「どうせ私なんか...」と考えがちな女性に知っておいてほしいこと

著者Indeed キャリアガイド編集部

更新:2021年12月28日

投稿:2021年10月22日

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女性活躍と言われて久しいなか、経済の場でのジェンダー平等はまだ遠いのが現状です。政府は2020年までに女性管理職割合を30%にする目標を掲げていたものの、実際は14.8%に終わりました。これを受けて第5次男女共同参画基本計画では2020年代の可能な限り早期に達成できるよう取り組むとしています。

現状をなかなか打開できない理由の1つとして、しばしば指摘されるのが「女性は管理職になりたがらない」点です。実際にある調査では「管理職(課長相当以上)を目指したい」と答えた割合は非管理職の男性は31.1%だったのに対し、女性は15.1%にとどまっています。さらに女性管理職は「管理職に必要だと思う資質」の水準が高い一方で、自分の能力に対する評価が低いこともわかりました。

こうした「自信のなさ」は、女性特有の性質でもなければ、1人で乗り越えるべき個人的な課題でもありません。その背景には、自信を育んでこられなかった環境や構造があるのです。

「自分は過大評価されている」と思わされる環境

最近、インポスター症候群という言葉がよく知られるようになりました。インポスターとは詐欺師の意味で、社会的に成功しても「たまたま運がよかっただけ」「自分は周りを欺いている」「自分の本当の能力がばれるのではないかと不安」と感じてしまう傾向を指します。この言葉が初めて登場したのは1978年に書かれたアメリカの論文ですが、それから約40年経った数年前より、Facebookのシェリル・サンドバーグ氏、Starbucksのハワード・シュルツ氏、元アメリカ大統領夫人のミシェル・オバマ氏などが自らもその経験があると声を上げ始めました。

この感覚を特に持ちやすいのは女性や人種的マイノリティに属する人だと言われています。ハーバード・ビジネス・レビューの記事では「男性優位の階層社会では、その不安感がいっそう助長されやすい」と書かれているほか、VOGUE Japanでも精神科医の水島広子氏の指摘として「日本においては、これまで社会や教育の中で女性に与えられてきたステレオタイプが、インポスターの心理状態を招く一因かもしれない」と伝えています。

つまり、もし皆さんが「私なんか...」と思っていたとしても、それは皆さんの能力に問題があるのではなく、環境によってそう思わされてきた可能性が高いのです。

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帰属意識を持てない環境とロールモデルの不在

多くの国では古くから企業は男性中心であり、その風潮は今でも根強く残っています。実際にあるグローバル調査によると、職場への帰属意識が高いと回答した男性は31%だったのに対し、女性は22%にとどまりました。男性が築いた環境にあとから追加された女性はなかなか帰属意識を感じられず、職場で見聞きする些細な発言や、そこに見え隠れするバイアスなどによって自信をなくしていくのは想像に難くありません。

またロールモデルの不在も一因です。日本では女性管理職が少なく、たとえ仕事で評価されても自分のキャリアがどんな風に発展していくのかをなかなかイメージできません。さらに男性よりも女性の方が世代やライフスタイル、またパートナーによってキャリアの志向や働き方が左右されやすく、身近に似たような人を見つけられずに孤軍奮闘するケースも多いようです。

自分の言動に注意し、つながりを築く

最近になってインポスター症候群はこうした環境の問題であるとの認識が広がり、多くの企業がインクルージョンの取り組みを進めるようになりました。インクルージョンとは、さまざまなジェンダーや人種、出身地、身体および心理状態の人に平等な体験と機会を用意することで全員の帰属意識を同レベルに整え、誰も取り残さない状態を目指す取り組みです。

個人でもできる取り組みはあります。まずは現状を認識し、職場で使う言葉や言動を改めてみましょう。不平等の構造のなかに身を置いていると、女性でも知らず知らずのうちにその状態を当たり前だと捉えた言動を行っている場合があります。女性部長と聞いて、何か特定のイメージを抱いていませんか?雑用を女性の後輩にばかり頼んでいないでしょうか?そうした無意識の言動が職場の男性中心文化を強化し、結果的に自分を含む女性の帰属意識と自信の低下につながります。

もう1つ提案したいのは、自らさまざまな女性とつながりを築くことです。他部門の女性管理職をコーヒーに誘ってみる、後輩の女性たちとランチにいくなど、自分から連帯範囲を広げていきましょう。そうするなかでロールモデルが見つかったり、あなたが誰かのロールモデルになったりするかもしれません。

仕事で評価されたとき、「どうせ私なんかはそこまでじゃない」と思ってしまうのは、そういう環境だったから。そう思うと、キャリアアップを前向きに捉えられる気がしませんか?

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