キャリア開発

売り手市場とは?買い手市場との違いやメリットとデメリットを解説

一般的に、就職や転職がしやすいのは売り手市場といわれています。
そのため、就職や転職を目指す際は、自身の就業を希望する業界が「売り手市場」と「買い手市場」のどちらに該当するか気になる方もいるでしょう。
今回は、売り手市場と買い手市場の違い、売り手市場のメリットとデメリットなどについて紹介します。

売り手市場、買い手市場とは

売り手市場と買い手市場とは、次の状況に置かれた就職、転職市場のことです。

売り手市場:求人数よりも求職者の方が少なく、求職者に有利な状況
買い手市場:求人数よりも求職者の方が多く、求職者に不利な状況

好景気では売り手市場に、不景気では買い手市場になることが多くなります。
ただし、すべての業界が同じ状況になるとは限りません。売り手市場の業界と買い手市場の業界が混在するため、市場の状況を把握することが大切です。

売り手市場のメリット

売り手市場は求職者に有利な状況といわれています。どのような意味で有利なのか紹介します。

(1)好条件の求人が多い

売り手市場では、企業側は優秀な人材を確保するために手を尽くします。
そのため、給与や福利厚生、休日休暇など雇用条件のよい求人が出てきやすくなります。

(2)選択できる企業が多い

売り手市場では求職者よりも求人数が多くなるため、自身にあった企業を選びやすくなります。普段は募集していない企業が求人を出すケースがあり、キャリアの選択肢が広がる可能性もあります。

(3)採用されやすい

売り手市場では、企業は人材を確保しにくい傾向があるため、採用のハードルが下がる可能性もあります。
ただし、採用に対する考え方は企業によって異なるため、売り手市場だからといって簡単に採用されるわけではありません。

売り手市場のデメリット

売り手市場のデメリットは、就職や転職のハードルが低くなることで、企業分析やキャリアの棚卸しなどを十分に行わずとも採用される可能性があることです。
一見メリットに思えますが、企業や風土、仕事内容などの理解が浅くなるとミスマッチを起こしやすくなります。
選択肢が多く採用のハードルも下がる傾向にあるからこそ、自身のキャリアや希望条件などを棚卸しし、求める勤務先か吟味できるだけの準備が欠かせないでしょう。

採用市場の状況と調べ方

就職や転職を希望する業種の採用市場について、現状を把握しておきましょう。採用市場の状況とその調べ方をご紹介します。

売り手市場かどうかを調べる方法

現在の採用市場を確認する際は、求職者1人当たりの求人件数を示す「有効求人倍率」が参考になります。有効求人倍率が1以上で売り手市場、0.99以下で買い手市場です。
たとえば、求人数が12万件、求職者が10万人とした場合、有効求人倍率は下記となります。

求人12万件÷求職者10万人=有効求人倍率1.2倍(売り手市場)

現在の採用市場

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和3年1月分)について」によると、令和3年1月時点の有効求人倍率は、1.1倍です。全産業の平均としては有効求人倍率が1倍を超えているため、売り手市場といえます。
しかし、いつ買い手市場に転じるか不透明な状況です。就職や転職活動を行う際は、今どうなっているか調べることをおすすめします。

市場が変化する要因

市場が変化する要因は、業界によって異なります。たとえば、AIやビッグデータの活用により事業成長が見込める業界では、ITに関する人材の求人が増えると考えられます。
また、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行は、多くの業種の採用市場に影響を与えています。

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和3年1月分)について」によると、令和3年1月時点で有効求人倍率が1以上の業種は、開発技術者や情報処理、通信技術者、医師、保健師、医療技術者、営業職、販売職、生活衛生サービス、金属材料製造等、建設や採掘の職業などです。

一方、求人倍率が0.99以下の業種は、製造技術者や一般事務、会計事務、営業販売事務、運搬業、船舶や航空機運転業などです。

新型コロナウイルスのような外的要因は、採用市場に大きな影響を及ぼす場合があります。希望する業界の市場環境や変動要因を知ることで、就職や転職活動の準備ができるでしょう。

まとめ

売り手市場は買い手市場と比べて就職や転職に成功しやすい傾向があります。
ただし、企業が定めるスキルや経験の水準を満たしていない場合は、売り手市場でも採用されるとは限りません。
まずは、売り手市場か買い手市場か確認したうえで、就職や転職の戦略を考えることが大切です。

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