研究結果の説得力を上げるための方法論の書き方(作成のヒントとFAQあり)

更新:2022年7月21日

方法論を書くことは、研究についての報告をする際に結果を発表する上で欠かせません。方法論は、報告書の独自のセクションで示される研究手法の詳細のことですが、研究技法の説明と、結論にたどり着いた方法を示すロードマップの作成により、研究結果を裏付けるものです。

しっかり書かれた効果的な方法論は、使用した方策について説明し、方法を選択した理由の裏付けを示します。さらに、研究で提起した疑問に対する答えに、選択した方法がどのように直結したかを説明するものでもあります。

この記事では、方法論を作成する手順と、方法論を書くためのヒントを解説し、方法論の作成に関するよくある質問(FAQ)への回答をご紹介します。

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方法論が重要な理由

方法論は、共有することで研究に正当性を持たせることができます。方法論が信頼性に欠けていたり、誤っていたりする場合、そこから生み出される結果も信頼性に欠け、誤ったものとなります。研究報告を読む人は、あなたが慣例に従い、到達した結論が妥当なものであると想定しています。

また、報告する方法論は、再現可能なものである必要があります。あなたが書いた方法は、誰が使用しても同じ結論に到達するものでなければなりません。

方法論の書き方

方法論を書く際に従うべき手順は次のとおりです。

1. 論文や研究課題を再提示する

方法論の最初の部分では、研究で調査を行う課題を再度述べます。再提示することで、読み手は方法論を最初から最後まで段階的に追うことができます。

また、論文を再提示することで、研究で仮定したことに言及したり、研究で試験を行った変数や条件を列挙したりする機会にもなります。

2. 選択した研究方法を説明する

研究課題を再び述べた後に、採用した研究の種類を説明します。定性的研究または定量的研究のいずれかを選択した場合や、混合研究法または特定の分野で認められている代替方法を選択した場合について、その理由を述べます。

3. 一般的ではない方法論を使用した場合は説明する

採用した手法が、その分野での慣例の域を超えている場合は、その選択をはっきりと説明します。たとえば、論文テーマに特化した独自の研究方法を採用した場合や、他の研究分野で通常使用されている手法を取り入れた場合などです。

方法論は、研究結果が妥当であることを証明するものであるため、なぜ研究に代替方法を用いたのかをしっかりと説明することで、通常とは異なる方法に対する潜在的な批判に応えることができます。

4. 使用したデータの収集方法を説明する

研究に使用したデータが、定量的なものか定性的なものかを報告します。実施した実験について説明し、どのように実験を計画し、変数を測定したか、また実験を行うためにどのような器具が必要だったかについての情報を含めます。

既存のデータの出典(そのデータが当初どのように収集されたものかを含む)を説明し、他の情報源から既存のデータを選択するために使用した基準を挙げます。

5. 収集したデータの分析方法を説明する

方法論の次の部分では、収集したデータをどのように処理し、分析を行ったかを読み手に伝えますが、結果や結論については触れないでおきます。

定量的な研究に徹した場合は、データの正確さを確保するために取った手順や、数値解析に使用したソフトウェア、採用した統計的テストなどを記載します。

定性的研究だけを採用した場合は、分析はコンテンツベース、テーマベース、ディスコース(談話)ベースのいずれかになります。

6. 方法論の選択を評価し、正当化する

研究方法を選択する際に使用した基準を説明します。選択した方法論の潜在的な弱点があれば挙げ、その選択を裏付ける証拠を提示します。他に選択することが可能だった別の方法論についての、簡単な評価も記載しましょう。

7. 問題と解決策を説明する

研究中に生じた問題を説明し、どのように克服したかを記載します。このセクションで示される問題解決能力により、読み手に対して研究の妥当性を裏付けることができます。

8. 方法論の選択を決定するために用いたソースをすべて引用する

方法論の最後のセクションでは、全体的な方法論を決定する際に用いたソースに言及します。これにより、研究の妥当性を強化することができます。

方法論作成のヒント

方法論を書く際の参考になるヒントをご紹介します。

  • 方法と理由を示す:方法の簡単な説明にとどまらず、その方法を採用した理由と、どのように使用したのかを示します。そうすることで、研究が綿密に実施されたことをアピールできます。 

  • 作業を進めながら下書きする:作業をしながらメモを取り、方法論の要点をまとめておくことで、すべての詳細を正確に把握できているか確認します。方法や技法をリアルタイムで記録しておくことが、優れた方法論につながります。 

  • 研究課題に焦点を当てる:方法論の選択と、研究の中心的なテーマを関連付けます。この関連付けにより、論文で提起された問題に対処するために最適な方法を選択したことを示すことができます。 

  • 対象者のために書く:明確で、しっかり構成された方法論を作成します。研究の対象者に向けて、技術的な詳細や手順の羅列にとどまらない優れた文章を書きましょう。

方法論に関するよくある質問(FAQ)

方法論に関するよくある質問(FAQ)とその回答をご紹介します。

方法と方法論の違いは何ですか?

方法論は、研究についての全体的な戦略です。それに対して、方法は、データを収集し、分析するために用いる調査や実験などの手順を指します。

方法論はどこに記載すれば良いのでしょうか?

方法論のセクションは、最終的な論文や報告書の序論の後、結果と結論の前に置きます。

定量的研究と定性的研究の違いは何ですか?

定量的研究は、データの収集と分析を通じて、数字や統計を用いて仮説を検証します。それに対して定性的研究は、言葉や意味を用いてアイデアや経験を探求します。

妥当性と信頼性は同じものですか?

妥当性と信頼性には関連性がありますが、方法が何かを測定するのに適しているかという点で異なる概念です。妥当性は、結果が測定されるべきものを測定しているかどうかを指します。それに対して信頼性は、すべての条件が同じ場合に一貫して同じ結果が再現されるかどうかを指します。

サンプリングとはどのようなものですか?

サンプリングは、データ収集の対象となるグループを選択することです。サンプルサイズ(データの個数)は、研究テーマに特有の要件によって決まります。

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