運動が仕事にもたらす驚きの効果とは
著者Indeed キャリアガイド編集部
投稿:2022年5月26日
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コロナ禍で外に出る機会が減ったのを機に、運動不足を感じる人は多いのではないでしょうか。実際に日本経済新聞の記事では、40代~60代の3人に1人がコロナ太りを自覚したと伝えています。
通勤やオフィス内での移動が減った今、意識的に身体を動かすようにしなければ、健康上のリスクがあがるだけでなく、仕事にも影響が出かねません。というのも、最近さまざまな研究によって、運動が仕事にもたらすメリットがわかってきたからです。果たしてどんな効果があるのか、運動の種類ごとに見ていきましょう。
インターバルトレーニングや筋トレが記憶力を強化
運動が高齢者の認知症リスクを軽減する事実は広く知られていますが、実は非高齢者の認知機能にも大きなメリットがあります。
ハーバード大学医学大学院准教授のジョン・J・レイティ博士はTarzanのインタビュー(ダイヤモンド・オンラインに掲載)で、運動が脳細胞を成長させ、それによって脳はより多くの新しい情報を取り入れられると指摘しています。その効果はウォーキング程度の運動でも得られるものの、強度が高いほど大きいそうです。特に単調なものよりも、5分走って5分歩くようなインターバルトレーニングがおすすめだといいます。
特に最近注目されているのは、筋トレなどのレジスタンストレーニングです。レイティ博士によると、レジスタンストレーニングは記憶にかかわる海馬の容量を増やすだけでなく前頭葉を成長させるため、集中力アップが期待できるそうです。
筋トレでテストステロンが増えると判断力や競争心が向上
筋トレは脳の認知機能に直接作用するだけでなく、テストステロンというホルモンの値を増やし、それによってさまざまな効果をもたらします。
順天堂大学大学院教授の堀江重郎氏はPRESIDENT Onlineの記事で、筋肉をつけるとテストステロンが増加し、それによって判断力や競争心、公平さなどが高まるだけでなく、不安を感じづらくなると説明しています。一方、筋肉を使わず判断をしない人のテストステロン値は年齢を問わず急激に低下し、その結果意欲や集中力が欠けたり、チャレンジ精神が低下したりするだけでなく、人間関係も億劫になるそうです。
テストステロンは男性のものというイメージがありますが、女性も脳の海馬では男性に迫るくらい相当な量のテストステロンを作っているようです。その効果は女性も同じで、日経Gooday 30+の記事では「優れたリーダーシップを発揮する女性はテストステロン値が高いことが多い」と伝えています。
さらに同記事では、40~50代男性のテストステロン値が60代以上よりも低いというデータを紹介し、考えられる原因として仕事のストレスを挙げています。ちなみに厚生労働省の調査では、40~49歳の男性のうち運動習慣のある人の割合は18.5%にとどまり、全年齢のなかで最も低いとわかりました。一方65歳以上で運動習慣のある人は41.9%です。(ここで言う運動習慣とは、1回30分以上の運動を週2回以上、1年継続している状態を指します)。これらの因果関係は明らかではないものの、筋肉がテストステロン値を高めることを考えると、筋トレの習慣を身につけた方がよいのは明らかでしょう。
では実際にどんな筋トレをすればよいのでしょうか。Tarzan Webの記事によると、「テストステロンの増加には過度に負荷をかけない程度の筋トレが効果的」だそうです。特に大きな筋肉である尻、腿の裏側、背中を、軽めの負荷で多めにエクササイズするのがよいとして簡単なエクササイズが紹介されていますので、参考にしてみてください。
有酸素運動が気分を改善し、ストレスを軽減
有酸素運動を行うと、セロトニンをはじめとする神経伝達物質の放出が促進され、気分の落ち込みや不安が軽減されるようです。具体的な運動種目として、ナイキのウェブサイトでは中程度の負荷の10分間のランニングが気分の高揚に結びつくという研究を紹介しています。
また『スマホ脳』の著者で医師であるアンデス・ハンセン氏はクーリエ・ジャポンのインタビューのなかで、運動によってあらゆるストレスに対して耐性がつくだけでなく1つの物事に集中しやすくなるとして、1日30分の早歩きを推奨しています。
さらに、クリエイティビティを間接的に高める効果も研究が進んでいます。New York Timesの記事によると、オーストリアのグラーツ大学の研究でクリエイティビティと日常の身体活動には関連があるとわかったそうです。
運動がもたらす効果を見れば、行わない手はないでしょう。忙しい毎日でも、駅やオフィスで階段を使う、昼休みに10分間縄跳びやランニングを継続するなどの習慣を身につければ、仕事がさらに捗るかもしれません。
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