【おしえて!シゴトのコトバ】「キャズム」の意味と使い方

著者Indeed キャリアガイド編集部

投稿:2021年12月2日

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「キャズム」って何だ?

先輩:おつかれさま!マーケティング部の仕事にはもう慣れた?

後輩:先輩、お久しぶりです!少しずつですが慣れてきました。画期的な新サービスも間もなくリリース予定なので、早く世間の人に利用してほしいです。

先輩:それは楽しみだな!より多くの人に普及させるためにも、キャズムを越えていかなきゃな。

後輩:(キャズム……?)

「キャズム」とは

キャズム

辞書の定義は?

石田さん:「キャズム(chasm)」は、「岩や氷、地面にできた、とても深くて狭い溝」「ふたつの考えや集団の間に存在する非常に大きな違い」を意味する言葉です。

日常的な使われ方は?

石田さん:主にビジネス系の話題で耳にする機会が多く、それ以外の日常会話で使われることはほとんどありません。

ビジネスシーンでの使われ方は?

石田さん:ビジネス系の記事で「キャズム」は、特定の状況における溝、隔たりを表すマーケティング用語として使われます。たとえば、ある会社が新商品を開発したとして、発売直後にまず反応するのは、新しいものを取り入れることに積極的な感度の高い人たちです。しかし、一握りに過ぎない彼らだけに受け入れられても、ビジネスが成功を収めたとは言いがたい。彼らの先にいる大多数の消費者に、いかに買ってもらえばいいかが課題になります。

この「一握りの高感度の人たち」と「大多数の消費者」の間にはとても深い溝があり、これを越えなければ商品、サービスは市場を獲得できないとする考え方、あるいはその深い溝そのものをキャズムと呼びます。

ビジネス系の記事でよく見るケースは、創業からあまり年数を経ていない企業や、手がける事業をごく少数に絞っている企業に関する文脈です。こうした企業は、すでにたくさんの事業を抱えている大企業と違い、キャズムを越えることが自分たちの生き残りに直接かかわってくるのです。

また、初期のiPhoneやGoogle Glassが発売されたころもキャズムが語られました。スマートフォンやウェアラブルデバイスはそれまでの日常生活にはなじみが無い商品で、これらが「一握りの高感度の人たち」を越えられるかに注目が集まりました。このように、画期的な商品、サービスが市場を獲得できるかどうかを考察する際にもキャズムは用いられます。

なお、ここでは言葉の意味と使い方に焦点を合わせているため、「一握りの高感度の人たち」「大多数の消費者」と大雑把に分けていますが、キャズムの考え方における消費者の区分はより厳密に定義されているので、文脈に応じてビジネス書などで確認しましょう。

関連記事:マーケターになるには

言い換えたいときは?

石田さん:​​「キャズム」の言い換えは、「溝」や「谷」などが適当です。「ふたつを隔てる深く急な落ち込み」をイメージしながら言葉を選べば、的外れな言い換えにはならないでしょう。

「キャズム」を理解すればこう会話できる!

先輩:おつかれさま!マーケティング部の仕事にはもう慣れた?

後輩:先輩、お久しぶりです!少しずつですが慣れてきました。画期的な新サービスも間もなくリリース予定なので、早く世間の人に利用してほしいです。

先輩:それは楽しみだな!より多くの人に普及させるためにも、キャズムを越えていかなきゃな。

後輩:そうですね。情報感度の良い層だけでなく、広くそのほかの消費者にも届けなければならないですね!

関連記事:需要とは ー 経済学における需要の定義と7つのタイプ

監修:石田知之(いしだ ともゆき)
1976年生まれ、埼玉県出身。2005年よりフリーランスの校正・校閲者に。雑誌、Web、書籍、動画、企業の社内報など媒体を問わず日本語を読む。『R25』『L25』『ケトル』「ダ・ヴィンチニュース」「NewsPicks Brand Design」『tattva』『Billboard Style』『LOEWE Fanzine Eye/LOEWE/You』『BiZ HiNT magazine』「東証マネ部!」『ちちぶmagazine』『広告』『acteur』ほか

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