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小説家になるには

読書が好きな人ならば、一度は小説家に憧れたことがあるのではないでしょうか。小説家は創作した物語を、小説として世に送り出して読者を楽しませる仕事です。小説家になるために必要な資格は特にありませんが、語彙力や表現力、取材・調査力、アイデア力などが求められます。
この記事では、小説家の仕事内容や、なるための方法、年収とキャリア形成、将来性と就職状況についてご紹介します。

小説家とは様々なジャンルの物語を創作し、小説として発表する仕事

小説家は、様々なジャンルの物語を創作し、小説として発表する仕事です。「作家」と呼ばれる場合もありますが、作家には「芸術や趣味の分野でものを創作する人」という意味があり、小説家だけを指すわけではありません。小説家以外にも絵本作家、漫画家、放送作家、映像作家など、より幅広いジャンルを含みます。

小説のジャンルは多岐にわたり、純文学や大衆文学、ライトノベル、ミステリー、恋愛小説、官能小説、時代小説・歴史小説、ファンタジー、SF、ホラー、異世界ものなどがあります。また、ミステリーとホラー、恋愛小説とファンタジーなど、複数のジャンルを組み合わせた小説も存在します。

小説は文字数によって名称が異なり、たとえば、300~800文字程度のものは「掌編小説」、200文字詰めの原稿用紙20枚以下は「ショートショート(SS)」などのように呼ばれますす。代表的なものとして、原稿用紙80枚以下の「短編小説」、原稿用紙300枚以下の「中編小説」、原稿用紙300枚以上の「長編小説」が挙げられます。なお、明確な基準は規定されていないため、これらはおおよその目安としてください。

小説家の収入源は給与ではなく、印税や原稿料です。印税とは、出版物の価格と売り上げた冊数に比例して受け取る報酬です。一方、原稿料とは執筆における時間や労力に支払われる対価のことです。印税は重版をするたびに支払われますが、原稿料は1つの作品に対し1回限りの支払いになります。

小説家の仕事

では、小説家は執筆の他にどのような仕事に携わるのでしょうか。ここでは、小説家の仕事内容や働き方についてご紹介します。

小説家の主な仕事内容

小説家が最初に行う仕事は、ストーリーの筋書きや流れ、登場人物とその相関図、世界観などをまとめたプロット制作です。続いて、プロットに応じて取材や資料集めを行い、準備が整い次第執筆に取り組みます。特定のジャンルのみ執筆するだけでなく、あらゆるジャンルを執筆する人も存在します。また、近年は紙媒体だけでなく、携帯小説やWebサイトなど、Web上で発信する機会もあります。

また、執筆以外にも、文芸教室や専門学校の講師や文学賞の下読みなど、小説に関わる副業をすることがあります。一方、有名になるとエッセイ本の出版や講演会、テレビ番組のコメンテーターなどの仕事をすることもあるでしょう。他にも、ベストセラーを生み出すことによって、サイン会やメディアからのインタビュー、文学賞の選考委員、講演会など、様々な仕事を依頼される可能性があります。

小説家の働き方

小説家はフリーランスとして働くことが一般的です。出版社と契約し、執筆する内容やページ数、原稿料、執筆ペースなどを担当者と相談して決定します。週刊誌や月刊誌などに小説やコラム、エッセイなどを連載したり、単行本を書き上げたりするのが主な仕事内容です。執筆作業は、自宅やカフェ、もしくはコワーキングスペースなど、場所を問わずに行えます。

なお、小説家として初めから継続的に仕事を受注して安定した収入を得ることは難しいでしょう。そのため、まずはライターのアルバイトなどをしつつ小説家を目指すことをおすすめします。
また、会社員をしながら小説家を目指すことも可能です。安定した収入を得られるだけでなく、社会経験を経て視野が広がったり、ストーリーの題材を収集したりできる点も大きなメリットです。

小説家になるには

小説家になるためにはどのような手順やスキルが必要なのでしょうか。ここでは、デビューする方法や必要なスキルについてご紹介します。

小説家としてデビューする方法

小説家としてデビューする代表的な方法として、以下の4つが挙げられます。

文学賞に応募する

自分が応募したい賞の公式サイトに記載されている募集要項に従って、Web、もしくは郵送で応募します。文學界(ぶんがくかい)新人賞や群像新人文学賞、文藝(ぶんげい)賞、すばる文学賞など、公募を行っている新人賞を選ぶといいでしょう。受賞者はその賞を主催している文芸誌内で発表されることが多いようです。受賞後は、受賞作の出版が決定し、担当編集者がつく場合もあります。

編集部に持ち込みをする

原稿を持ち込む出版社を選び、原稿を郵便やメールで送るのか、出版社へ直接持っていくのかなどの提出方法を確認します。なお、出版社へ提出した原稿は返却されない場合があるので、必ずコピーをとっておきましょう。作品が編集者の目に留まれば、アドバイスや意見をもらえるでしょう。持ち込みからデビューを獲得するには、何度も提出してよりよい作品を作り上げる必要があります。

自費出版をする

自費出版の場合、印刷会社や自費出版専門企業、総合出版社・ビジネス系出版社、電子書籍のいずれかの会社に直接問い合わせて依頼します。自費出版の費用は依頼する会社や原稿の状態、本の仕様、発行部数、印刷代などによって異なるため、よく比較検討しましょう。書籍化し、店頭に並んだ作品が評判になれば、出版社から声がかかることがあります。

Webで小説を発表してスカウトされる

Web小説投稿サイトやソーシャルメディアに作品を投稿してスカウトされるのを待つ方法です。これは近年増加傾向にあるデビュー方法と言えます。ソーシャルメディアで話題になると、編集者の目に留まって直接連絡が来る可能性があります。

なお、小説家になるために必要な学歴はありませんが、大学や専門学校で自分の興味がある分野を勉強しておくと、執筆するうえでプラスに働くでしょう。また、学生のうちに文学のみならず、スポーツや政治、歴史、その他アルバイトや部活動など、様々な知識と経験を積むことも強みになります。もちろん、小説家になることを視野に入れて、文学部や、文芸学科、国文学コースなどを選択するのもおすすめです。

小説家に求められる資質や役立つスキルと知識

小説家は創作した物語を作品として発表する仕事です。そのため、読者が内容を理解できるように伝えなければなりません。従って、以下の素質が必要だと考えられます。

  • 語彙力
  • 取材、調査する力
  • アイデアを出す力
  • 長時間執筆するための集中力

小説家になるために特別な資格は必要ありませんが、資格の中には表現力や文章力の知識と技術が養えるものもあります。たとえば、以下のような資格は小説家の仕事に生かせるでしょう。

文章読解・作成能力検定

公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施している検定です。文章の流れや、わかりやすい文章がかけることを目的にしており、自分の伝えたいことが読み手に伝わる文章が書けるようになります。

校正技能検定

日本エディタースクールが実施している検定です。書籍の内容に不備がないように書き上げる技術が身につきます。

日本語検定

特定非営利活動法人日本語検定委員会が実施している検定です。漢字や送り仮名、文法、表記など、日本語を正しく使えるようになることを目的としています。語彙や慣用句などの知識を身につけることで、表現力の向上が期待できます。

小説家の収入とキャリア形成

ここでは、気になる小説家の収入や、働いていくうえで考えられるキャリアアップの方法についてご紹介します。

小説家の給与の目安

小説家は印税や原稿料によって収入を得るため、給与という形では報酬を得ません。また、賞を受賞することによっても収入を得られます。たとえば、2021年の文藝春秋「文學界新人賞」や講談社「群像新人文学賞」、河出書房新社「文藝賞」の賞金は50万円です。また、2022年の集英社「小説すばる新人賞」の副賞は200万円の賞金が贈呈されます。

とはいえ、受賞は狭き門であるため、小説家として安定した収入を得られるようになるまでは副業をするとよいでしょう。たとえば、小説家を目指しながらそのスキルを生かして活躍できる関連する職業としてライターが挙げられます。Indeed(インディード)で検索可能なデータによればライターの平均年収は全国で約384万円、地域別では、東京都で約448万円、沖縄県で約273万円、大阪府で約396万円などとなっています。

小説家のキャリア形成

小説家は年齢に関わらずデビューでき、生涯働ける仕事です。まずは編集部への持ち込みや文学賞に応募する、Web上で小説を発表して人気を得るなど、デビューのきっかけを作ります。デビュー後は有名な賞の受賞を目標に執筆活動を続けましょう。

なお、最近は手軽に読める長さの小説が好まれる傾向があります。また、ライトノベルがアニメや実写などメディア化されて人気を博すこともあります。さらに、インターネットで気軽に作品を発表することも可能になりました。小説家としてキャリアを積み上げていくためには、このような時代の変化に合わせて柔軟な執筆活動を行うことが重要です。

小説家に関わる仕事の求人状況

Indeed で検索可能なデータによると、小説に関する仕事の求人は数多くあります。たとえば、ライター、シナリオライター、ゲームのストーリー制作アシスタントなどです。小説関連の職業に就きたい人は出版社、自分で書いた文章を発表したい人はインターネットメディアのライターやシナリオライターを選ぶのがおすすめです。

Indeed で検索可能なデータによれば、ライターの求人は全国で800件以上ありました。
雇用形態の内訳は、正社員が39.3%、アルバイト・パートが17.8%、派遣社員が13.5%でした。

ライターの求人のなかには、編集やライティングの経験が求められるものも多くありますが、未経験歓迎の求人もあります。その他、学歴不問で年齢制限も設けていないものの、長期雇用を目指す企業では35歳以下などの条件が提示されている求人もあります。
繰り返しになりますが、小説家として軌道に乗るまで、正社員として働きながら、あるいはアルバイト・パートとして副業しながら執筆活動を行うことも視野に入れておくといいでしょう。

小説家に関する仕事の求人情報は、インターネットでも探すことができます。
Indeed なら、「小説」とキーワードに入力し、さらに、勤務地や年収、雇用形態などで条件を絞り込むことができるため、効率よく求人情報を見つけられます。

※平均年収・月給・時給及び求人検索件数は、求人検索エンジン Indeed において検索可能なデータより抜粋(2021年4月現在)

まとめ

小説家になるためには、文学賞に応募する、編集部に持ち込みをするなど自分できっかけを作る必要があります。また、小説家を目指しながら、ライターなどのスキルを生かせる仕事に就きながら執筆活動を行うことも手段の一つです。ライターなど小説に関する仕事の経験は、その後の執筆活動にも生かせます。
Indeed で、ぜひ「編集者」「ライター」の求人情報を検索してください。

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