スタートアップに向く人・向かない人【仕事の進め方編】
著者Indeed キャリアガイド編集部
投稿:2021年9月20日
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前回のスタートアップに向く人・向かない人【働き方の志向編】では、向いている人の志向性として「変化を楽しめる」「ワークライフインテグレーションが苦にならない」「そしてカオスでも大丈夫」という3点を解説しました。後編である今回は【仕事の進め方編】として、仕事を進めるうえでのこだわりや考え方の向き不向きを解説します。
動きながら考える vs 腹落ちしてから動きたい
スタートアップではビジネスをすばやく進めていくことが基本です。また機敏に動いて仕様や戦略を変えていくという動きが当たり前の世界では、「動きながら考える」というスタンスが求められます。
そのため、たとえ変更の理由や背景に100%納得しなくても、とにかく物事を前に進めていく姿勢が求められます。
一方、「納得しないと動けない」という人には厳しい環境となるでしょう。しかし腹落ちするまで考えている間に世の中はどんどん変わります。変化のスピードについていくには「とりあえずやってみる」姿勢が大切です。
80%で進める vs 完璧を目指したい
日本では何ごとも「作り込む」傾向があり、消費者の目も肥えているため、少しでも不具合があるとクレームにつながります。企業はそのクレームを避けるために、ますます慎重を期して完璧を追求します。
こうした姿勢は質の高いサービスを生む一方で、スピード感が損なわれるだけでなく後戻りが利かないというデメリットをもたらします。
スタートアップのサービス開発では、開発とテストのサイクルを速いスピードで何度も回しながらサービスをブラッシュアップしていくのが基本です。一気に完成を目指すのではなく、ユーザーの声を反映しながら少しずつ改良を重ねていくのです。
たとえば実際にあるアメリカのスタートアップでは、「完璧を追求せず、80%で進め」という方針を掲げています。なぜなら、80%の完成度のものであれば変更も修正も完璧に仕上げたものよりも容易だからです。
こうした80%でよしとする姿勢は、完璧を目指す人にとっては不完全燃焼感を覚えるかもしれません。しかし「作り込まずに進む」という諦めのよさがスタートアップの成長を支えているのも事実なのです。
関連記事:ベンチャー企業で働くメリット・デメリットとは?探し方のコツも紹介
柔軟に対応したい vs 一度決めたことは通したい
【働き方の志向編】でも紹介した通り、スタートアップでは方向転換がよく起こるうえ、プロセスが決められていないケースもよくあります。そのため、一度決めたことも変わりやすいうえ、前例が必ずしも正解とも限りません。
日本では何ごともやり通す姿勢が称賛されます。しかし、スタートアップ文化ではそれが障害になりかねません。「一度決めたから」ではなく、ユーザーからのフィードバックや状況に応じて臨機応変に変化する姿勢が求められます。
ただし、一度決めたことを通すという姿勢がビジネスに貢献できる場合もあります。というのは、スタートアップでは柔軟性が重視されるあまり、スケジュールなど最初からある程度決められたものでも決めずに進んだ結果、のちに混乱を引き起こすケースもよく聞くからです。
そのため、あらかじめ立てた計画通りに進めたいという姿勢を持つ人がとりあえず突き進もうとするチームのなかで「建設的なストッパー」として活躍できる可能性もあるでしょう。
意見の相違を認める vs 意見の相違は避けたい
アメリカをはじめ海外資本のスタートアップにはさまざまな人がいます。文化、年齢、ジェンダー、価値観などが多様なチームと拠点や時差をまたいでリモートで連携していくには、「そもそも意見は異なるもの」だという前提が大切です。
日本では同質性が高いあまり、ともすれば「言われなくてもわかる」「普通はこう考える」と考えがちです。しかし、背景の違う人とはそうした前提は共有できず、こちらの期待した通りに動いてくれるケースは少ないと考えておいた方がよいでしょう。
さらに、スタートアップの日本法人で働いた経験のある人が「あるある」だと口を揃えるのが、「本社との意見の相違」です。マーケットやユーザーを身近で理解している現地法人と、グローバルにコントロールしたい本社の間との間では意見が一致しないことも多く、丁寧なコミュニケーションが欠かせません。意見の違いを認めてよい着地点を探る努力が求められるのです。
こうした状況をストレスに感じたり、意見の相違に対して居心地の悪さを感じたりする人は、スタートアップに向いているとは言えません。一方で、そもそも違いを当たり前だと捉えてコミュニケーションの労力を惜しまない人は活躍できるでしょう。
以上、【働き方の志向編】と【仕事の進め方編】で合計7つのポイントをご紹介しました。「向く」項目が「向かない」項目を上回っていたのなら、スタートアップで活躍できる可能性は高いと言えそうです。
ただし「向かない」に該当する項目が多かったとしても、事前にわかっていれば対処できる場合もあります。今回「向いてない」に該当したポイントを軸にして、実際に働いている人に話を聞いてみてはどうでしょうか。
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