コロナ後の働き方:欧米で進むハイブリッドワークとは

著者Indeed キャリアガイド編集部

投稿:2021年9月28日

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多くの企業がコロナ後の働き方を模索するなかで、最近よく耳にするのが「ハイブリッドワーク」という言葉。Googleで英語検索してみると、約8.4億もの結果が出るほどです。そんなハイブリッドワークによって、私たちの働き方は今後どう変わっていくのでしょうか。

コロナ後に完全リモートワークを望む人はわずか11%

多くの企業が完全リモート体制に突入して数か月経った頃、欧米では一部のテック企業を中心で「オフィス不要論」の実現可能性を探る動きがありました。以前より社内コミュニケーションツールを駆使し、クラウド上にあらゆる資料を保管して仕事を進めていた企業では、完全リモート体制でも特に大きな混乱なく業務を進められただけでなく、オフィス勤務時よりも生産性が向上したからです。

しかしリモートワークが長引くにつれ、徐々に目立ってきたのが「リモート疲れ」です。同僚との何気ない会話がなくて孤独を感じたり、オンオフの切り替えが難しくつい働き過ぎてしまったりなどの経験はリモートワーク体験者なら身に覚えがあるでしょう。加えてオフィスで感じられた企業文化を実感する機会が減り、会社への所属意識が薄れてしまう問題もありました。

結果的に、McKinseyの調査によるとパンデミック後の望ましい働き方として完全リモートワークを挙げた人はわずか11%にとどまる一方、ハイブリッドワークを希望する人が52%に上りました。

ハイブリッドワークでは目的ごとに場所や手段を選択

ハイブリッドワークでは、かつて「何はともあれ行く場所」だったオフィスが「必要に応じて行く場所」に変わります。今後は個人作業や1対1の会議を行うときは自宅で、大人数のグループで話したり仲間とのつながりを育んだりする場合はオフィスで、と仕事の性質ごとに最適な場所を選ぶようになるでしょう。またコミュニケーションの方法も、連絡や共有はチャットで、資料を見ながらの相談はビデオ通話で、複雑な議論やブレストは対面で、など意識的に使い分けるようになると考えられます。

全員が毎日出社しないと、フロアのレイアウトも当然変わってきます。多くの企業では個人専用デスクのスペースを縮小し、共有スペースやコラボレーションのための部屋を広げる方向に進んでいます。CNN BUSINESSの記事では、従業員も敢えてそうした共有スペースで過ごすようにして、ちょっとした立ち話や自然発生的な打ち合わせ、また同僚とのつながりを取り戻すためのコーヒータイムなどに時間を割くべきだと指摘しています。

また多くの企業が出社組とリモート組の体験に差がつかないようにするために、「リモートファースト」化を進めています。具体的にはリモートでの参加者がいる会議では、オフィスからの参加者も各自のパソコンからビデオ通話に参加するルールを定める、同期型・非同期型のコミュニケーションが1か所で実現するツールを導入する、などの施策です。さらに、出社日数がメンバーの評価に影響しないよう、マネージャーに対して週5日の出社を禁止する企業もあるようです。

企業によって対応はさまざま

ハイブリッドワークの実現方法は企業によってさまざまです。Amazonでは従業員に原則週3日の出社を求める一方、毎年4週間まで完全在宅勤務を選べるようにしました。一方Appleでは2021年6月に月、火、木曜は原則出社とする曜日固定型プランを発表し、一部の従業員から不満の声が挙がっています。

ハイブリッドワークへの移行はテック企業に留まりません。Fordでは工場勤務者以外の正社員に対して、オフィスは必要なときだけ利用する働き方を容認。またイギリスの金融機関HSBCではハイブリッドワークへの移行を見据えて77の拠点を閉鎖または縮小しています。

働き方は自ら選ぶ時代へ

今後は、業界・職種を問わず誰もが当たり前のように週5日出社する光景はなくなり、企業によって、また同じ企業でも人によって出社するタイミングが多様化するでしょう。そうなると1人1人の働き方もこれまでのように「いつの間にか決まっている」ものではなく、自ら選ぶものへと変わっていくと考えられます。

Prudentialが行った調査では、自社がコロナ後にリモートワークを認めないのであれば転職を考えると回答したリモートワーカーが42%に上りました。また、Amazonでは当初完全オフィス勤務に戻す方針でしたが、従業員の反発でハイブリッドワークに転換した経緯があります。働き方を主体的に考える時代となった今、皆さんもこれを機にどんな働き方が自分にとってベストなのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

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