シナジーとは?その種類や企業における効果の生み出し方をわかりやすく解説

更新:2023年9月14日

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企業が今ある資源で成長をするには、他社あるいは自社内の事業や組織から人材やノウハウを提供しあい、シナジーを生む方法が有効です。

本記事では企業の強みをさらに強め、弱みを補強する効果のあるシナジーについて、ビジネスの観点から解説します。

シナジーとは?

シナジーとは、「相乗効果」のことです。2つ以上の事業や企業などが組み合わされ、力が増幅する効果のことをシナジーといいます。

お互いの短所を補填し合える、あるいは長所を伸ばし合える力を持っている企業同士が組んだことで、想定以上の成果を出すことを指します。

シナジーと一般的な成果を数字で比べると、一般的な成果は1+1=2と想定内なのに対し、シナジーの場合は1+1=3以上になる点が異なります。

ビジネスシーンにおけるシナジーの意味

ビジネスシーンにおけるシナジーは、異なる組織や企業といった事業体が手を組み、想定以上の成果を出したときに使われます。     

例えば、複数の企業が同一事業を協業してシナジーが生まれるケースや、同じ拠点に別業態を持つ企業が集まり、集客や収益を数倍にするなどもシナジーが生まれるケースがあります。

シナジーは単独では成し遂げなかった価値を生み出せるため、企業が通常よりも大きく成長させたい事業があるときや、爆発的な成果を出したいと考えた際にシナジーを生む相手を探す傾向にあります。

シナジーは、それぞれが持つ経営資源である人材、資金、技術などをお互いが提供し合って生まれます。

たとえば、昔は八百屋、肉屋、金物屋と別々のお店として運営していたのが、スーパーマーケットとなって、1つの店舗でさまざまな商品を売ることにより、集客や収益向上などのシナジーを生み出しました。

各店は単独で負担する家賃コストや集客にかかるコストを安くできるだけでなく、お客様にとって「1か所で買い物ができる」利便性を高めることで、競争力を持てるようになります。こうした効果を、シナジーといいます。

競合の参入、原材料高騰の影響など、さまざまな外部要因で業績が不安定になりがちな現代において、事業拡大を着実に行っていくたえにはシナジー効果を生み出す経営戦略が欠かせません。

シナジーのメリット

ビジネスシーンにおけるシナジーは、コスト削減や知識の共有、ブランド力の向上など、組織や企業にとって多くのメリットがあります。以下で詳しく解説します。

コスト削減

コスト削減におけるシナジーを目的に、M&Aをするケースがあります。

自社と同様の仕入先から商品を仕入れている企業を合併、買収した場合、発注量を増やすので輸送コストの削減を依頼する、重複した業務を削減して効率化した結果、コスト削減につながるなどの例があります。

たとえば、ドラッグストアを経営するチェーンが合併すると、同じかぜ薬を一度にまとめて仕入れることで、今までよりも仕入れコストを抑えて、利益率を高めることができます。

知識の共有

戦略上自社が弱い領域で新規事業を行う必要がある場合、該当領域で強みを持つ他社と組んで人材の知見を借りて新規事業を成功に向かうケースもあります。

知識やノウハウの共有の代表的な例として、ゲーム事業で成功した企業がスポーツ事業を行う企業を買収して、ビジネスのノウハウを横展開するなどが挙げられます。

ブランド力の向上

知名度があるブランドを持つ企業が、買収した会社のブランド名を変更することにより、ブランド力や知名度が向上するケースもあります。

たとえば、もともと良いサービスを提供しているけれど、知名度が低いことが課題だった旅行会社が、知名度の高い企業に買収されて、ブランド名が変更となった場合などが挙げられます。

この場合、顧客に名前が知られやすくなるだけでなく、その企業で働く人材も集めやすくなるでしょう。

対義語のアナジー効果の意味

シナジーの対義語に、アナジー効果という言葉があります。アナジー効果とは事業や企業が統合した結果、プラスの効果ではなくマイナスの効果をもたらすことをいいます。

たとえば、企業間が統合し、それぞれの従前の売り上げを足した金額より統合後の方が減少した場合などが挙げられます。他にも、統合に伴うコストの増加やメンバー間の軋轢によるモチベーションの低下、指揮命令の混乱などの要因でアナジー効果をもたらしてしまうことがあります。

シナジーを目指して統合しても、良い効果が得られるとは限らないため、協業をする場合は入念なシミュレーションが重要となるでしょう。

シナジーの種類

シナジーには、大きく分けて3つの種類があります。

事業シナジー

事業シナジーは、事業を推進する5つの項目で相乗効果が出るものを指します。企業の事業推進は売上増加、コスト削減、スケールメリット、人材活用、ノウハウ統合の5つに分かれます。

これまでに紹介したコスト削減、ブランド力の向上、知識の共有などのすべてを含むほど範囲が広く、会計や節税以外の項目は事業シナジーに含まれると考えて問題ありません。

さらにいくつかに分類すると、売上増加には販路の拡大、アップセル、サービス拡充など、コスト削減には拠点の統廃合や価格交渉によるコストダウン、技術を活用した業務効率化、物流コストの最適化などが含まれます。

売上増加、コスト削減の事業シナジーが生まれた例としては、小売業の銀行業参入が挙げられます。もともとあった小売店舗内に自社が展開した銀行業のATMを設けることで、コストをかけず、かつ短期で大量設置と事業の展開ができました。

これまでの事業がもつ資源を別の事業と共同で使うことによって、手間を省いて長所を高め合い、事業運営の利益に結びつけられた好事例です。

財務シナジー

事業や企業間で資金を効率的に移動させて生まれる効果を、財務シナジーといいます。安定した収益を出している事業の収益を新規事業に充てて次の成長事業を育てる、債務の引き継ぎなど、プラスマイナス両方のお金の流れを指します。

たとえば、新規事業でカフェを始める場合を考えると、初期に設備を整える資金が必要です。「新規事業では資金が足りないため、社内で安定した収益をもつ他の事業部門からお金を融通し、新規事業の成長を支えて事業を早期に軌道に乗せる」などが財務シナジーの一例です。

組織シナジー

異なる組織を統合して生まれる効果を、組織シナジーといいます。それぞれの組織に属する人材が保有する知識や情報を持ち寄ることで、新たなアイデアやノウハウを共有、活用できます。

アイデアやノウハウを共有し活用できるようにするには、人材を生かす工夫が必要です。組織シナジーを高めるためには、適正な人事評価、コミュニケーションの促進、オフィス環境の整備などを行い、人材がアイデアを共有、活用しようと思える組織にしていくことが組織シナジーを生む一番の近道です。

企業がシナジーを生み出すには

企業がシナジーを生み出すには、これまでのやり方から脱して、新しいやり方を見つけ出す必要があります。その際に企業内部の資源を使うか、外部の資源を持ってくるかで下記のような戦略に大別されます。

多角化戦略

1つの企業内で主力となる事業とは異なる業種に進出し、企業としてのπを広げる、店舗を他事業で共有する、業務上共通項の多い分野に事業進出するなどが多角化戦略です。

店舗を共有することによって集客力の強化、共通する業務を持つ分野に進出することによって早期に収益化できるなどのシナジーが生まれることもあります。

また、多角化戦略を取ることで、仮に1つの事業がうまく機能しなくても、他の事業でカバーしながら改善が図れるなど、経営リスクを減らせるメリットもあります。

グループ一体経営

グループ内にある企業を1つの組織として運営することを、グループ一体経営といいます。それぞれの会社を1つの組織とみなして経営することで、スケールメリットが得られる、ブランド力を活用した販路などの効果が期待できます。

業務提携

外部の資源を活用して自社の経営に役立てる方法として、業務提携があります。お互いの事業の足りないところを、別の会社の事業部門で補えるメリットがあります。

1つの事業をゼロから育てていくのは、時間やコストがかかるものです。しかし、すでにその事業を行っている会社と手を組むことによって、事業を黒字化するスピードを格段に速くできます。

M&A

業務提携と同じく外部の資源を活用する方法ですが、M&Aは事業単位ではなく企業を合併、買収することでシナジーを生み出します。

すでに事業を運営している企業を買収もしくは合併することで、事業拡大のリスクが少なく済むだけでなく、事業が軌道に乗るまでの期間も短く済ませられるなど、多くのメリットがあります。

ただし、合併、買収された側の従業員からは不満が生まれる可能性もあるため、慎重さが求められるでしょう。

まとめ

シナジーは、組織や企業が統合することで、単独で生み出す以上の価値をもたらす効果をいいます。

双方にメリットがあり、市場に新しい価値が生まれる点は魅力ですが、協業や提携、M&Aによる軋轢が生まれ、マイナスの効果をもたらす危険もあります。

しかし、企業が成長し続けるためには限りある資源を効率的に活用し、力を合わせて事業運営することで大きな成果をもたらす必要があります。そのためには、シナジーを生む取り組みにチャレンジし続ける姿勢が大切です。

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