ミュージカル俳優になるには

更新:2022年7月9日

ミュージカル俳優になるには

歌やダンスで彩られる華やかな舞台であるミュージカル。見る人に夢を見せ、時の流れを忘れるような体験を与えてくれます。演技だけでなく、歌や踊りもこなすミュージカル俳優は、厳しい競争を乗り越えてようやく晴れ舞台に立てるようになります。

本記事では、ミュージカル俳優の仕事内容や、なるための方法、年収とキャリア形成、将来性と就職状況をご紹介します。

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ミュージカル俳優とは

さまざまな俳優業のなかで、ミュージカル俳優とはどのような特徴を持つ職業なのでしょうか。ここではその特徴をご紹介します。

ミュージカル俳優とは?舞台の上で歌い、踊り、演じるマルチアクター

ミュージカル俳優は、舞台劇の1つであるミュージカルに出演し、役柄を演じる俳優を指します。与えられた役を演じる演技力はもちろん、劇中で歌を歌いきる高い歌唱力、公演中踊り続けるダンサーとしての技術が求められる職業です。

ミュージカル俳優が出演する舞台は、数週間程度の短い公演もあれば、数年間ずっと同じ演目が続けられるロングラン作品もあります。短期間の公演ならずっと出演し続ける場合もありますが、ロングラン作品では1つの役を複数人が交代で演じることもあります。

映画、ドラマの俳優との違い

映画やドラマに出演する俳優には、演じる役になりきる演技力が強く求められます。映画やドラマで歌や踊りのある作品も一部ありますが、ミュージカル俳優ほどの頻度では求められません。

一方、ミュージカル俳優が出演するミュージカルは、劇のなかに歌と踊りが組み込まれている作品です。そのためミュージカル俳優は全員が歌、ダンス、演技をこなせる能力を求められます。

ミュージカル俳優の仕事

歌にダンスに活躍するミュージカル俳優の仕事内容を具体的にご紹介します。

ミュージカル俳優の主な仕事内容

ミュージカル俳優の主な仕事は、ミュージカルに出演し与えられた役柄を演じることです。舞台の上で見せる表現で、観客に感動を与えることこそが、ミュージカル俳優の役割でしょう。

ただし、出演するミュージカルの舞台が常にあるわけではないため、舞台がない間はボイストレーニングやダンスのレッスンに取り組み、ミュージカル俳優としての技術を高めます。また、出演が決まってから公演開始までの間は、舞台の稽古に励みます。

出演するミュージカルの宣伝活動も、舞台の看板となるミュージカル俳優の仕事の1つ。イベントへの登壇やメディアへの出演を通じて、一人でも多くの観客を呼ぶこともミュージカル俳優の重要な役割です。

ミュージカル俳優の働き方

舞台の期間中であれば公演に出演します。出演の頻度は舞台によって異なり、数日に一度しか公演がない舞台もあれば、一日に複数回の公演を行う場合もあります。

一日に複数回の公演がある舞台では、朝、劇場に入り午前中にリハーサルを行います。午後は昼公演、夜に夜公演に出演し、終演後の深夜に帰宅する流れで一日を終えます。

出演する舞台がない期間中は、ダンスや歌のレッスンを行いながら、合間にオーディションへ参加し、出演する舞台を決めていきます。オーディションに合格しなければミュージカル俳優として舞台に立てませんので、舞台への出演と並んで重要な仕事でしょう。

事務所や劇団に所属していれば、正社員や契約社員など月給制の雇用形態の場合もありますが、実際はアルバイトやパート、業務委託契約などで1ステージごとに給料が支払われるケースが多いようです。

ミュージカル俳優になるには

華やかな舞台で歌や演技を披露するミュージカル俳優になるには、どのような方法があるでしょうか。

ミュージカル俳優への道

ミュージカル俳優になるためには、いくつかの選択肢があります。

養成所や学校に入る

大手の劇団が持つ養成所やミュージカルスクールを卒業し、その劇団に所属する方法です。また、演劇系の専門学校や大学に入り、演技や歌を学ぶ道もあります。優秀な成績で学校を卒業できれば、学校とつながりのある劇団や芸能事務所を紹介してもらえることもあります。

正式な劇団員になれれば役をもらえる可能性は高まりますが、競争率は高く、入団にも厳しい審査があります。養成所に入ればミュージカル俳優になれるというような、簡単な道のりではありません。

芸能事務所に所属する

芸能事務所に所属し、ミュージカルの仕事を紹介してもらうのも1つの方法です。ただしマネジメントは事務所側で行うため、必ずしもミュージカル俳優の仕事が回ってくるとは限りません。
ミュージカル俳優を目指すなら、演劇や舞台劇に強い芸能事務所に所属するとよいでしょう。なお、厳しい審査に合格しないと入所できない芸能事務所も多く、希望しても必ず所属できるとは限りません。

オーディションに参加する

ミュージカルの出演者を決めるオーディションを受ける方法もあります。経歴を問わない募集もあり、所属劇団で配役をもらえなかった、芸能事務所でミュージカルの仕事を回してもらえないなどの場合には、積極的にオーディションに参加するとよいでしょう。ただし限られた配役を大人数で争うため、高い水準の歌唱力や演技力が必要です。

また、オーディションのなかには、研究生として劇団員に採用するものもあります。劇団に所属できれば舞台にあがるチャンスも広がるため、研究生に挑戦するのもよい選択肢の1つでしょう。

ミュージカル俳優に向いている人

舞台の上でさまざまな役柄を演じるミュージカル俳優には、次のような人が向いています。

人の前に出て表現したい人

ミュージカルは舞台に立ち、人前で演技や歌、ダンスを披露するエンターテインメントです。出演する俳優はただ歌や演技をこなせばいいわけではなく、役柄を全身全霊で表現することが求められます。

何かを表現し伝えたいとあふれ出るような情熱こそが、ミュージカル俳優として輝くために不可欠な資質と言えます。

音楽、ダンス、演技と多種多様な表現方法に興味を持てる人

ミュージカルは音楽、ダンス、演技がそろって初めて成り立ちます。音楽、ダンス、演技すべてに熱心に取り組むのはもちろん、劇の背景となっている歴史や原作となった作品に興味を持つことも重要です。

さまざまな芸術に興味を持つことは舞台への理解を深め、より表現力を広げる結果になるでしょう。

ミュージカル俳優に必要な資格

ミュージカル俳優になるために、特別な資格は必要ありません。とはいえ、勉強が不要というわけではなく、音楽、ダンス、演技などの表現を幅広く学び続ける必要があります。

学ぶ音楽やダンスも、クラシック、ラテン、ジャズ、邦楽と多岐にわたります。多くのジャンルに触れておくことが、さまざまなテーマの劇に出演するチャンスにつながっていきます。

ミュージカル俳優の収入とキャリア形成

ミュージカル俳優の収入やキャリアも見ていきましょう。Indeed で検索可能なデータによれば、ミュージカル俳優と似た仕事である役者やエキストラの平均年収は、全国で約608万円、地域別では、千葉県で約651万円、埼玉県で約616万円、東京都で約605万円などとなっています。*

ミュージカル俳優の多くは、デビューから当面は端役を数多くこなし、舞台の場数を踏む時期が続きます。この間は出演料も安く、俳優としての収入だけでは十分な暮らしをするのは困難でしょう。

キャリアを積むと、徐々に劇団のなかでの立場もあがり、より重要な役柄が回ってくるようになります。出演する舞台も増え、俳優としての収入もアップします。アルバイトなどで収入を補う必要がなくなれば、俳優業に専念できるようになるでしょう。

主役級の役をコンスタントにもらえるようになれば、一般的な会社員より高額な収入も期待できます。

ミュージカル出演を経て、テレビや映画の世界へ進出する俳優も少なくありません。連続ドラマや大作映画への出演機会が増えれば知名度も上がり、ミュージカルでも大きな役を演じるチャンスを得られるかもしれません。

近年ではアニメやゲームの世界を舞台で再現する2.5次元舞台が人気を集めており、多彩なメディアへ出演するチャンスにもつながっています。

ミュージカル俳優の将来性

趣味や娯楽が多様化している現代でも、演劇の分野は一定の人気があります。なかでもミュージカルの人気は根強く、劇場に熱心に足を運ぶ熱烈なファンを多く抱えています。

2.5次元舞台もミュージカルのジャンルの1つとして確立し、多くの女性ファンの人気を集めました。新型コロナウイルスの影響により公演数の減少が見られますが、ネット配信に力を入れることで、さらにファン層を拡大していく効果が期待できます。

Indeed で検索可能なデータによれば、関連のある俳優の求人は、全国で2,200件以上あります。雇用形態の内訳は、アルバイトやパートが53.9%と半数以上を占め、次いで、正社員が31.5%、業務委託が8.1%です。*

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*出典:平均年収、月給、時給及び求人検索件数は、求人検索エンジン Indeed で検索可能なデータより抜粋(2021年8月現在)

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まとめ

ミュージカル俳優はミュージカルの舞台で活躍する、華やかな職業です。一方で演技、歌、ダンスすべてを高いレベルでこなせなければチャンスをつかめない、競争の世界で生きる職業でもあります。

ミュージカル俳優になるには、芸術系の大学や専門学校を卒業し、劇団や芸能事務所に所属するのが王道です。しかし、所属したあともレッスンやトレーニングを続け、実力を磨き続けなければ役を勝ち取ることはできません。

決して甘くはないですが、1つの作品を作りあげる喜びや万雷の拍手を浴びる感動など、得難い経験ができる職業でもあります。

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