プレゼンテーションの締め方とは?最後の一言や終わり方のポイント

更新:2023年2月10日

この記事は、Indeed キャリアコーチが監修しています。

プレゼンテーションのまとめに失敗してしまうと、本来ならうまくいくはずだったプレゼンテーションが台無しになってしまう恐れがあります。だからこそ、プレゼンテーションの際はまとめの部分をじっくり考えることが必要です。

この記事では、プレゼンテーションの締めくくりが重要な理由について説明し、効果的なプレゼンテーションのまとめ方のコツやヒントをご紹介します。さらに、効果的なまとめ方の具体例として、歴史上有名な演説をいくつか取り上げます。

プレゼンテーションのまとめ方が重要な理由

プレゼンテーションのまとめが重要なのは、プレゼンテーションの冒頭と締めの部分が聞き手の記憶に残ることが多いからです。

プレゼンテーションの冒頭では、聞き手の注意を引きつけることで、自分の説明に注目し、プレゼンテーションで伝えたいメッセージの内容に対して心の準備をしてもらうことができます。

プレゼンテーションの締めくくりでは、聞き手の印象に長く残るよう、内容の要点をまとめることが必要になります。

プレゼンテーションを締めくくる際のヒント

プレゼンテーションのまとめを作るにあたっては、さまざまな方法が考えられます。どんな方法が最も適切なのかについては、担当者、テーマ、聞き手によって異なります。

次に、プレゼンテーションを効果的に締めくくるためのヒントをいくつか紹介していきます。

  1. 要点をまとめる。

  2. 重要なメッセージを繰り返す。

  3. 聞き手にしてほしいことを提示する。

  4. 印象的な名言を引用する。

  5. 反語を使う。

  6. エピソードを盛り込む。

  7. 画像を使って視覚的に訴える。

  8. 協力してくれた人への感謝を述べる.

  9. 簡潔で記憶に残る表現を選ぶ。

  10. 聞き手の笑いを誘う。

1. 要点をまとめる

プレゼンテーションの内容からいくつかの重要なポイントを選び、それを繰り返すことで、要点が正しく伝わり、自分が伝えたかった情報を聞き手に理解してもらうことができます。

要点をまとめる際は、文脈や前後関係についても振り返り、それがプレゼンテーションの要点とどう関係あるのかを聞き手に提示するようにしましょう。

2. 重要なメッセージを繰り返す

プレゼンテーションの冒頭で触れたテーマや重要なメッセージを最後に繰り返すことで、まとめの効果を高めることができます。聞き手にとっては議論が最初に戻ってきたように感じられるので、プレゼンテーションが終わりに近付いていることが伝わります。

プレゼンテーションのテーマを最後に振り返る際は、次のようないくつかの方法があります。

  • 冒頭に質問を投げかけ、その答えを最後に紹介する。

  • プレゼンテーションの最中に始めた話の結論を出すことで、主題となるメッセージを提示する。

  • 記憶に残りやすいプレゼンテーションのタイトルを付け、そのタイトルを引用しながら締めくくる。

3. 聞き手にしてほしいことを提示する

プレゼンテーションの内容を理解してもらったら、聞き手にしてほしいことを具体的かつ明確に提示しましょう。その際は、聞き手の記憶に残りやすい直接的な表現を選ぶ必要があります。

4. 印象的な名言を引用する

効果的な名言を使ってプレゼンテーションをまとめるためのポイントは、やや漠然とした名言を選ぶことです。引用した名言が有名すぎると、いかにもお約束のように感じられ、聞き手が興味をなくしてしまう恐れがあります。

自分にとっても聞き手にとっても新鮮に響くよう、現代の著名人の名言を探すと良いでしょう。

また、引用する名言は、プレゼンテーションのテーマと関係があり、聞き手の心に響くものを選ぶようにしましょう。

5. 反語を使う

聞き手の思考を促す反語的な質問を最後に投げかけることは、プレゼンテーションが終わった後も、聞き手にその内容について考え続けてもらうのに最も適した手法です。

プレゼンテーションの内容と関係のある質問を提示して、聞き手がさまざまなチャンスや可能性について考え続けてくれるようにしましょう。

6. エピソードを盛り込む

プレゼンテーションを効果的に締めくくるには、自分のエピソードを盛り込むのも効果があります。プレゼンテーションのまとめでエピソードを引用する際は、次の点に注意しましょう。

  • 簡潔な説明を心がける。

  • プレゼンテーションの要点と関係のあるエピソードを選ぶ。顧客の導入事例などのエピソードが効果的。

  • 聞き手の共感や感情移入を促すエピソードにする。

7. 画像を使って視覚的に訴える

印象的な画像を見せることができれば、聞き手の記憶に長く残りやすくなります。この手法は他の手法と組み合わせることも、単独で利用することもできます。

聞き手が画像やプレゼンテーションの要点について考える時間が取れるよう、プレゼンテーションが終わった後も画像は表示したままにしておきましょう。

メッセージの内容が期間限定の場合は、ストップウォッチなど、残り時間が減っていく画像を使うと良いでしょう。時間に限りがあることを強調し、聞き手の行動を促すことができます。

8. 協力してくれた人への感謝を述べる

プレゼンテーションの締めくくりとして効果的な手法ではありませんが、プレゼンテーションに協力してくれた人への感謝を最後に伝えなければならないことがあります。

たとえば、次のような人への感謝が必要になるかもしれません。

  • プレゼンテーションの作成を手伝ってくれた人

  • 重要なデータを集めてくれた人

  • プレゼンテーションで説明したプロジェクトのメンバー

9. 簡潔で記憶に残る表現を選ぶ

聞き手の記憶に残る表現を使うことで、プレゼンテーションの内容を強く印象付け、聞き手の注意を引きつけることができます。

うまい表現が思いつかない場合は、マジックナンバー3の法則を活用するのが効果的な方法の1つです。3つの情報を組み合わせることで語呂が良くなり、聞き手の記憶に残りやすくなります。

たとえば、ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は、戦いの勝利を伝える際に「来た、見た、勝った」という言葉でこの法則を使っています。

10. 聞き手の笑いを誘う

テーマによっては、プレゼンテーションをジョークで締めくくることで、要点を明確にして、聞き手の記憶に残りやすくすることができる場合があります。ジョークを考える際は、プレゼンテーションの要点に対応するものになるよう注意しましょう。

締めくくりの言葉を考える際のヒント

プレゼンテーションの締めくくりの言葉を考える際は、次の点に注意しましょう。

質疑応答で終わらせることは避ける

質問できる時間を設けるとしても、それでプレゼンテーションを終わらせるのは避けましょう。質疑応答の後にいくつかコメントをして、プレゼンテーションを改めて締めくくる必要があります。

「ご清聴ありがとうございました」の代わりにまとめや連絡先のスライドを出す

「ご清聴ありがとうございました」のスライドは、聞き手の印象に残りやすくする上で、ほとんど意味がありません。

プレゼンテーションの終わりに「ありがとうございました」と言うこと自体は問題ありませんが、スライドには要点のまとめや発表者の連絡先を表示するようにしましょう。

プレゼンテーションが終わったことがはっきり伝わるようにする

プレゼンテーション自体が成功しても、まとめ方が不自然だと台無しになる恐れがあります。締めくくりの際は、プレゼンテーションが終わったことがはっきり伝わるようにしましょう。

「ご清聴ありがとうございました」と言えば、プレゼンテーションが終わったことを分かりやすく伝えられます。

プレゼンテーションが終わった後も壇上に残る

プレゼンテーションが終わったことに気付いてもらうのを待つ間は、そのまま壇上に残って堂々としていましょう。書類を片付けたり、そわそわしたりしないよう注意して、聞き手に笑顔を向けながらじっと立ち続けるようにします。

誰かの拍手が聞こえたら、その人を見ながら「ありがとうございます」と言うことで、他の人たちにも同じように拍手するよう促しましょう。

歴史上有名な演説に見るプレゼンテーションのまとめ方

プレゼンテーションの準備をする際は、歴史上有名な演説を参考にしてみると役に立ちます。次に、効果的なプレゼンテーションのまとめ方の具体例として、有名な演説の一節をいくつかご紹介します。

  • 「鎖で繋がれ奴隷となって買われたとしても、命は尊く、平和とは甘やかなものだろうか。全知全能の神に誓って、そんなことはないはずだ。人々がどんな道を選ぶのか、私の知るところではない。私について言えるのはこれだけだ。私に自由を与えよ。さもなくば死を与えよ」
    パトリック・ヘンリー、1775年

  • 「この国と世界の生産者である大衆を後ろ盾として、商業的利益、労働利益、そしてあらゆる土地の労働者に支えられ、我々は金本位制を求める人々に対してこう言おう。労働者の頭にその茨の冠をかぶせてはならない。人類を金の十字架に磔(はりつけ)にしてはならない」
    ウィリアム・ジェニングス・ブライアン、1896年

  • 「だからこそ我々は己の義務を全うしよう。そして大英帝国がこれから何千年も続いたとして、後の世の人々からこう言われるように振る舞おう。『彼らにとってあのときが最も輝ける瞬間だった』と」
    ウィンストン・チャーチル、1940年


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