「お休みをいただいております」は間違い?ビジネス敬語の正しい表現
更新:2022年11月7日

社外から休暇中の自社の担当者へ問い合わせが来たとき、「◯◯さんは、本日お休みをいただいております」と応対している人がいるかもしれません。丁寧なように感じますが、実は誤った敬語です。
本記事では、なぜ間違っているのか解説をしたうえで正しい表現を紹介します。また、社内の人へ上司や自身の休暇を伝える場合や、伝え方の注意点も解説します。
「お休みをいただいております」は「休みを取っております」が正解
「お休みをいただいております」の「お」は丁寧語です。この「お」は「休む」という行為に対しての敬語となります。つまり、身内に対して敬語を使っていることになるので、社外の人への対応で「休み」に「お」をつけるのは適切ではありません。自身が休んでいるときも同様です。
また、「いただく(頂く)」も間違った表現です。頂くとは「もらう」の謙譲語となり、へりくだった意味を持ちます。しかし、休みは自分の会社からもらうもののため、自分の会社から「いただいた」という表現は先方へ伝えるには不適切です。
正しい表現としては「休みを取っております」または「不在にしております」となります。
電話やチャットでの対応例
それでは、実際に電話やチャットで休暇を取っている担当者への問い合わせがあったとき、どのように返事をすればいいのかを見ていきましょう。
社外への対応
社外の人から不在の担当者へ問い合わせが来たら、先に謝罪の言葉を述べてから休暇中である旨を伝えます。
・「申し訳ございません、◯◯は本日休みを取っております」
・「申し訳ございません、本日◯◯は、終日不在にしております」
もし、相手に休暇中である旨を伝えたくない場合は、「不在」という言葉を使用するといいでしょう。
ただし「不在です」とだけ伝えてしまうと、当日中に再度問い合わせが来たり、いつ頃対応してもらえるののか尋ねられたりする可能性があります。そのため、「終日不在」として一日対応できないことを伝えましょう。
また、社外の人とのやりとりでは、自社の人間に役職名やさん付けをしないのがマナーです。とっさの対応でうっかり「◯◯部長(さん)は休みを取っております」などの表現をしないようにに気を付けましょう。
自分が休暇中のケース
自分の休暇中に連絡が来ていて対応が遅くなった際も、「休みを取っており、ご連絡が遅くなり大変申し訳ございません」のように、謝罪の言葉とともに休みであったことを伝えます。
あらかじめ休暇の予定を相手に伝えておくのもおすすめです。
たとえば、
・「私事ですが、◯月◯日は休みを取っております。この日にいただいたお問い合わせに関しまして対応が遅くなります。ご迷惑をおかけいたしますが何卒よろしくお願い申し上げますます」
・「◯月◯日は終日不在のため、対応が翌日となります」
といった具合です。
社内への対応
社内の別の部署から休暇中の人へ問い合わせがあったときはどうでしょうか。このようなケースでは、
「◯◯さんは、本日お休みされています」
のように対応します。
自社の人から休暇中の上司への問い合わせがあった場合は、休みに敬語の「お」をつけ、役職や敬称の「さん」もつけましょう。
休暇を伝えるときの注意点
休暇の理由は伝えなくてよい
休暇の理由は個人情報にあたります。そのため、もし取引先に休暇の理由を尋ねられても答える必要はありません。
また、プライベートな居場所や携帯電話の番号も知らせないように注意しましょう。
長期休暇の場合は次の出社予定日を伝える
夏季休暇や冬季休暇などの際は、その旨を伝え、代わりに用件を聞くことを申し出ると相手に対して親切です。たとえば、次のような対応です。
「大変申し訳ございません。◯◯は長期休暇を取っており、次の出社予定は◯日でございます。差し支えなければ、私が代わりにご用件を承ります」
用件を聞く場合には、長期休暇中の人に内容を間違いなく伝えられるようメモを取るようにします。また、内容を復唱し相手側と認識に相違がないか確認しましょう。
相手から受け取った内容は、急ぎでないケースであれば長期休暇を取っていた人が次に出社したときに伝えても問題ありません。ただし、クレームや緊急性を伴う内容の際は、電話やメール、チャットツールなどですぐに用件を共有しましょう。
まとめ
休暇中の担当者への問い合わせは、さまざまなシーンで起こり得ます。その際に「休みを取っております」と正しい表現で対応できるようにしておきましょう。
本記事で紹介した注意点などを覚えておくと、とっさの問い合わせにもスマートに対応できます。担当者がいなくても臨機応変に対応できれば、相手側への信頼にもつながるので、ぜひ参考にしてください。
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