【気になるおシゴト探訪録】ファッションエディターの仕事内容や特徴、向いている人などを聞いてみた
著者Indeed キャリアガイド編集部
投稿:2021年11月30日
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ファッション記事や企画を通して今のトレンドを伝えるファッションエディター。一体どんな仕事をしているのでしょうか?
実際にファッションエディターとしてキャリアを積んでいるEさんに、仕事内容やその実態、向いている人などを、JOYとナタリー博士が聞いてみました。

ファッションエディターとは?
JOY:ファッションエディターってどんなことをするの?
Eさん:ファッション誌やファッション系Web記事の企画、ディレクション、編集、ライティングをする仕事です。ときには書籍やカタログ、Webサイトなどの制作に参加することもあります。
ナタリー博士:実際の業務にはどんなことがありますか?
Eさん:案件によってパターンはさまざまです。企画立案から入る場合もありますが、雑誌の場合は基本的に企画ありきで、
1. 担当編集とコンテ打ち合わせ
2. コンテおこし
3. スタッフィィング(スタッフの選定)
4. 決定スタッフと各種打ち合わせ(スタイリストと洋服の方向性の打ち合わせ、フォトグラファーと撮影場所の打ち合わせなど)
5. スタジオやロケ場所手配(場合によってはロケハン)
6. 撮影当日の飲食手配
7. コーディネートチェック
8. 撮影立ち会い&ディレクション
9. 編集担当&副編集長と写真選び
10. デザイナーにレイアウト入れ(レイアウト指示)
11. レイアウトが完成したらライティング
12. プレスの校正確認が必要な場合はメールのやりとり
13. 文字校チェック
14. 色校チェック
15. 校了
という流れです。
JOY:関わる工程がこんなにたくさんあるんだね!
Eさん:はい。エディターは編集、ライティングの仕事というイメージを持たれがちですが、事務作業やディレクションも任されることになるので、ある意味何でも屋さんです。ファッションブランドの自社メディアでのファッション企画などは、やりたいことを伺い企画提案からすることも。インタビュー記事もたまに担当します。
ナタリー博士:経験値をたくさん積んでいけそうな現場ですね。
JOY:どんな人と一緒に仕事をすることが多いの?
Eさん:雑誌社の編集者、フォトグラファー、スタイリスト、ヘアメイク、モデルやタレント、グラフィックデザイナー、アパレル企業などと一緒に仕事をします。
JOY:おしゃれ好きな人たちとお仕事してたら、ぼくもおしゃれになれるかな?
ナタリー博士:そうね、センスはどんどん磨かれていくかもしれないね。
ファッションエディターになるには?
ナタリー博士:ファッションエディターになるためには、資格などは必要なのですか?
Eさん:骨格診断や肌色診断の編集、ライティングをする人はそれに応じた資格を持っていることがありますが、専門的な分野に携わらない場合、資格は必要ありません。
ファッションや書くことが好きなら誰でもチャレンジできる仕事だと思います。実際私も、大学卒業後のアルバイト生活をしているときに出会ったファッション誌の編集者から、突然「ライターやってみない?」と誘われ、右も左もわからず始めて今に至ります。
JOY:「好き」の気持ちがあれば始められるっていいね!
ナタリー博士:そうだね。
JOY:ファッションエディターにはどんな人が向いているの?
Eさん:ファッションが好きな人、たとえ自分の考えと方向性が違っても、他人の意見に寄り添えるなどコミュニケーション能力がある人、自分より他人を優先できる忍耐力のある人、体力のある人、好奇心旺盛な人が向いていると思います。
ナタリー博士:多くの方と関わりながら作り上げるからこそ、自分の考えだけでなく、他の人の考えを取り入れていく柔軟性が必要なのですね。
JOY:良いものを作りたい気持ちは一緒だもんね!
ファッションエディターの実情は?
ナタリー博士:ファッションエディターの仕事はどんなところにやりがいを感じますか?
Eさん:どんな仕事が来るかわからないワクワク感が好きですね。作業内容は同じでも企画内容は変わっていくので飽きにくいです。たとえば、普段はファッション中心ですが、突然、温泉旅館のWebサイト制作のライティング依頼が来たりもする。未知の分野に挑戦できるのも楽しいです。
JOY:お仕事をしていてワクワクできるっていいな〜!
Eさん:ファッションに関しても、ものづくりの取材で地方のファクトリーに行くこともあり、職人と話してそのものの背景に直に触れられることや、作り手の思いを直接聞いたとき味わう感動はこの仕事ならではだと思います。
また、憧れの女優やスポーツ選手にインタビューする機会や、写真を見て憧れていたフォトグラファーと一緒に作品を作れる可能性が大いにあることも魅力です。
ナタリー博士:人との良い出会いに恵まれそうな仕事ですね。
JOY:大変なことや苦しいことはあるの?
Eさん:自分のペースで仕事量を調整できる利点はありつつも、雑誌が衰退している今、フリーのファッションエディターとして働く場合は、「いつ仕事がなくなるか」という危機感や不安と常に隣り合わせではあります。
一方、出版社に勤めているファッションエディターは安定が得られる反面、基本的には固定の雑紙やWeb媒体の仕事をするので、フリーに比べると関われる仕事は限定される傾向にあるかもしれません。
ナタリー博士:それぞれのメリット、デメリットをふまえたうえで働き方を選んだ方がいいですね。
JOY:記事を書くことは大変じゃないの?
Eさん:原稿を書くときはいつも楽しくも苦しいです(笑)。あとは早朝ロケが多々あったり、夜遅くまで原稿を書いたりすることもあるので、体力的にいつまでできるかなと最近思います。
JOY:体力勝負な一面もあるんだね〜。
ナタリー博士:ファッションエディターになるためにどんなことを意識しておいたらいいのでしょうか?
Eさん:イメージストック用としていろんな写真を見ること。そして、実際にどんな着こなし、色が街にあるのかチェックするために、街の人の観察を意識すると良いと思います。
ナタリー博士:読者にトレンドを提示するだけでなく、読者の間のリアルな流行にも敏感になっておくことが必要なんですね。
Eさん:そうですね。また、素材への知識を深めることも大切です。実際、普段からたくさんの服やファッション小物が身近にありますが、できる限り直接触れ素材をチェックするようにしています。それを繰り返していると、素材名や混率を見るだけで「大体こんな肌触りだろうな」と、イメージできるようになって原稿がスムーズに書けます。
原稿執筆に関して言えば、同じ企画のなかで同じ単語を何度も使うことはできるだけ避けたいので、類義語リストを作ってたこともありました。
JOY:情報から肌触りがイメージできるようになるなんてすごい!
ナタリー博士:自分なりにできることを続けるとちゃんと力になるんだね。
Eさん:それから、ファッションエディターは他のライターと違って、コーディネート紹介の記事で自分が被写体になる機会が多いんです。普段からトレンドを追うだけでなく、実際に洋服を購入し、コーディネートを考え、自分で着用した写真を記事で紹介するので、スキンケアや体型維持なども意識しておくと良いと思います。
すべてのファッションエディターが被写体になるわけではありませんが、Web媒体を中心に最近はモデルを起用するほどではない、小規模な企画が増えているため、自分が被写体になったほうが仕事の幅は広がります。
JOY:自分のセンスも磨き続けなきゃね!
Eさん:そうなんです。実際、モデルよりファッションエディターのような身近な存在のコーディネートを参考にする読者も増えています。フリーのファッションエディターのなかには、仕事を得るために自分のInstagramでコーディネートを紹介し、インフルエンサーとしての活動をしている方もいますね。
JOY:フォロワー数が多いと仕事につながるんだね〜。
ナタリー博士:自己プロデュース能力も身につけておいた方が良さそうだね。
ファッションエディターを目指すなら
ナタリー博士のまとめノート
ファッション記事や企画を通して今のトレンドを伝えるファッションエディター。エディターとはいえ、実際は記事を書くだけでなく、企画立案や現場への立ち会いも含まれるためその業務は多岐にわたります。業務には体力勝負の一面がありますが、ものづくりの職人や憧れのスターと出会えるなど、夢が実現する機会もあるそう。
昨今ではエディター自らが被写体となることがあるため、ファッションエディターを目指す方は、トレンドに敏感でい続ける努力を続けましょう。
JOYとナタリー博士の日々の研究成果はTwitterで見られるよ!
https://twitter.com/IndeedJapan_PR
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