BCP(事業継続計画)とは何のこと?策定の流れを解説

著者Indeed キャリアガイド編集部

投稿:2022年9月6日

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BCPのイメージ画像

BCPは事業継続計画のことで、企業が地震や洪水などの災害の緊急事態に備えて重要な役割を果たします。

事業資産の損害をできるだけ少なくするためには、緊急事態発生時にどのようなリスクがあるかを明確にし、事前にそのリスクへの対策を検討しておくことが重要です。

本記事では、BCP(事業継続計画)の意味や策定の流れ、早期復旧のポイントをわかりやすく紹介します。

BCP(事業継続計画)とは

「BCP」とは事業継続計画のことで、Business Continuity Planの頭文字をとって「BCP」と呼ばれます。

BCPの概要は企業がテロや災害、システム障害、不祥事など危機的な状況下でも重要な業務が継続または、早期復旧できる方法を決めておく計画です*¹。

事業継続に向けた計画をBCPと呼ぶのに対して、その具体的な管理や仕組みをBCM(Business Continuity Management)と呼びます*²。

緊急時にも事業を途切れさせずに継続して、仮に事業が途切れてしまった場合でも早期に復旧させられれば、社員や顧客からの信用、株主や市場からの評価を得られます。

このような観点からも、BCPは必要とされており、内閣府もBCPの策定を推奨しています。

2022年5月の帝国データバンクによる調査では、BCP策定をしている企業は17.7%とされ、大企業の実施率が前年より上昇、中小企業は横ばいとなっています*³。

大企業がBCP策定に積極的なのに対して、中小企業、小規模企業の実施は低い傾向にあります。

中小企業、小規模企業からはBCP策定は必要と感じているものの、人的リソース、費用面での不足がBCP策定に至らない原因と考えられます。

*¹出典:中小企業庁「1.1 BCP(事業継続計画)とは」
*²出典:中小企業庁「3 BCM(事業継続マネジメント)の効果と課題」
*³出典:帝国データバンク「特別企画:事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2022 年)」

BCP(事業継続計画)策定の流れ

以下では中小企業庁の情報をもとに、BCP策定の入門となる事業継続力強化計画の流れを4項目にわけて紹介します*⁴。

  1. 目的を設定する

  2. リスクを洗い出す

  3. 初動、経営資源への対応を考える

  4. ケース別に対策を考える

*⁴出典:中小企業庁ミラサポPlus「事業継続力強化計画とは ~自然災害に加えて、新型コロナなどの感染症に対応~」

1.目的を設定する

企業には、大きく3つの責任があります。

  • 雇用責任:社員やその家族

  • 供給責任:顧客や取引先

  • 地域貢献:地域の人たち

BCP策定する際は「なぜBCPを策定するのか」目的の設定から始めましょう。

たとえば、地域の人々へ生活に欠かせない商品を提供している場合には、供給面での優先度が高くなります。

BCPに限らず新たな取り組みを始める際は、社員をはじめさまざまな人の協力が不可欠です。まずは、PBCを策定する目的を明確にして、自社内で共有しましょう。

2.リスクを洗い出す

国土交通省のハザードマップポータルサイトなどを確認しながら、考えられるリスクを洗い出しましょう。

自社や部署での重要な業務を洗い出し、「売上比率の高い事業」「失われたら損害率の高い事業」などを想像しましょう。

その他にも延滞すると損害の大きい事業、法的または財政的に課せられている責務などを満たすための事業も重要な業務に入ります。

3.初動、経営資源への対応を考える

重要な業務とリスクを洗い出したら、優先事項を決めます。

テロや災害時などで、優先するべきは人命です。顧客や社員、また社員の家族の安全を確認するためには、安否確認の方法、避難経路や避難場所なども明確にしましょう。

自社の業務の優先順位も設定をします。予測不能な事態が起こった際、通常業務をすべて行うのは難しくなるため、どの業務に経営リソースを集中させるのか決めておくのが重要です。

4.ケース別に対策を考える

テロや災害などは予期せぬタイミングで起こるため、さまざまなケース、シチュエーションを想定して対策を考えましょう。

自社の責任、重要な役割とは何かを明確にしておけば、優先するべき業務に対する対策方法も見えてきます。

「営業時間外に大規模な地震が起こったら」「停電が起こったら」「システムがすべて止まってしまったら」など、状況を細分化して平時からできる教育や訓練などの対策を考えましょう。

早期復旧するためのポイント

実際に災害などに見舞われた際に、早期復旧するためにはどのような点がポイントとなるのでしょうか。以下では、そのポイントを紹介します。

社員

業務を滞りなく行うためには、まず社員の安全確保、確認が重要です。

社員の被災状況の確認、人がいない状態でのオペレーション方法の確認、出社できない社員への対応などを明確にしておくことが大切です。

施設

普段使用しているオフィスや施設が使えなくなった場合の対応策を考えておくのも重要です。

施設や設備に甚大な被害を受けた際、生産や調達、流通などができなくなった場合を想定して代替案を用意しましょう。

体制

不測の事態により、上長や指揮者が不在になるなど組織体制が変化する可能性もあります。その場合には誰が代役を務めるのか、指揮、命令系統をどのように行うのかを明確しましょう。

情報

また、自然災害が起きた場合にはパソコンなどの機器が壊れてしまう可能性があります。顧客や仕入先情報など重要な書類やデータは、管理方法を含めて事前に検討しましょう。

近年では情報も重要な経営資源の1つです。社員、施設が無事でも情報が失われれば事業の復旧が難しくなってしまいます。事業の早期復旧のためにも、情報管理と情報やデータのバックアップはこまめに行いましょう。

まとめ

BCP(事業継続計画)は、災害などの緊急時にも事業を途切れさせずに継続させる計画です。

また、BCPは大きく以下の流れで策定されます。

  1. 目的を設定する

  2. リスクを洗い出す

  3. 初動、経営資源への対応を考える

  4. ケース別に対策を考える

災害やシステム障害は予期せぬタイミングでやってきます。ご自身の勤めている企業の計画はどのような内容か、確認してみてはいかがでしょうか。


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