サステナビリティの意味とは?3つの観点やSDGs、CSRも解説
著者Indeed キャリアガイド編集部
更新:2022年9月1日
投稿:2022年4月3日
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SDGsという17の国際目標が設定されて以降、ビジネスシーンでもサステナビリティの言葉が一般化してきました。
企業はサステナビリティを意識した経営が求められ、消費者の企業評価にも大きく影響します。
本記事では、サステナビリティの意味や企業がサステナビリティに取り組むメリットなどを解説します。
サステナビリティの意味
「サステナビリティ(sustainability)」とは、「持続可能性」を意味します。
「持続可能な開発」は、国連の「環境と開発に関する世界委員会」が、1987年に発表した報告書「Our Common Future」の中心的な概念に取り上げられました。
「将来の世代の要求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」と定義されます。
そこでは環境と開発は対立するものではなく、共存できるものと捉え、環境保全を考慮した節度ある開発が重要と考えられます。
このように環境問題や資源開発での概念として「サステナビリティ」は以前から知られていましたが、今ではさまざまなシーンで使用されています。
サステナビリティとESGの関わり
サステナビリティと深く関わる言葉に「ESG」があります。サステナビリティを実現するためには、企業が環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)への配慮が欠かせないことから生まれた言葉です。
サステナビリティの3つの観点
サステナビリティ実現のためのESG情報の国際的な開示ガイドラインとして、「GRIスタンダード」が定められました。
企業は独自の取り組みをGRIスタンダードのフレームワークを使用し、経済、環境、社会へのインパクト、プラスまたはマイナスの影響などを報告し、持続可能な開発への貢献を説明できるようになりました。
経済
「経済(GRI200)」の項目は、「経済的パフォーマンス」「市場での存在感」「税務」などの項目から成り立っています。サステナビリティ経営による経済への貢献によって、貧困や格差を是正して人々が安心して暮らせる世界を目指すことを目標とします。
環境
「環境(GRI300)」の項目は、「原材料」「エネルギー」「生物多様性」「廃棄物」などの項目が設けられています。環境配慮の方法は、環境破壊を抑止して環境保全活動を行う、リサイクルへの取り組み強化などのさまざまな方法があります。
社会
「社会(GRI400)」の項目は、「雇用」「教育と研修」「ダイバーシティと機会均等」などの項目が設けられ、人間社会でのジェンダーや健康、難民などの課題への対応もテーマとされています。
サステナビリティの取り組み
企業でのサステナビリティを意識した取り組みは、さまざまな形で積極的に行われています。
自動車業界では、トヨタが「トヨタ環境チャレンジ2050」を掲げ、日産もカーボンニュートラル実現など地球環境に配慮した活動をします。
アパレル業界では、ユニクロで知られるファーストリテイリングが、服のリサイクルや原材料の環境負荷低減など「6つの重点領域」を定めたサステナビリティ活動をしています。
飲食業界でも、「プラスチック資源循環促進法案」の策定によりプラスチックストロー削減などが実施され、また、コンビニエンスストアでのフードロス対策など、環境や社会に配慮したサステナビリティ活動が進められます。
サステナビリティに関連するSDGs、CSRとは
サステナビリティに深く関係する言葉に「SDGs」や「CSR」があります。ここでは、これらの言葉の意味や企業との関わりを説明します。
SDGs(Sustainable Development Goals)とは
SDGsは、「持続可能な開発目標」として知られています。
国連の「持続可能な開発サミット」で、2015年5月にMDGsを引き継ぐ形で、「持続可能な開発のための2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲット」として採択されたものです*1。
SDGsでは、変革を進めるなかでも「誰一人取り残さない」ことを目標にしています。
企業はSDGsを意識したサステナビリティな経営を求められ、「GRIスタンダード」などのガイドラインをもとにした活動の外部発信が求められています。
*¹出典:外務省 SDGsとは?
CSR(Corporate Social Responsibility)とは
CSRは「企業の社会的責任」を意味し、企業にとっての顧客や社員、投資家などの利害関係者であるステークホルダーとの関係性を重視したうえで、社会的に責任のある事業活動を行います*²。
*²出典:経済産業省 企業会計、開示、CSR(企業の社会的責任)政策
サステナビリティ経営のメリット
SDGsなどのサステナビリティを意識した経営にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、大きく3つのメリットを紹介します。
企業のブランド価値の向上
サステナビリティ経営を行うためには、ESGを意識した事業活動が必要です。企業のESG活動はステークホルダーからの注目度も高く、具体的なサステナビリティ活動によって一般消費者への認知も高まり、結果的に自社の企業価値の向上にも繋がります。
業績のアップや事業拡大
サステナビリティの重要性が高まるなか、ESGを推進する企業への「ESG投資」の注目度も高まっています*³。SDGsへの取り組みが企業の投資評価項目となっており、ESG投資による資金調達によってさらなる事業拡大も可能です。また、リサイクル活動の推進やエネルギーや原材料の最適化によるコスト削減により、業績の向上も期待できます。
*³出典:経済産業省 ESG投資
従業員満足度の向上
サステナビリティ経営では、従業員の労働安全衛生や雇用環境の整備も欠かせない要素です。そのため、企業の労働環境改善によって、従業員の満足度も高まるでしょう。
まとめ
サステナビリティとは「持続可能性」として知られる言葉です。ビジネスシーンでも「SDGs(持続可能な開発目標)」とともに使われます。企業はESGを意識したサステナビリティ経営を求められており、大手企業により取り組みもされています。
サステナビリティ経営は、企業ブランド価値の向上やESG投資による資金調達にもつながり、経営改革のチャンスでもあります。また、従業員の働きやすさ改善によって、定着率の向上や優秀な人材確保なども可能でしょう。
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