職場でコーチングを実践すべき11の場面とは?

著者Indeed キャリアガイド編集部

投稿:2022年8月25日

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優れたリーダーは、部下の業績と生産性を向上させる上で効果的なコーチングを実施し、部下が状況の変化に対応し、新しいスキルを身に付け、効率よく業務を進められるようにするでしょう。

また、会社にとってコーチングが重要な理由や、コーチングが必要になる具体的な場面を把握することで、コーチングスキルが高まる可能性があります。

この記事では、会社にとってコーチングが重要な理由や、従業員のコーチングを実践すべき場面の具体例をご紹介します。

会社にとってコーチングが重要な理由

会社にとってコーチングが重要なのは、従業員にさまざまなメリットをもたらすことができるからです。

たとえば、メンター(指導者)によるコーチングを受けた従業員は、業務の成果や仕事に対する満足度が高まるでしょう。それ以外にも、コーチングには次のようなメリットがあります。

従業員の業績が向上する

コーチングを通じて身に付けた新しいスキルを従業員が活用することで、業務の生産性が向上することがあります。

また、コーチングを担当する上司を従業員が身近に感じるようになり、助けが必要な状況で上司に相談しやすくなる可能性もあります。それが従業員の業績向上につながり、最終的には事業の成果も上がるでしょう。

目標達成を促進する

コーチングでは、各従業員のスキルや担当業務に合わせた目標を設定できるようサポートしましょう。

コーチがよく考えて立てた具体的な目標は、より大きな成果の達成につながる可能性があります。また、目標を達成する上で協力が必要な関係者が減ると、成果を数値で測定できる現実的な目標を設定しやすくなるでしょう。

チームワークを強化できる

コーチングを実践すれば、従業員同士の協力を促し、チームワークを強化できる可能性があります。

その結果、従業員が協力し合うようになることで、業務の効率や生産性が向上するでしょう。

社内のコミュニケーションが活発になる

上司が部下のコーチングを担当することで、社内のコミュニケーションが活発になるでしょう。

また、コーチングを通じて従業員同士が関係を築くと、社内の雰囲気が改善され、社内のメンバー全員にとって楽しい職場が実現するかもしれません。

従業員の問題解決能力を伸ばすことができる

コーチングの目的の1つは、従業員が自分で問題を解決して業務を進められるように、従業員の問題解決能力を伸ばすことにあります。

コーチングを通じて問題の解決策を探る過程や方法を指導することで、従業員が問題解決能力を身に付けられるようサポートしましょう。

従業員の定着率が高まる

コーチングによって従業員の研修やトレーニングが充実することで、業務の成果や仕事に対する満足度が向上すれば、従業員の定着率も上がる可能性があります。

さらに、コーチングを通じて社内の人間関係が良好なものになれば、従業員の幸福度も大きく改善されるでしょう。

コーチングを実践すべき場面の具体例

コーチングの具体的な活用場面を見ていきましょう。

1. 言動や態度を順応させる

ある従業員の言動や態度が原因で、本人を含めた社内のメンバーの業務に悪影響が及んでいる場合、その言動や態度を順応させるコーチングが必要になるでしょう。

たとえば、遅刻を繰り返す従業員により業務の遅れが生じている場合、コーチングを通じて時間管理能力を身に付けさせることで、生産性が向上する可能性があります。

また、社内の規則や制度が変更になった際に、1対1のトレーニングを実施することで、従業員が自身の言動に注意を払い、新しいルールを遵守しやすくなるでしょう。

その結果、規則や制度の変更がスムーズに進むと共に、従業員が抵抗を感じなくなる場合があります。

2. 中途入社の従業員を迎える

中途採用で入社してきた従業員は、新しい業務の引き継ぎにあたり、さまざまなスキルを身に付けなければならない可能性があります。

そこで、コーチングを通じて新しい業務をすぐに覚えられるようサポートすると、会社や部署の目標を効率よく達成できるようになるでしょう。

また、社内で異動になった従業員がいる場合にもコーチングが有効な可能性があります。

この場合、コーチングは社内の業務を詳しく把握している従業員を異動させる際に効果的な研修方法となり、実際の研修では、異動先の部署にいる同僚の業務を見学できるようにする場合があります。

なお、この研修方法は、退職する従業員が自分の業務を後任者に引き継いでもらう際にも採用すると良いでしょう。

3. スキルを育成する

コミュニケーション能力やITスキルなど、業務に必要なスキルを新入社員に身に付けさせる上でもコーチングが有効でしょう。

研修を通じて従業員のスキルや能力を向上させ、優秀な人材に育てることができれば、会社にとって大きな利益となる可能性があります。

また、ツールの入れ替えなどにより業務プロセスが変更になったときも、コーチングが必要になる場合があります。

このようなコーチングでは、従業員に新しいツールの使い方などを教えることになるでしょう。

4. 業務の成果を改善する

コーチングによって業務の成果が向上すれば、従業員が自分の目標を効率よく達成できるようになるかもしれません。

たとえば、ノルマを達成できていない従業員がいる場合、業務を効率化する方法をコーチングで指導すると良いでしょう。

コーチングを通じて業務の成果を改善するには、コーチが業務の進捗をチェックするだけでなく、従業員が自分で進捗をチェックする方法を教えることが必要になる場合もあります。

5. 社内の雰囲気を明るくする

社内の雰囲気が明るくなれば、業務の生産性も高まるので、経営陣や管理職にとってもメリットが生まれる可能性があります。

社内の雰囲気を改善するためのコーチングでは、気分を落ち着かせる方法やイメージトレーニングの方法、勤務中に気分をリセットするためのテクニックなど指導すると良いでしょう。

また、社内のメンバー全員を対象として、プラス思考の練習をするワークショップを開催すれば、従業員に前向きな考え方をするよう促すと共に、マイナス思考に陥る危険性を減らすことができるかもしれません。

6. 問題解決の手法を教える

経営陣や管理職にとっては、従業員全員を対象に、問題解決に役立つ次のような定番の手法を指導することが重要になるでしょう。

  • ブレインストーミング:複数の参加者を集め、意思決定のプロセスへの協力や参加を促す手法。

  • マインドマップ:問題とその解決策の候補(具体的な実践方法を含む) を紙に書き出し、線でつなぐことで問題を可視化する手法。

  • ストーリーボード:問題の発生から解決までの流れを絵にすることで、問題解決の過程と想定される結果を可視化する手法。

問題解決に役立つ手法の使い方を従業員に教えることで、経営陣や管理職が戦略の策定にかける時間が増えると共に、従業員が自分の裁量で業務を進められるようになるでしょう。


7. 目標設定の手法を教える

コーチングが必要な場面の代表例としては、従業員に目標設定の手法を教える場合が挙げられるでしょう。

なぜなら、業務の成果を測定し、滞りなく完了するには、目標を決めることが効果的だからです。目標設定の手法に関するコーチングでは、従業員が自分の目標を立てたり、会社や部署の目標達成に貢献したりできるようになることを目的とします。

ビジネスの現場で採用されている主な目標設定の手法には、次のようなものがあります。

  • SMARTの法則:目標の到達度をチェックしたり、目標達成に向けた計画を詳しく決めたりしやすくする効果がある手法で、SMARTという名称は、Specific(具体的である)、Measurable(成果を数値で測定できる)、Attainable(現実的である)、Relevant(目標として妥当である)、Time-bound(達成期限がある)の頭文字を並べたものです。SMARTの法則は、プロジェクトの完了など短期的な目標を立てる際に適した手法と言えるでしょう。

  • HARDメソッド:この名称は、Heartfelt(本気で達成したいと思う)、Animated(目標達成後の自分の姿を想像できる)、Required(自分や会社の成長のために必要である)、Difficult(達成するのが困難である)の頭文字を並べたものです。HARDメソッドは、借入金の返済など長期的な目標を立てる際にぴったりの手法となるでしょう。

  • WOOPの法則:新しい習慣を定着させたり、古い習慣をやめたりするのに効果的な手法かもしれません。なお、WOOPという名称は、Wish(達成したい目標を決める)、Outcome(どんな成果を目指すのかを考える)、Obstacle(目標達成の障害となる要因を特定する)、Plan(目標を達成する方法を検討する)の頭文字を並べたものです。

8. 昇進させる

従業員を昇進させる際にコーチングを実施し、その従業員が新しい役職で活躍できるようサポートしましょう。

従業員に昇進の準備をさせる際のコーチングでは、昇進後の業務に必要なツールを提供したり、業務の進め方を説明したり、業務目標の設定を手伝ったりすることがあります。

9. 従業員の不安をやわらげる

従業員は不安を感じると、業務の成果が落ちる恐れがあります。従業員の不安をやわらげる方法を明らかにすることで、業務の成果を改善し、経営目標の達成を促進できる可能性があります。

不安を感じている従業員のコーチングでは、不安の原因を特定し、その原因を解消する方法が見つかるようサポートしましょう。

たとえば、新しい部署での仕事に不安を感じている従業員には、コミュニケーションの取り方や自己紹介、新しい同僚との共同作業をうまく進める方法を説明すると良いかもしれません。

10. 定年退職者の再雇用や業務の引き継ぎを行う

定年退職後の再雇用を希望する従業員がいる場合は、その従業員の知識や能力をどう活用するかについて、コーチングを通じて判断しましょう。

こうしたコーチングを実施することで、担当する業務の量を調整しつつ、今後も会社で働き続けてもらえる可能性があります。

また、コーチングは定年退職者からの業務の引き継ぎでも効果を発揮するでしょう。

この場合、他の従業員に今後の準備をさせるだけでなく、定年退職者が人事部門に報告したり、担当業務を終わらせたりするのをサポートすると良いかもしれません。

11. 職場復帰を支援する

産休や育児休業、病気による休職など、長期休業から復帰する従業員は、職場への復帰にあたってコーチングが必要になる場合があります。

職場への復帰はスムーズに進まない可能性があるので、業務の進め方について説明やアドバイスをする人を決めておくと良いでしょう。

職場復帰する従業員へのコーチングでは、社内の制度や業務の流れを説明したり、オフィスや社内設備を案内したり、他の従業員に紹介したりするほか、業務に必要な知識やスキルを習得できるトレーニングを実施することもあります。

コーチングに必要なスキル

コーチングの効果を高めるには、次のようなスキルが必要となるでしょう。

傾聴力

傾聴とは、相手の話に耳を傾け、相手の主張を繰り返して言えるほど深く理解しようとすることです。

コーチングでは、相手がどんな困難に直面しているのかを把握し、どんなスキルが身に付くように指導するかを判断するために、相手の話をじっくり聴くことが極めて重要になるでしょう。

また、指導する相手の言うことに耳を傾ければ、相手の考えを尊重する姿勢が伝わるので、信頼関係を築き、相手から頼ってもらえる可能性が高まります。

コミュニケーション能力

コーチングは相手への指示を伴うことが多いので、コーチングの効果を高めるには、優れたコミュニケーション能力が不可欠でしょう。

コミュニケーション能力を磨くことで、口頭や書面などの方法で自分の意思を正しく伝えられるようになるほか、コーチングの相手と協力したり、自ら手本となって指導したりしやすくなる可能性もあります。

対人スキル

対人スキルとは、対人関係の構築に役立つ能力のことで、コミュニケーション能力や信頼性、エモーショナルインテリジェンス(心の知能指数)などが含まれます。

これらのスキルを磨くことで、コーチングの相手から信頼され、相手に合わせた指導方法を判断しやすくなるでしょう。また、コーチングの相手との関係を築くことで、コミュニケーションが取りやすくなったり、生産性が向上したりするほか、指導の効果が高まる可能性があります。

目標設定力

コーチングでは、目標設定を欠かすことはできません。

たとえば、コーチが自分に対して目標を課すだけでなく、コーチングの相手が目標を立てられるよう支援することもコーチングの一部と言えるでしょう。

目標設定力があれば、コーチングの相手が優れた成果を達成できるよう指導する際に役立つ可能性があります。目標を正しく設定するには、情報を整理したり、相手の状況をイメージしたり、戦略的かつ批判的に思考したりする力が必要となるでしょう。

観察力

コーチングが必要な人を判断したり、コーチングの相手を手助けする最善の方法を見極めたりする上では、観察力が重要になるでしょう。細かいところに気が付く観察力があれば、相手に応じてアドバイスをしたり、今後の方針を提示したりしやすくなる可能性があります。

指導力

コーチングの主な目的が従業員の指導である以上、指導力はコーチングに不可欠なスキルだと言えるでしょう。

コーチングでは、エンパシー(共感力)や忍耐強さに加え、さまざまな指導方法に関する知識が求められる場合があります。

また、コーチングの相手にとって効果の大きい学習スタイルに合わせて指導方法を変えられるように、学習スタイルの違いを把握しておくと役に立つかもしれません。

たとえば、聴覚重視の学習スタイルを好む相手の場合は、業務のやり方を直接教えるより、生産性を向上させる方法やヒントについて解説した方が効果的でしょう。

評価力

コーチングでは、目標の達成度をチェックし、指導方法を調整しやすくなるように、指導する相手の能力や成果を評価することが重要になる場合があります。

相手の能力や成果を評価する際は、相手の状態を観察し、さまざまな情報を解釈したり、分析したりすることに加え、優れた成果が出ているところを褒めたり、今後注意すべきところを指摘したりしましょう。

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