批判的思考力を身に付ける方法

著者Indeed キャリアガイド編集部

更新:2021年11月30日

投稿:2021年10月29日

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批判的思考力は、法律や医療、金融や技術系などの仕事で重視されるスキルであり、求人情報に記載されているのを目にする機会も多いと思います。また、物事の判断や見聞きした情報の評価など、日常生活における応用範囲の広いスキルでもあります。この記事では、批判的思考力とは何か、そして批判的思考力を身に付けるにはどうすれば良いかについて説明します。

批判的思考力とは

批判的思考力とは、情報を分析し、論理的に解釈して、その情報の価値を評価したり判断を下したりするために必要なスキルです。特定の考えや状況を対象として批判的思考(クリティカル・シンキング)を行う際は、客観的な事実に注目し、先入観を排除して多様な視点を考慮しながら、その過程で得た情報を踏まえて結論を下すことになります。批判的思考を実践するには、偏見を持たず、自分自身の考え方も批判的に分析して、公平かつ合理的な判断ができるようにすることが重要です。

批判的思考力は、自然と身に付けている人もいますが、そうでない場合でも訓練を通じて伸ばすことができます。

批判的思考のテクニック

批判的思考を実践する際のテクニックとしては、次のようなものが挙げられます。

1. 基本事項や前提条件を確認する

まず最初に、論点を明確にしたり、新しい情報を詳しく検討したりしやすくなるように、次のような基本的な事項を確認します。

  • その情報はどこから入手したものか

  • その状況からメリットを得られるのは誰か

  • 自分が達成しようとしている目的は何か

  • 何か見落としていることはないか

また、自分の中の暗黙の前提を疑うことも必要です。人は誰でも知識や経験に基づいて前提を立てていますが、その前提が間違っていることもあります。情報を分析する際は、その前提条件が自分に分かる範囲で正しくなるようにしなければなりません。また、前提が完全に的外れな場合もあります。こうした前提を疑うことで、新しい発見につながったり、問題解決のためのさまざまな糸口が見つかることがあります。

2. 先入観や固定観念を意識する

まずは自分自身の先入観と誠実に向き合いましょう。ある情報を入手したときに、入手先の人物やメディアが自分とは異なる見方をしていることが多いと、その情報の真偽を疑いたくなる場合があります。こうした先入観を認めることで、情報を分析する際にその入手先ではなく、価値に応じて評価できるようになります。

さらに、情報や状況の評価に影響を与えかねない、非合理的な固定観念などの思い込みに固執してしまうこともあります。そのような思い込みを認識し、排除することで、情報を公平に解釈しやすくなります。

3. 対立する意見を評価する

多様な意見や考えの中には、自分とは視点が異なるだけでなく、対立しているものもあります。このような対立意見を特定し、その内容を評価することで、自分の視野が広がって正確な判断を下せるようになり、それが批判的思考力の向上につながります。

加えて、自分とは違う経験をしてきた知人や友人たちと、分析対象の情報や状況について議論するという方法もあります。知人や友人は自分の考えに賛同してくれることもあれば、異論を唱えたり、これまで思いもよらなかった考えを提示してくれたりする可能性もあります。たとえ議論で意見が分かれたとしても、話し合いを通じてそのテーマについての理解が深まるかもしれません。

4. 結果や影響を検討する

これまでに入手した情報を踏まえ、思考の結果や特定の判断の影響について、できる限り検討しましょう。思考の道筋や判断の内容を変える場合は、その結果や影響がどう変わるのかを考えます。また、自分の立場だけでなく、判断の影響を受けるすべての人の立場から状況を見つめることで、あらゆる視点を検証することも大切です。さらに、計画を実際に進める場合は、今後の状況についての予測に基づいて、メリットとデメリットを一覧にまとめましょう。以上のような手法を実践すれば、必要な情報を集めた上で正しい判断が下せるようになります。

5. 思考を逆転させる

物事の考え方を変える上で有効な方法の1つが、思考を逆転させることです。たとえば、AとBという2つの出来事があったとして、「A→B」という順番ではなく「B→A」という順番だった場合にどんな違いが生じるのかを検討したり、AがBに与える影響ではなく、BがAに与える影響を検証したりします。これは問題の解決にすぐに結び付くとは限りませんが、視点を変えることで、問題へのアプローチの仕方が変わるきっかけになることがあります。

他の人と意見が対立したときは、状況を逆から捉えることで、相手の立場に立って物事を考えやすくなります。それにより、意見の対立を解消できることも珍しくありません。

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批判的思考力を身に付けるには

次に、批判的思考力を高めるためのヒントをご紹介します。

幅広いジャンルの本を読む

フィクションであれ、ノンフィクションであれ、本はさまざまな意見や思想、考え方を知るのに適しており、こうした意見や思想の多くは自分とは異なるものか、自分にとって馴染みのないものです。このような新しい考え方に触れ、批判的思考力を高めるには、幅広いジャンルの本を読むのが効果的です。

エンパシー(共感力)を高める

他者に共感し、その人と同じ状況になったらどうなるのかを想像できるようになれば、自分とは別の視点から状況を捉えられるようになります。それにより、自分以外のさまざまな人の立場から状況を考え、意見を決める際の参考になる情報を増やすことができます。

自分なりの考え方を作る

多様な視点を分析しながら、それぞれの見方や考え方を時間をかけて理解し、そのテーマに対する自分なりの考え方を作りあげましょう。人から聞いたり本で読んだりした意見であれ、自分で検討した意見であれ、自信を持ってその意見を主張できるようにすることが重要です。

相手の話を傾聴する

人から意見や考えを教えてもらう際、相手が話をしている間は、どう返答するかを考えたくなる気持ちを抑え、相手の話によく耳を傾け、傾聴を実践しましょう。返答する前に相手の話を正しく理解するようにすれば、エンパシーを高めることにもつながります。

自分の考えが間違っている可能性を考慮する

何かについて考えるときに、自分の意見が正しいという前提に立つことは、ほとんどの人にとって当たり前のことです。そうでなければ、自分の意見を持つことはできません。ただ、批判的思考を実践する際は、自分の考えが間違っているという前提から始めることで、さまざまな考え方を柔軟に受け入れられるようになります。

探究心を忘れない

知識を深めれば深めるほど、虚偽の情報にだまされにくくなります。一見するともっともらしい記述を見つけたときに、そのテーマについての知識があれば、妥当性を評価しやすくなります。また、図書館やインターネットには、何かを調べたい場合に探究心を満たしてくれる情報が豊富にあります。

脳と体のトレーニングを行う

クイズやパズルを解くなど、脳を毎日鍛える方法を探してみましょう。また、定期的に体を動かすことには、健康な食事を取ることと同じく、脳の機能を活性化する効果があります。

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