の真の問題を理解するためには時間をかけることが求められます。提示する製品またはサービスによって、真の問題が解決できなければなりません。見込み客の問題の解決方法を理解するために使用できる、見込み客を特定するための質問例を見ていきましょう。

  • 問題や機会について考え始めたのはいつ頃ですか?

  • 問題を解決する方法はすでに決まっていますか?

  • 会社における個人的な目標と比べて、この問題を解決することはどの程度重要ですか?

  • この製品やサービスは、現在の優先事項の中でどのような位置付けですか?

  • 対策を取らない場合、どのような結果になると考えられますか?

導入時期:ソリューションの導入時期

見込み客と良好な関係が構築できれば、予算が確保され、意思決定につながり、ソリューションの必要性を満たすことができます。一方で、見込み客があまりにも先のスケジュールを検討している場合は、製品やサービスの導入を優先事項とみなしていないのかもしれません。見込み客の今後のスケジュールを把握するために使用できる、見込み客を特定するための質問例を見ていきましょう。

  • 今後のイベントや締切の前にソリューションを導入しませんか?

  • このサービスが早急に必要なプロジェクトはありますか?

  • この四半期または今年の年間目標は何ですか、またその目標を達成するためにこのサービスや製品は不可欠ですか?

  • 目標を達成するには、この日付までに契約を締結する必要があります。条件や内容は問題ありませんか?

BANTを活用した営業プロセス

BANTの営業プロセスは、数十年前に作成されたものです。現代の企業でBANTの営業プロセスを活用するためには、次のようなステップに従ってください。

  1. 見込み客の予算は、あくまでも目安として捉える。

  2. 関係者を見つける。

  3. 問題の重要度を明確にする。

  4. 緊急性を把握する。

1. 見込み客の予算は、障壁ではなく目安として捉える

多くの企業にとって、予算が大きな障壁になることはないでしょう。サブスクリプションモデルを採用している場合は、なおさらです。適切な質問をすれば、見込み客の予算を確認し、必要条件に見当をつけることができます。その予算がソリューションのコストに合わない場合は、ソリューションを見直す必要があります。提示された予算が絶対的な条件ではなく、目安の場合もあるため、この時点で最善の判断を下してください。ソリューションの魅力が顧客に伝われば、予算拡大の検討につながるかもしれません。

2. 関係者を見つける

ビジネスにおける意思決定の多くは、ひとりではなく複数の関係者によって行われます。1つの案件には、複数の利害関係者が関わっている可能性が高く、提示したソリューションが企業利益につながると考えている人がいても、意思決定プロセスに関与している他の関係者の説得が必要になる場合があります。

関係者を見つけ、役職や、意思決定における役割、商談につなげる方法、見込み客の優先事項に注目してみてください。人脈が増えると商談で主導権を握りやすくなり、前向きな結果につながる機会に恵まれるようになります。

3. 問題の重要度を明確にする

企業は多くの場合、コストに見合う予算がある相手を選ぶよりも、自社にとって適切だと思われる判断に従って行動することを優先します。こうした意志は、問題とそのソリューションが企業にとってどれだけ重要かを見極めることで確認できます。重要度が把握できれば、サービスをどのように提供すればよいかもわかるようになります。

この情報によって、見込み客を絞り込むことができるだけでなく、コミュニケーション方法を戦略的に位置付け、商談成立につなげることができます。

4. 行動のスピードを見極める

見込み客を新規顧客にできるかどうかを判断するには、稟議や承認に時間がかかるのか、あるいは売り込みから商談成立まで迅速にプロセスが進むのかなど、行動のスピードを見極める必要があります。前もって方向性を決め、商談成立に向けて準備をすることで、見込み客の行動を把握しやすくなります。

営業チームが導入予定時期を把握していれば、チーム全員が協力して、商談成立時に必要なリソースを適切な場所に配置することができます。そのため、販売から納入まで円滑に進めることができ、顧客サービスの向上につながります。

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