エモーショナルインテリジェンスが職場で大切な理由

更新:2022年8月16日

キーポイント

  • エモーショナルインテリジェンスが重要である理由は、仕事とプライベートの両方の対人関係の改善に役立つためです。

  • 職場のエモーショナルインテリジェンスは、自己認識、自己抑制、モチベーション、エンパシー(他者の感情や経験を理解する共感力)、社交スキルという5つの要素で構成されます。

  • 職場でのエモーショナルインテリジェンスを高めることには、ノンバーバル(非言語的)な手がかりを理解して、状況に合った行動を取り、適切な意思決定をして、尊敬されるリーダーになることができるなどのメリットがあります。

エモーショナルインテリジェンスは、感情を適切に理解し、コントロールするための能力です。職場でエモーショナルインテリジェンスを発揮することによるメリットは大きく、キャリアアップにつながるほか、より良い人間関係を築いて、前向きな職場環境を作ることができます。

この記事では、エモーショナルインテリジェンスを構成する5つの要素、エモーショナルインテリジェンスの重要性、職場でのエモーショナルインテリジェンスに関わるスキルの磨き方を解説します。

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エモーショナルインテリジェンスとは

エモーショナルインテリジェンスは、感情を理解し、コントロールするための能力のことで、心の知能指数(EQ)とも呼ばれます。

感情を扱う能力が高ければ、相手に寄り添いながら対人関係を築くことができるため、エモーショナルインテリジェンスの高さは、キャリア目標の達成にも役立ちます。

職場で活用すべき5つのエモーショナルインテリジェンス

職場における5つのエモーショナルインテリジェンスは、1990年代に心理学者のDaniel Goleman氏が提唱したことで知られています。それらの5つのスキルを職場でどう活かすべきかについても触れながらお話ししていきます。

1. 自己認識力

自己認識力は、感情や感情を高ぶらせる要因を見極める能力のことです。自分が何を感じているのか知覚できると、他社が自分の感情をどう受け止めているかも分かります。職場では、自己認識力を活かすことで、同僚やクライアント、上司などがあなたをどう見ているのかを理解できます。

2. 自己抑制力

自己抑制力は、より良い方向に物事を進めるために、自分の感情をコントロールして調整する能力のことです。

自分の感情は他の人にも強く影響するため、気持ちをコントロールすることは、どのような状況でも欠かすことができません。気持ちを整えて仕事での感情をコントロールすれば、クライアントの前で社会人としてふさわしい態度を取ることができます。

3. モチベーション

モチベーションは、何かをしたいと思う衝動や欲求のことです。モチベーションがエモーショナルインテリジェンスに関係しているのは、欲求を持つことでさまざまな感情が生まれるからです。

例えば、毎日の日常業務を完璧にこなしたいという気持ちを持つことにより、モチベーション高く仕事に取り組んでいることや、心の奥にある願望や目標を達成するために努力できる人物であることが企業に伝わります。

4. エンパシー(共感力)

エンパシーは、他者の感情を見極めて理解する能力のことです。周囲の人々の気持ちを理解できると、職場で起きるさまざまな状況により効果的に対処できます。例えば、同僚が落ち込んでいる時に共感の気持ちを示すことができるので、状況が悪化するのを防ぐことができます。

5. 社交スキル

社交スキルは、他者と関わり、コミュニケーションを図る際に活用できるスキルです。

効果的にコミュニケーションを取り、相手に敬意を払うことができるなど、優れた社交スキルを備えていると、相手の声に耳を傾けた上で発言して、対立をうまく解消することができます。

社交スキルはリーダーに不可欠であり、これを職場で活かすことができれば、キャリアを前進させることができるでしょう。

エモーショナルインテリジェンスが職場で大切な理由とは?

職場でエモーショナルインテリジェンスが重要なのは、自分や他者の感情を知覚し、その理由を考えて理解し、対処することができるからです。

感情をうまく扱うことができると、人を導き、助けることができる上、自分自身も幸福感を感じ、物事を一層うまく進めていけるようになります。

エモーショナルインテリジェンスは次のような状況に役立てることができるため、職場で重要視されています。

  • ノンバーバルコミュニケーションを理解できる: 問題が起きる前に、状況を改善するきっかけを掴むことができます。例えば、同僚が悲しそうな様子だと気付くことができれば、相手に歩み寄り、共感を示すことができます。

  • 個人的な感情を自己認識できる:この能力を発揮できれば、クライアントや同僚に迷惑をかける前に、振る舞い方を変えることができます。例えば、睡眠不足だと分かっているなら、より前向きになれるように気持ちを切り替えて、翌日の仕事での行動を変える努力をすることができます。

  • 仕事を効率化できる:他者の感情に共感し、理解することができれば、容易に意思決定を行い、仕事を効率的に進められます。

  • キャリアを前進できる:エモーショナルインテリジェンスとリーダーシップスキルは、密接に関係しています。忍耐力、傾聴力、前向きな姿勢、エンパシーなどの能力を発揮することができれば、リーダーに抜擢されたり、昇進や昇給を受けたりすることができるでしょう。

  • 周りの人も対人スキルを磨くようになる:感情は伝染するため、モチベーション、エンパシー、責任感、チームワーク力を遺憾なく発揮していれば、チームもそれに追随するようになります。

職場でのエモーショナルインテリジェンスを高めるには

エモーショナルインテリジェンスは、職場での成功に大きく役立つ可能性があります。自分の職場でのエモーショナルインテリジェンスを高めることで、チームに影響を与え、全員で前向きな職場環境を作り上げることができます。

それでは、職場でのエモーショナルインテリジェンスを高める5つの方法を見ていきましょう。

1. 自分の弱みを見つける

エモーショナルインテリジェンスを高めるには、まず自分の弱みを見つけることが有効です。感情面での弱みを自己分析すると、相手や状況を理解した上でコミュニケーションが取れる人になることができます。

例えば、言葉で率直にサポートを求める気持ちを伝えてくれる人の気持ちは分かるのえに、ノンバーバルコミュニケーションから察するのは苦手な人もいるかもしれません。自分の弱みを正直に書き出し、定期的にリストを見直して改善点を確かめてください。

2. 過去に発揮したエモーショナルインテリジェンスを振り返る

改善点を自己分析した後は、過去に発揮したエモーショナルインテリジェンスを振り返り、さらに分析していきます。メールやSMS(ショートメッセージ) を読み返すと、さまざまな状況にどう対応してきたのか振り返ることができます。

例えば、もっと親身になって接すればよかったと気付く場面があるかもしれません。自分のコミュニケーションの傾向に気づき、振り返ることで、今後同じような場面でより効果的に対応する方法が分かります。

3. フィードバックをもらう

自分の感情の傾向を知るには、信頼できる人にフィードバックをもらうのが非常に効果的です。そういった人たちであれば、コミュニケーションの取り方について正直に意見を述べてくれるため、フィードバックはかなり現実を反映したものになるはずです。

家族や友人に、あなたのコミュニケーションの印象を聞かせてほしいと頼んでみてください。このようなアドバイスを受けることで、他の人が自分をどう捉えているのかや、改善する方法が見えてきます。

4. 協力を求める

職場でのエモーショナルインテリジェンスを高めるには、上司やメンターに協力を求めることをお勧めします。

コミュニケーション能力やリーダーシップスキルを向上させたいという希望を伝え、そのために何か提案してもらえるよう頼んでください。例えば、チーム全体のためになるような研修や職場での活動に参加することもできます。

5. 日頃からエモーショナルインテリジェンスを鍛える

エモーショナルインテリジェンスについて、自ら学んだことや他の人に教えてもらったことを日々実践してください。自分の弱みを見つけ、協力やフィードバックを求めると、改善点が分かってきます。

鏡を見て、表情やしぐさを改善するように、自分だけで実践できることもありますが、実生活でエモーショナルインテリジェンスを鍛えるには、さまざまな人たちとコミュニケーションを取る必要があります。

エモーショナルインテリジェンスを高める努力をすることで、キャリアを前進させながら、他の人もそれに倣うように働きかけることができます。


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