仕事図鑑

コンシェルジュになるには

ホテルや百貨店、観光案内所など、コンシェルジュの活躍の場は多岐にわたっています。コンシェルジュとは、様々な人と接し、相談や要望に対して臨機応変に応じる仕事です。必須の資格はありませんが、接客力やコミュニケーション能力、情報収集能力などが重要になります。この記事では、コンシェルジュを目指す人に向けて、コンシェルジュの仕事の説明や必要なスキル、素質、働き方、収入、就職・転職事情について紹介します。

コンシェルジュとは

総合案内係としての役割を持つコンシェルジュは、お客様に質の高いサービスを提供するため、なくてはならない重要な仕事です。

コンシェルジュという言葉の意味は?

コンシェルジュの由来は、フランス語の「Concierge」です。かつては「アパートの管理人」という意味合いで使用されていましたが、現在では「総合世話係」という意味合いで使用されています。
その理由として、コンシェルジュの仕事がアパートに限らず様々な場に移ったこと、お客様の相談やリクエストに対応するようになったことが挙げられます。実際に、現代のコンシェルジュはホテルや百貨店、空港、マンション、病院など様々な場所で活躍しています。
現代のコンシェルジュの活躍業種は様々ですが、主な8つのコンシェルジュを紹介します。

ホテルコンシェルジュ

ホテルの施設案内や観光名所の案内、周辺のレストランの案内や予約手配、急病人の対応、交通機関の手配、観劇のチケットの手配などを行う仕事です。国や地域、宗教、宿泊目的などが異なる宿泊客の様々な要望に応えるために、幅広い情報や知識、語学力が求められます。

マンションコンシェルジュ

主にマンションなどで住人が安心して暮らせるようにサポートする仕事です。来訪者の受付・案内や宅配便、郵便物の預かり・発送、クリーニングの取り次ぎ、タクシー・ハイヤーの手配、共用施設の管理・予約受付、各種レンタルサービスの紹介など様々なサービスを、臨機応変に提供します。

医療コンシェルジュ

病院やクリニックで、来院した患者やその家族、見舞客への案内や説明を行う仕事です。自動再来受付機の使用説明や受診方法の説明、列や窓口への誘導、体調のヒアリング、タクシーの手配、周辺の宿泊施設の案内、車いす補助、当日の予約確認など、患者や来院者の総合サポートをします。専門知識を備えるためにも、メディカル・フロント・コンシェルジュ技能認定やホスピタルコンシェルジュ検定などを取得しておくと、より患者に寄り添えるコンシェルジュとなれるでしょう。

百貨店コンシェルジュ

百貨店でお客様の注文に沿ったサービスを提供する仕事です。化粧品やファッション、食品など担当するジャンルによって仕事内容は異なりますが、お客様の買い物をサポートする、という点においては共通しています。近年では、外国人観光客にも対応できる語学力を身に付けておくと強みになるでしょう。

ブライダルコンシェルジュ

結婚式やそれにまつわる様々なイベントやリクエストに対して、紹介やセッティングをする仕事です。結納・両家の顔合わせや婚約指輪・結婚指輪選び、結婚式場選び、結婚式や披露宴の演出、衣装に関する悩みなど、幅広い事項を解決し、お客様に満足してもらえるブライダルになるようにサポートします。より質の高いサービスを提供するのであれば、「ブライダルコーディネート技能検定」や「マナー・プロトコール検定」などの取得が望ましいでしょう。

ブックコンシェルジュ

本に関する相談に応じてアドバイスを行う仕事です。ビジネス書、児童書など特定のジャンルのプロフェッショナルとして、書籍の選定やお客様対応、書評、解説、イベント開催など、書店員の行う仕事内容と、豊富な知識が必要なコンシェルジュならではの仕事を並行して進めます。

ステーションコンシェルジュ

駅構内施設の案内を行うほか、周辺施設の案内や観光、お土産選びのアドバイスなど乗客の様々なリクエストに応える仕事です。都内の一部の駅に常駐しています。外国人にも対応できるよう語学力も必要です。

スイーツコンシェルジュ

作る人と食べる人、両方の立場からスイーツのおいしさや楽しさを伝える仕事です。一般社団法人日本スイーツ協会主催の「スイーツコンシェルジュ検定」に合格することで資格を取得できます。この資格を持っていると、スイーツライターやフードスタイリスト、お菓子教室の講師などのスイーツ業界での活躍の場が広がるでしょう。

これらの他にも、ワインコンシェルジュやティーコンシェルジュ、コスメコンシェルジュなど、「コンシェルジュ」と名に冠する仕事が存在します。

コンシェルジュの仕事内容

コンシェルジュはお客様からのリクエストに的確に対応しなければなりません。様々なトラブルや困りごとの相談を受けたときでも、臨機応変に対応し、お客様に満足してもらうのがコンシェルジュの役割です。業種によって仕事内容に違いはありますが、主な業務は、あらゆるサービスの予約や手配、案内、リクエスト対応などを通じて、お客様(患者・顧客)に満足してもらうことです。

リクエストに的確に応えられたことや、お客様の喜びを表情やお礼を直接感じられることが、仕事の達成感にもつながると共に、この仕事の魅力だとも言えるでしょう。さらに、期待以上のサービスを提供することによって、お客様の信頼を得られればリピーターを増やすこともできます。コンシェルジュは宿泊施設や商業施設などの顔となるため、あらゆる職種の花形となる仕事のひとつでしょう。

コンシェルジュになるには

コンシェルジュは様々なリクエストに応えられるよう、多くのスキルが求められます。コンシェルジュに必要なスキルは何か。また、どのような要素を持っている人に向いているのでしょうか。

コンシェルジュに必要なスキル

コンシェルジュになるために必要な「資格」はありませんが、様々なリクエストに対応できるために多くの「スキル」を身に付ける必要があります。
たとえば、外資系ホテルなどは海外からのお客様も多く、上司も日本人とは限りません。入社の条件にTOEICのスコアなどの条件を設けている場合もあります。医療現場であれば、医療接遇の知識が必要になりますし、ブライダル業界であれば宗派などの知識もあるといいでしょう。

職種によって必要なスキルは異なりますが、どのコンシェルジュでも必要なのは、接客マナーや予期せぬ事態が発生した際の柔軟な対応力、コミュニケーション能力、必要な情報を集める情報収集力が求められます。

他にも、語学力やホスピタリティ、外国文化への理解なども必要になるでしょう。

コンシェルジュに向いている人はこんな人

「心配りができる」「細かいところに気が付ける」「人を喜ばせることが好き」といった素養がある人は、コンシェルジュに向いています。また、あらゆるお客様に対応するためには、忍耐力と精神力も備えていなければなりません。お客様の中には理不尽な理由で怒鳴る人や、無理難題を押し付ける人も存在する可能性があり、そうした場合にも毅然と対応できるスキルも求められます。

コミュニケーション能力が高く、情報を常にアップデートする努力を惜しまない人は、コンシェルジュに向いているといえるでしょう。

コンシェルジュの働き方や収入

コンシェルジュの働き方は、雇用形態・勤務時間ともに比較的融通が利く傾向があります。ただし、業種によっては、深夜や早朝勤務の場合もあるので注意しましょう。

働き方やキャリア形成方法

専門スキルが求められるコンシェルジュですが、雇用形態は正社員からアルバイト・パートまで様々あります。ホテルは24時間、百貨店は開店から閉店までコンシェルジュを必要としているため、勤務時間はシフト制が多い傾向にあるようです。ホテルのような24時間体制の業種の場合、深夜や早朝に働くこともあるため、生活が不規則になることもあるでしょう。

一般的な就業形態としては、企業に所属して活躍するコンシェルジュと、人材派遣会社に所属して活躍するコンシェルジュが存在します。前者は、コンシェルジュを募集している企業やホテル、マンション、美術館、博物館などに就職して働く方法です。後者は、コンシェルジュの求人が多い人材派遣会社に登録することで、あらゆる派遣先でコンシェルジュとして働く方法です。このように、自身のライフスタイルも考慮し、コンシェルジュとしての働き方を選択することができます。

コンシェルジュの年収の目安

Indeed(インディード)で検索可能なデータによると、コンシェルジュの平均年収は、全国で約329万円でした。地域別では、東京都で約330万円、神奈川県で約329万円、大阪府で約348万円、福岡県で約280万円、北海道では約256万円などとなっています。年収は、勤務先となる組織の規模や地域、年齢、役職、勤続年数などによっても異なります。

また、前述の通りコンシェルジュと一口に言っても、業界によって多様です。自分のなりたい業種のコンシェルジュの年収を調べておくことも大切です。

コンシェルジュの就職・転職事情

Indeedで検索可能なデータによると、コンシェルジュの求人件数は約6,000件以上ありました。雇用形態は、正社員が53.53%と最も多く、アルバイト・パートが20.6%、新卒が11.1%、契約社員が6.7%、業務委託が6.1%、派遣社員が5.3%、でした。新卒採用での求人もありますが、コンシェルジュは様々な業種があるため、新卒で就職を目指すのであれば、希望している業界で新卒の求人があるのか探してみましょう。また、中途採用者が多い傾向の職種のため、別の職種で経験を積んでから転職を狙うという方法もおすすめです。

コンシェルジュの仕事に興味を持ったら、まずはIndeedで「コンシェルジュ」、「自分のなりたい業種のコンシェルジュ」で検索してみてはいかがでしょうか。希望に合った求人情報が見つかるかもしれません。

※平均年収及び求人検索件数は、求人検索エンジンIndeedにおいて検索可能なデータより抜粋(2021年2月現在)

まとめ

コンシェルジュとは、お客様に質の高いサービスを提供する総合案内係としての役割を持つことや、様々な業種でコンシェルジュが存在することについて紹介しました。コンシェルジュになるためには、お客様のあらゆる相談やリクエストに応じられるよう、柔軟な対応や語学力など多くのスキルを必要とします。心配りが得意で人を喜ばせることが好きな人には向いている仕事といえるでしょう。中途採用が多い業界ではありますが、多方面でスキルを磨き、お客様に愛されるコンシェルジュを目指しましょう。

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