コンプライアンス研修の重要性とは

著者Indeed キャリアガイド編集部

更新:2022年12月16日

投稿:2021年9月8日

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どの企業の役員や経営陣にとっても、法令遵守は重要な考慮事項です。法律や業界の規制は、企業の方針や戦略、運営に大きな影響をもたらします。あなたが管理職であれば、リスクを最小限に抑えるために、効果的なコンプライアンス研修の受講を部下に求める必要があるかもしれません。この記事では、コンプライアンス研修が重要である理由について説明し、コンプライアンス研修プログラムを作成する際に考慮すべきヒントをご紹介します。

コンプライアンス研修とは

コンプライアンス研修では、従業員が自分の仕事に関連する法律や規制について学ぶことができます。コンプライアンス研修の内容は、職種や業種を問わないものから、職種や業種に特化したものまで、多岐にわたります。企業や従業員が法令を遵守するには通常、指定された期間内に従業員が研修プログラムを修了できるようにする必要があります。

また、多くの企業では雇用形態を問わず、全従業員が関連するコンプライアンス研修を修了することが義務付けられています。そのため、従業員は職場が求めるコンプライアンスの目的や重要性、ベストプラクティスを常に意識するようになります。

経営者がコンプライアンス研修を導入する理由

コンプライアンス研修は、一般的に義務付けられているという事実以外にも、企業にとって非常に有益な点があります。コンプライアンスは、職場の意識や適切な行動の統一を促すための効果的なツールです。職場における安全やセキュリティに関する従業員の意識を高めることで、管理職はインクルーシブで敬意に基づいた職場文化、すなわち、全ての従業員が互いを尊重し合い、帰属意識を感じられる職場を確立することができます。

コンプライアンス研修が管理職にとって有益であると考えられる理由をいくつかご紹介します。

  • 訴訟リスクの軽減:業界を規制する関連法について従業員に周知することで、潜在的な訴訟から会社を保護することができます。

  • 職場でのけがの減少:安全を最優先した仕事の手順を把握していれば、仕事中に従業員がけがをする可能性が低くなるため、欠勤や従業員による損害賠償請求の減少につながります。

  • リスクマネジメントに対する従業員の意識向上:コンプライアンスが重要である理由を従業員が意識することで、会社のリスクマネジメント戦略に意欲的に関与するようになります。

  • 生産性の向上:コンプライアンス研修は、従業員の賢明な選択や適切な行動を促すのに役立ちます。従業員が自主的に規制に従うことで管理職の介入を抑えられるため、こうした従業員の積極的な態度は職場の生産性向上につながります。

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コンプライアンス研修の例

コンプライアンス研修は、業種や業務内容、勤務地などによって研修コースのテーマが異なります。一般的なコンプライアンス研修のテーマの例をいくつかご紹介します。

倫理研修

組織には、その業界に適用される法的要素の範囲内で、独自の行動規範があります。たとえば、汚職や不正行為、利益相反に関するガイドラインなどが用意されています。倫理研修では、従業員が適切な判断を下すことを目的とし、困難な状況が生じた場合に自分自身や同僚が責任ある行動ができるようにするために必要な情報を提供します。

ハラスメント防止研修

ハラスメント防止研修は通常、職場での不適切な対人行為を従業員に認識させることを目的としています。従業員は、セクシャルハラスメントや、性別、年齢、性的指向、信仰に基づく差別などのさまざまなハラスメントの定義のほか、ハラスメントの事例に対応するための効果的な戦略についても学びます。

一部の企業では、ハラスメント防止研修が義務付けられていますし、何らかのハラスメント防止研修が実施されている企業は多数あります。

ダイバーシティ研修

ダイバーシティ研修は、多様な人材の価値や強みを強調することで、職場での偏見や差別を減らすことを目的としています。このような研修には、人種や民族、性別、性的指向、年齢、能力などの違いを理解するための情報が含まれます。また、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を見極める方法や、全従業員が共有する共通の目標を強調することで、従業員同士の積極的な交流を促します。

データ保護とプライバシーに関する研修

業界を問わず、ほとんどの企業は何らかの機密データを管理しています。たとえば、従業員や顧客の基本的な情報だけでなく、詳細な財務記録のように、高い安全性が求められる情報などがあります。データ保護やプライバシーに関する研修では、安全なデータの取り扱いを実践するための技術的なスキルを習得します。

たとえば、ある大手情報企業のデータ保護に関する研修では、データ保護の原則やデータ保護の責任について学びます。また、モバイル機器など職場外でのデータの取り扱い方についても学びます。

職場の安全

従業員に安全な職場環境を提供することは、管理職にとって重要な検討事項です。また、厚生労働省では、職場における労働者の安全と健康の確保と、快適な職場環境をつくるための様々な規則を定めています。厚生労働省が定める職場における安全衛生基準としては、落下防止、高レベルの騒音やアスベストなどの有害物質へのばく露防止などがあります。

建設業や製造業などの特定の業種や職種では物理的なリスクが高まることがありますが、一般的なオフィス環境の企業でも、基本的な安全基準を設けておく必要があります。職場の安全教育には、応急処置、緊急時の適切な対応、事故への対処、危険の特定と報告などの情報が含まれます。

コンプライアンス研修を実施する際のポイント

自社向けにコンプライアンス研修プログラムを作成する場合は、次のようなガイドラインを参考にしてください。

マイクロラーニング(短時間学習)を導入する

過密なスケジュールで働く多忙な従業員にとって、長時間のコンプライアンス研修は大きな負担がかかります。従業員にマイクロラーニング(短時間学習)の研修コースを提供することで、コンプライアンス研修への積極的な参加を促すことができます。マイクロラーニングは、一度に1つの学習目標を取り上げるため、わずか数分で学習できます。

デジタル技術を活用する

インタラクティブなeラーニング(オンライン学習)アプリケーションなどのデジタル形式でコンプライアンス研修を提供することで、従業員は研修コースにアクセスしやすくなり、自分の時間に合わせて受講することができます。

シンプルな内容にする

従業員が研修に積極的に取り組み、関連する情報を記憶にとどめられるようにするには、コンテンツを簡潔に提供することが効果的です。たとえば、政策や法律の一部分を紹介し、その中で最も重要なポイントを簡単に説明することで、従業員の負担を減らすことができます。

適切な情報を定期的に提供する

従業員を守り、企業のリスクを最小限に抑えるには、コンプライアンス研修において最新かつ適切な情報を、定期的に何度も繰り返して提供することが極めて重要です。

監修
羽場 康高(はば やすたか)
社会保険労務士、1級FP技能士、簿記2級
現在、FPとしてFP継続教育セミナー講師や執筆業務をはじめ、社会保険労務士として企業の顧問や労務管理代行業務、給与計算業務、就業規則作成・見直し業務、企業型確定拠出年金の申請サポートなどを行っています。

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