キャッシュフローとは?作成の目的や計算書の詳細も解説
著者Indeed キャリアガイド編集部
更新:2021年12月22日
投稿:2021年8月16日
Indeed キャリアガイド編集部は、さまざまな分野の知識を持つ才能豊かなライター、研究者、専門家のメンバーで構成されています。Indeed のデータと知見を駆使して、あなたのキャリア形成に役立つ情報をお届けします。

企業にとって、資金の状況を把握するのは自社の経営状況を考えるうえで重要なことであり、資金の状況や流れを把握する際に役立つのが「キャッシュフロー」という概念です。
キャッシュフローをうまく管理できなければ、ビジネスの世界で生き残ることはなかなか困難であると言わざるを得ません。
そこで本記事では、キャッシュフローとは何か、キャッシュフローを把握する目的やキャッシュフロー計算書について、解説します。
キャッシュフローとは?その意味について
キャッシュフローの意味は英語で考えると分かりやすく、「キャッシュ」は「お金」を意味し、「フロー」は「流れ」を意味します。
つまりキャッシュフローは読んで字のごとく、お金の流れを表す概念です。
一般的に、会社に入ってくるお金のことを「キャッシュイン」、会社から出ていくお金のことを「キャッシュアウト」と言いますが、キャッシュフローは「キャッシュインーキャッシュアウト」の計算式で表現できます。
現在会社にどれくらいのお金があるのか、それは前期と比べてどれくらい増えた(もしくは減った)のかは、賃借対照表でも確認できます。
しかし、どのような理由でお金が増えた(もしくは減った)のかを把握するためには、キャッシュフローをまとめたものである「キャッシュフロー計算書」の確認が重要です。
キャッシュフローの目的
キャッシュフローを把握する目的としては、いくつかのことが考えられます。
まず挙げられるのは、将来の資金計画を策定するためです。
自社のお金の流れを把握することで、今後の資金調達をどのようなタイミングで行うか、借入金をどのようなタイミングで返済するかなどの計画を、より具体的に立てられるようになります。
続いて挙げられるのは、投資家などのステークホルダーに対する情報開示や情報提供を容易にするためです。
上場企業では、IRなどによるディスクロージャーを行うことが多いですが、その際にキャッシュフローを把握していなければ、ステークホルダーに対して有益な情報を提供はできません。
また、企業の財務状況を視覚化し、利益と現金、預金のズレを把握して経営に生かすという観点でも、キャッシュフローの把握は重要です。
自社に現金が多くあるタイミングが分かれば、そのタイミングに合わせて事業拡大を行うなど、理にかなった経営を行うことが可能です。
関連記事:
ステークホルダーって何?押さえておくべきビジネス用語を解説!
ディスクロージャーとは?情報開示が求められる理由って何?
キャッシュフロー計算書とは
キャッシュフロー計算書とは、企業活動に伴う収入と支出をまとめた書類です。
企業のお金が増減するのにはさまざまな活動が関係しているので、キャッシュフロー計算書では「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに分けて、キャッシュの出入りを表示しています。
それぞれの活動でのキャッシュフローについて、以下で説明します。
営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは、主に本業の営業活動の結果生じたキャッシュの増減を示しています。
商品の販売で得た現金はもちろん、広告宣伝費などで支払った現金や人件費なども該当します。
本業のお金の動きとは直接関係ないような税金や保険料の支払いなど、後述する「投資活動」と「財務活動」に含まれないものは、すべて「営業活動」に含まれます。
会社の本業に直接的に関わるキャッシュフローなので、プラスになっていることが望ましいです。
投資活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフローは、企業の成長や資産運用などを目的とした投資活動での、キャッシュの増減を示しています。
有価証券を売却して得た利益や、設備投資のための出費などが該当します。
先ほど触れた営業活動によるキャッシュフローはプラスになっていることが望ましかったですが、投資活動によるキャッシュフローは必ずしもそうとは言えません。
会社の成長のために積極的に設備投資を行うと、投資活動によるキャッシュフローはマイナスがかさんでしまいますが、それは今後を見据えたうえでの必要な出費だからです。
有価証券の売却益などでカバーできているのが望ましいですが、マイナスでもそれだけでダメと決めつけることはなく、その中身をしっかりと判断するようにしましょう。
財務活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフローは、企業の資金調達などによって生じたキャッシュの増減を示しています。
融資による資金調達や融資に対する返済、配当金の支払いなどが該当します。
財務活動によって得たキャッシュは、営業活動や投資活動を維持するために用いられるので、プラスであるほうが好ましいことは間違いありません。
営業活動、投資活動、財務活動の3つのキャッシュフローをまとめることで、会社にどれだけのキャッシュがあるかが分かります。
企業経営においてキャッシュフローの把握は欠かせない
キャッシュフローは企業のお金の流れを表す概念であり、企業経営を行う上で重要です。
企業では営業活動以外にもさまざまな活動を行っているので、キャッシュフローも営業活動、投資活動、財務活動の3つに分けてまとめるのが一般的です。
自社の将来の資金計画を策定するためにも、ステークホルダーに対して適切な情報公開を行うためにも、キャッシュフローは正確に把握するようにしましょう。
こちらの記事もおすすめです
- 転職で資格は有利に働く?資格取得の注意点と評価の高い資格を紹介
- 【おれたちの仕事メシ】枕専門店店長が通う京都の「シャティバ」
- 【知らないと損?!】お悩み別、働く妊娠中の女性が知っておきたい制度とは
- 【おれたちの仕事メシ】編集プロダクション経営者が通う駒込の「Cafe T」
- リファラル採用とは?企業側のメリットや注意点、成功させるポイントを解説
- 映画「マネー・ボール」に学ぶ管理職として人材を活かすための考え方
- 離職率はどう計算する?定義や注意点に加えて改善方法も解説
- 聞き上手な人の特徴と聞く力を鍛える6つのコツとは?
- 【気になるおシゴト探訪録】イラストレーターの仕事内容や特徴、向いている人などを聞いてみた
- 職場における従業員研修の重要性と11のメリット
- 家事や育児と仕事を両立しやすい!主婦にぴったりな仕事をチェック
- プレッシャーの中でも冷静さを保つ9つのテクニック