運行管理者試験とは?受験資格や試験内容、合格率を紹介
更新:2022年7月9日

バスやタクシー、トラックなど、事業用自動車を保有する事業所で働く際に取得を考えたいのが、国家資格である運行管理者の資格です。取得するとドライバーの安全を守る管理者のなかでも中心的な立場として働くことができます。本記事では運行管理者試験の概要や受験資格、受験方法などを紹介していきます。
運行管理者試験とは?試験の概要や受験資格を紹介
自動車を使って貨物や旅客を輸送する事業者に必要な、ドライバーの安全管理を担うのが運行管理者です。資格の概要や取得のメリットを解説します。
運行管理者試験の概要と受験資格
運行管理者試験は、国土交通大臣の指定を受けた実施機関として公益財団法人運行管理者試験センターが行っています。
事業用自動車を保有する事業所は、事業所が保有する自動車の台数に合わせて運行管理者を選任しなければなりません。運行管理者となるためには国家資格である運行管理者試験を受ける必要があります。
受験資格には「運行管理に関して1年以上の実務経験がある」または、「基礎講習を修了している」ことが求められます。試験は、貨物試験と旅客試験に分かれ、受験会場のコンピューターを使った「CBT(ComputerBasedTesting)方式」で行われます。
なお、基礎講習とは、国土交通大臣の認定を受けた独立行政法人自動車事故対策機構が実施している講習です。講習修了者は運行管理者の補助者に選任することができます。
運行管理者の資格を取得するメリット
自動車運送事業者は、運行管理者を必ず配置する決まりになっていることから、運送会社で働きたい人にとっては資格取得でさまざまなメリットが発生すると考えられます。
貨物や旅客運送を行う業務でキャリアアップできる
貨物や旅客運送を行う業務での転職が有利になる
事業所内の管理者として働き続けられる
運送業界で長く働きたい場合には、取得を考えてもいいかもしれません。なお、一部の企業の安全管理の欠如による重大事故の発生などを受けて、安全に対する社会的要求は一層高まっています。ドライバーの疲労および健康状態の把握や安全のための指導など、安全性の確立に中心的役割を果たすのが運行管理者です。
運行管理者試験の難易度は?合格率と合格ライン
令和3年度第1回運行管理者試験の合格率は、運行管理者試験センターのデータによると貨物の受験者数が多く、人気の高さがうかがえます。しかし、貨物、旅客ともに合格率が30%前後で半数以上が不合格になることから、しっかりと勉強をして試験に挑みたいところです。
運行管理者試験に向けた対策は?
試験勉強をするには市販のテキストなどを参考にするといいでしょう。運行管理者試験センターのホームページでは過去問も紹介されているので、試験の傾向や難易度などの確認に使用してください。
次に、効率の良い勉強法のポイントについてご紹介します。
余裕をもったスケジューリング
一夜漬けで合格できる試験ではないため、計画的にコツコツ準備を始めることが肝心です。まとまった勉強時間が取れない場合は、試験の2~4か月前から準備を始め、仕事の合間や移動時間なども利用して、1日1時間など時間を決めて、勉強するのがいいでしょう。
自分と相性の良いテキストを選ぶ
テキストを選ぶ際は、売れ筋な口コミ評価の高いものを選ぶことも有効ですが、実際にテキストの中身を見て、自分に合ったテキストを選ぶことも大切です。自分がやる気の出るテキストを選べば、勉強も苦ではなくなるはずです。
過去問を繰り返し解く
試験の前に必ず取り組みたいのが過去問です。繰り返し解くことで出題傾向はもちろん、時間配分がつかめてきます。時間をかけていい問題や、自分がミスしやすい問題など、当日をシミュレーションして自分で解いてみることで、見えてくることがたくさんありますので、必ず取り組むようにしましょう。
CBT試験に慣れる令和3年度より、試験はすべてCBT方式に移行していることから、パソコンの使い方に慣れることも大切です。CBT試験とはComputerBasedTestingの略で、問題用紙やマークシートを使用しないテスト方式のことです。受験者はパソコンの画面に表示されている問題を見て、マウスなどを用いて解答します。
今までペーパー試験しか経験がない人は、試験当日に慌てないよう、CBT試験の流れをしっかり確認しておく必要があります。なお、運転管理者センターのホームページなどにはサンプルテストも用意されています。
なお、CBT試験の受験申請には「パソコンまたはスマートフォン」および「電子メールアドレス」が必要です。携帯電話からの申し込みはできませんので注意しましょう。
まとめ
運行管理者の資格があると、旅客や貨物を輸送する業界で、安全管理をする業務を事業所の中心となって行えます。令和3年度より、試験はコンピューターで行うCBT方式に完全移行され、8月ごろと3月ごろの年2回実施されます。
就職や転職に有利になると言われる運行管理者ですがIndeed(インディード)で「運行管理者」のキーワードで検索をすると7,000件以上の求人を見つけることができます。どんな業種で、どのような仕事内容の求人があるのかなど、ぜひ、資格を取得する際の情報収集に活用してみてください。
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