社内公募とは?導入される背景やメリット、デメリットを解説

著者Indeed キャリアガイド編集部

投稿:2021年9月26日

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社内公募をイメージした画像

有効求人倍率が1倍を超え、売り手市場となっている状況下では、人材の確保に苦労する企業が増加する傾向にあります。

人材を必要としているポジションの採用活動が上手くいかない場合の対処方法の1つとして考えられるのが「社内公募」という制度です。

今回は、社内公募制度の導入を考えている人事担当者の方に向けて、社内公募制度の概要や導入のメリットとデメリットを解説します。

社内公募とは?

社内公募とは、人事異動を目的とする制度の1つです。

人材を必要とするポジションの採用活動を社内で実施するイメージをすると分かりやすいでしょうか。通常の異動では上司や企業の意向で社員に異動を命じるのに対し、社内公募は社員本人の希望をもとに人事異動を実施する形式となります。

まずは、人材を必要とするポジションの募集要項を社内に公開し、異動を希望する社員の応募を受け付けます。もちろんすべての社員の希望を叶えるわけではなく、書類審査や面接といった選考プロセスを経て合格すれば異動できる流れが一般的です。

社内公募制度の導入が注目される理由

近年、社内公募制度の導入が注目される理由には、企業のあり方や社員の意識が時代とともに変化していることが考えられます。

企業の視点と社員の視点の双方から、制度導入の背景を考察します。

年功序列から成果主義への転換

1990年代のバブル崩壊から2000年代にかけて、年功序列による人件費の高騰が深刻化した結果、経営を圧迫される企業が増加しました。その状況を受けて、人件費の適正化に向けた評価制度として成果主義を導入する企業が増加傾向にあります。

年功序列から成果主義へ転換したことで、社員にとっては1つの企業に長く務めるメリットが少なくなりました。優秀な社員が社外に流出することを防ぐためにも、社員の業務への満足度を向上すると同時に、より成果をあげやすい人員配置ができる社内公募制度のような取り組みは有効です。

関連記事:年功序列とは?メリットやデメリット、年功序列制度を維持させるための条件を解説

キャリアを自律的に考える社員の増加

学生時代にキャリア教育をする機会が増えていることや、厚生労働省が「グッドキャリア企業アワード」の形で従業員の自律的なキャリア形成促進を後押ししている影響で、キャリアを自律的に考える社員が増加する傾向にあります。

そのような流れから想定されるのが、企業から一方的に異動を命じられることへの抵抗感が強くなる点です。社内公募制度の形で、社員の希望を尊重した異動ができる仕組みの整備が求められています。

社内公募のメリット、デメリット

社員の希望をベースに人事異動を実施する社内公募制度ですが、企業にとってはメリットもデメリットもあります。

制度導入時に考慮すべきポイントと併せてお伝えします。

メリット:社員の意欲向上と組織の生産性向上

社内公募制度の導入メリットは、社員の意欲向上や組織の生産性向上です。社内公募制度を利用した社員は、希望する業務に就けることで業務への意欲が高まります。

また、社内で人材の流動性が高まることで、社内のノウハウが部署を超えて共有されやすくなり、組織全体の生産性向上にもつながる点もメリットの1つです。
さらに、社内公募制度は、採用コストの低減にも効果的です。社内で募集をかける際には求人広告や人材紹介サービスを利用する必要がないため、費用を削減できます。また、すでに自社で勤務している社員なので、ミスマッチが起きにくいといえるでしょう。

デメリット:社内調整とネガティブな応募者への対応

社内公募制度を導入する際に考慮しておくべきデメリットは、社内調整に気を配る必要が生じる点と、ネガティブな動機から応募する社員がいる可能性がある点です。

新入社員を受け入れる部署とだけ調整すればよい外部からの採用活動と異なり、社内公募制度では異動元と異動先の双方が調整対象となります。特に、成果を上げている社員が応募した場合、異動元の管理職は手放したくない気持ちが生じるかもしれません。

社内調整をスムーズに行うために人事担当者として第一に取り組む必要があるのは、社内公募制度の導入目的や効果を丁寧に周知することです。その上で、一定の段階に至るまで応募者の秘密を厳守し、異動元にも理解を得られる説明をするなどの対応が必要です。

また、応募してくる社員はやりたいことを実現したい前向きな社員ばかりではありません。今の業務への不満や人間関係の悩みを持っていて、それらから逃避する目的で応募する社員がいる可能性もあります。

社内公募を開始する段階で募集要件を明確にしたり、面接で応募動機を確認したりすることで、異動先のポジションで活躍できる人材なのかを見極める対応も不可欠です。

まとめ

社内公募は、優秀な人材の流出を防ぎ、社員のモチベーション向上も期待できる制度です。

しかし一歩間違えれば、部署間で人材の取り合いになってしまったり、落選した社員のモチベーションが低下したりと軋轢を生む原因になるリスクもはらんでいます。

それでも、本記事で紹介した社会背景を念頭に置き、社内公募制度をきっかけに新たな企業文化を作り上げるつもりで取り組んでみてはいかがでしょうか。

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