内部統制とは?仕事に関わる4つの目的と6つの要素を解説

著者Indeed キャリアガイド編集部

投稿:2021年10月20日

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内部統制のイメージ画像

企業などの組織で働いていると、「その方法は内部統制上よくない」や「あの仕事では内部統制が上手く機能している」などの対話を耳にすることがあります。

なんとなくイメージは湧くものの、内部統制がなぜ必要なのか分かっていない方に向けて、改めて内部統制の目的や取り組むべき要素を解説します。

内部統制とは?

内部統制とは「業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセス」と金融庁の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」で定義されています*¹。

「業務に組み込まれ」という点から、経理部門など特定の業務だけが取り組むものではなく、日常的なすべての業務に組み込まれる仕組みだということが分かります。

また、「組織内のすべての者によって」という点から、組織内の一部の担当者だけが実行すればよいわけではなく、その組織の業務に関わるすべての人がその仕組みと目的を理解し行動する必要があるものです。

*¹出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準

内部統制の4つの目的

内部統制のプロセスを構築する目的は4つあります。「業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令等の遵守」「資産の保全」の4つで、構築されるプロセスによっては複数の目的を並行で達成する場合もあります。

業務の有効性及び効率性

業務の有効性及び効率性は、「事業活動の目的の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めること」と定義されています。

組織内の人員やコスト、時間などの資源の使い方が観点の中心となります。複数の部署で別々に管理していた顧客リストを一元管理したり、システムの導入により受注から納品までの時間を短縮したりすることがこの目的を達成するプロセスの一例です。

財務報告の信頼性

財務報告の信頼性は、「財務諸表及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること」と定義されています。

組織内、組織外ともに事業活動の状況を確認するために重要な役割を持つ財務諸表。それらに虚偽記載が生じないように整備する体制や運用ルール作りによって達成される目的です。

事業活動に関わる法令等の遵守

事業活動に関わる法制等の遵守は、「事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進すること」と定義されています。

国内外の法律に則って事業を運営するだけでなく、強制力のある外部機関が提示している規範や、行動規範の遵守も重要です。

たとえば、研修を通じて遵守すべき決まりに関する理解を促したり、権限ごとに扱えるデータの範囲を制限したりすることなどがこの目的を達成するプロセスの一例です。

資産の保全

資産の保全は、「資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認の下に行われるよう、資産の保全を図ること」と定義されています。金融資産やパソコンなどの有形資産に限らず、知的財産や顧客データなどの無形資産も保全の対象に含まれます。

取得手続きのプロセスを整備することから、保管方法や処分方法に至るまで、適正な管理が求められます。

内部統制の6つの要素

内部統制の目的を達成するために構築されるプロセスの基本的な要素として6つがあげられています。「統制環境」「リスクの評価と対応」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング(監視活動)」「IT(情報技術)への対応」の6つです。

これらの観点でプロセスを構築することで、内部統制が適正に運用出来ているかを判断できます。

統制環境

統制環境は、他の5つの基本的要素の基盤ともいえる要素です。組織内に、内部統制の目的を達成しようとする雰囲気を作ることを示しています。

具体的には、経営者自身が構築された仕組みに則って行動する姿を見せることや、経営方針や理念のなかで不正を許さない社風を表現していくことがあげられます。

リスクの評価と対応

リスクの評価と対応とは、リスクマネジメントとも呼ばれる要素です。

事業活動を遂行していくなかで発生しうる阻害要因を事前に洗い出し、発生しないようにするプロセス作りをしたり、発生した場合の対処方法を事前に決めたりしておく必要があります。

統制活動

統制活動とは、不正な活動を行いにくくする体制づくりのことです。

たとえば、1つの仕事を複数名で分担し、互いにチェックをしていくようなプロセス作りがこれにあたります。また、実施者と確認者と承認者といった、複数名で1つの処理を実行していくようなプロセスにすることでも、適正な統制が実現されます。

情報と伝達

情報と伝達とは、事業活動に必要な情報が適正に整理され、必要な人に正しく理解できる形で伝わることを示します。

経営者の意思が社員に伝わるのはもちろんのこと、現場で仕事を遂行する社員から上層部に向けても、良い情報と悪い情報の双方がスムーズに伝わる状態を構築することが重要です。

また、社外へ情報発信する場合と外部から情報提供を受ける場合の双方についても検討が求められます。

モニタリング

モニタリングとは、内部統制が適正に機能していることを確認するプロセスを示します。

モニタリングには日常的モニタリングと独立的評価の2種類があります。モニタリングの結果、内部統制上の問題が明らかになった場合には、適正処置が取られます。

ITへの対応

ITへの対応は、現代の企業にとって不可欠なものです。

「IT環境への対応」「ITの利用及び統制」の2つの観点で取り組みます。ITへ対応することで、業務を効率化したり、ミスを未然に防ぐ役割を果たしたりと、内部統制の有効性を評価できます

関連記事:マネジメントの仕事内容や必要な能力、スキルを高める方法を解説!

まとめ

内部統制は、適正な事業活動と信頼性の高い財務報告を実現するために重要なプロセスです。

すべての人がルールに従って仕事を遂行することで初めて機能します。

一見面倒なものに思えるルールや手続きも、今回解説したような観点から存在意義を再確認してみてはいかがでしょうか。

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