仕事図鑑

看護師の仕事をするには

少子高齢化社会を迎え、医療が高度化する中で、専門的な知識やスキルを身に着けた看護師が多く望まれています。4年制の看護大学や看護学科を持つ大学も増え、文部科学省の「2019年度 看護系大学に係る基礎データ」によると、看護系の学科を持つ4年制大学は2002年に96校だったものが2018年に263校となっています。

需要が高く活躍の場も多い看護師ですが、いざ、就職や転職を考えるとなると「理想の勤務先に出会えるのだろうか」と心配になる人も多いかと思います。

そんな看護師について、実際にどんな働き方があるのかご紹介します。また、データから見た給与水準や、求人の状況、キャリアアップの方法も見ていきます。

看護師とはどんな職業?

保健師助産師看護師法に基づく看護職の一つ

看護師とは保健助産師看護師法に基づいた職業の一つです。看護職としてはほかに「保健師」「助産師」「准看護師」があります。

看護師は厚生労働大臣の免許を受け、医療の現場において傷病者やじょく婦(出産後間もなくまたは産褥にある女性)の療養上のケアや、医師の診療の補助などを行う仕事です。以前は女性が多い職場でしたが、厚生労働省の「平成 30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、男性の看護師も2008年には44,884人だったものが、2018年には95,155人へと増えています。

ちなみに、保健師は保健所や保健センターなどで地域住民の健康維持・増進、病気の予防のための保健指導に従事する職業のことです。保健所や保健センターなどの行政機関のほか、企業や学校に勤める場合もあります。

助産師は主に妊娠から出産、育児に至るまで母子の心身のケアなどを行います。単独で出産介助を行うこともあり、出産後は母乳指導なども行います。

看護師と准看護師の違い

少しわかりづらいのが、看護師と准看護師の違いです。その大きな違いは、免許の発行方法にあります。上記のように看護師は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県知事の免許を受けた公的資格です。

仕事の内容に大きな違いがないように見えますが、准看護師は自分の判断では看護業務をすることができず、医師や看護師の指示を受けます。准看護師として働きながら、看護師や助産師の資格を取得する人も多くいます。

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意外に幅広い看護師の仕事

看護師の主な職場と仕事内容

看護師が働く場所としては、病院、診療所、介護施設、保健所、看護師等養成所、学校、保育所、訪問介護などが挙げられます。

病院や診療所などの医療施設

入院用のベッドが20床以上あり、24時間365日の体制で医療行為や患者のケアを行っているのが病院です。また、病院よりもさらに身近な場所で地域医療を行うのが診療所です。診療所には19床以下の有床診療所と、入院設備のない無床診療所があります。ちなみに、クリニック、医院という名称に関しては法律で基準が定められているわけではなく、診療所が屋号のように使用していることが多いようです。

病院では外来や病棟などに担当が分けられ、外来では診察の介助や、在宅療養中の患者に向けた生活指導も行います。病棟では24時間の交代制で入院患者の命を見守ります。
ほかにも、外科手術の介助を担当する看護師もいます。

診療所でも外来の場合は診察の介助、入院設備がある場合には入院患者のケアを行います。

訪問看護ステーションや介護老人保健施設など福祉施設

本人が自宅での暮らしを望む場合などに行われるのが在宅医療です。その在宅医療に欠かせないのが訪問看護ステーションであり、高齢化社会に向けてますます需要が高まると考えられます。

業務としては医師の指示を受け、ケアマネジャーと連携を図りながら、病状の確認や医療処置、医療機器の管理、重度心身障害児の看護、リハビリなどを行います。

また、特別養護老人ホームや介護老人保護施設では、医師や介護職と連携を図りながら医療ニーズへの対応や、健康障害の防止、生活支援のほか、特別養護老人ホームでは看取りも行うことがあります。

保育所や私立学校・大学

保健所では、地域住民の健康のために、健康相談や健康診断などを行います。
また、一部を除く私立学校や大学にて学校看護師として働く道もあります。その場合は、生徒や教員のケガや病気に対する応急処置や保健に関する指導を行います(公立の学校に勤める場合には、看護師ではなく養護教諭としての資格が必要です)。

看護師の働き方

24時間稼働する総合病院や、規模の小さな診療所、保健所など、幅広い場所に看護師の勤務先はあるため、勤務形態や雇用形態もさまざまとなっています。

働く時間としては日勤や夜勤があり、シフトは勤務先によって異なります。毎日、夕方の定時に帰宅できる勤務先や、時短勤務ができるケースも多くあります。

雇用形態としては常勤のほか、時間給のアルバイト、パートタイマーもあります。アルバイト、パートタイマーの場合には週5日勤務以外にも、勤務先によっては週2~、週3~も可能となっています。

看護師になるには

「看護師資格」が必要

看護師になるには看護師国家試験に合格しなくてはいけません。

看護大学や3年制の看護短期大学、同じく3年制の看護師養成所で教育を受けた後、看護師の国家試験を受けて看護師となります。また、中学校を卒業後に5年一貫教育の看護師養成課程校で教育を受け、看護師国家試験を受けるという方法もあります。

看護師の教育課程では、看護師として必要な知識や技術を学ぶほか、人間を幅広く理解する能力や、コミュニケーション能力なども培います。

<看護師になるには>
高校卒業                             中学校卒業
    ↓                                ↓
4年制の看護系大学
看護短期大学(3年制)               看護師養成課程校(5年一貫過程)
看護師養成所(専門学校など)(3年制)
                           ↓
看護師国家試験受験
 ↓
合格
  ↓
看護師
看護師免許を取得した後は、届け出の努力義務があります。

看護師に向いている人はこんな人

看護師には、さまざまな人との関わりを持つためのコミュニケーション能力や洞察力、思いやりなどのほか、ハードな業務をこなす体力や精神力も求められます。もちろん、看護に関する知識や技術を習得するための向上心も必要です。

けして簡単な仕事ではありませんが、担当した患者の回復を間近で感じることができ、適切なケアで役に立てたときなどに感じる喜びややりがいは大きなものです。患者やその家族から感謝の言葉をもらうことも多い仕事です。

看護師の給与とキャリア形成

看護師の収入の目安

看護師の給与はほかの業種と比較しても高めで、2020年1月21日時点で、Indeedで検索できる求人情報の集計によると看護師の平均給与は26.7万円となっています。

民間よりも国公立の病院の方が、給与水準が高い傾向にあり、公益社団法人日本看護協会の「2018年病院看護実態調査」によると、国の医療機関の場合、勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職)の給与(税込)が平均約33.8万円であるのに対し、医療法人(社会医療法人を含む)・個人では約31.1万円となっています。

また、病院の規模により給与の変動もあり、99床以下の病院の場合は勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職)の給与(税込)の平均が約31.1万円に対し、500床以上の病院の場合は約34.9万円となるなど、ベッド数が増えるほど高くなっています。

認定看護師や専門看護師でキャリアアップ

もし、「もっと収入をアップさせたい」「活躍の場を広げたい」「もっと高いレベルで仕事をしたい」「専門的知識を深め、より多くの人の役に立ちたい」と考えるならば、認定看護師や専門看護師、保健師、助産師などの資格をプラスして、キャリアアップするという手もあります。

以下、それぞれの仕事内容や資格の取り方を簡単にご紹介します。

認定看護師
特定の看護分野(救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護などの21分野)において、熟練した看護技術と知識がある看護師のことです。

認定看護師になるには

看護師の免許を保有

看護師の実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)

認定看護師教育機関(課程)修了(6カ月・615時間以上)

認定審査(書類審査・筆記試験)
という過程を経て認定看護師認定証交付・登録となります。

※2020年度より新たな認定看護師教育がスタートします。現行の認定看護師教育は2026年に終了します。現行の認定看護師については特定行為研修を修了した後、新たな認定看護師へと移行することができます。

専門看護師
特定の看護分野(がん看護、精神看護、小児看護、老人看護など13分野)において、専門的な看護の知識や技術を持ち、水準の高い看護ケアを効率よく実践できる看護師のことです。また、保健医療福祉に携わる人々のコーディネーションや、看護に関する研究活動も行うなど、看護のスペシャリストとして活躍します。

専門看護師になるには

看護師の免許を保有

看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得

実務研修を通算5年以上(うち3年以上は専門看護分野の実務研修)

認定審査(書類審査・筆記試験)
という過程を経て、専門看護師認定証の交付・登録となります。

助産師・保健師
前述したとおり、妊娠・出産・産後のケアを行うのが助産師、保健指導などを行うのが保健師です。

助産師になるには

看護系大学院2年
看護大学専攻科・別科1年
看護大学4年
看護短期大学専攻科1年
助産師養成所1年
のいずれかを卒業
  ↓
助産師国家試験に合格して助産師となります

保健師になるには

看護系大学院2年
看護大学4年
看護短期大学専攻科1年
保健師養成所1年
のいずれかを卒業
  ↓
保健師国家試験に合格して保健師となります

保健師や助産師になるには、前提として看護師国家試験に合格している必要があります。

看護師の将来性と求人傾向

高齢化社会により看護師不足が予想されている

少子高齢化により懸念されているのが看護師不足です。厚生労働省の「看護職員確保対策」によると、2016年末の保健師・助産師・看護師・准看護師の就業者数は約166万人で、年間平均3万人程度増加傾向にはあります。とはいえ、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には看護職員は196~206万人必要になると考えられ、このままの増加率だと3~13万人が不足すると想定されています。そこで国でも看護職の養成と確保のための取り組みに力を入れています。

看護師は就職・転職しやすい?

以上のように将来的な看護師不足の懸念もあり、現時点でも多くの求人がある状況が続いています。Indeedで看護師を検索すると常時10万件以上がヒットするなど、就職・転職をしやすい状況となっています。

雇用の形態としても、正社員や契約社員、時間が比較的に自由になるアルバイト・パートなどさまざまで、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。また、ブランクがある人に向けたフォロー体制が整っている勤務先や、子育て中の人向けの時短勤務を用意したりしている病院があるなど、いったん、現場を離れた人にとっても再就職しやすい状況だといえます。

まずはIndeedにて「看護師」と検索してみてはいかがでしょうか?給与や勤務時間など、希望にあった求人情報が見つけられるかもしれません。

まとめ

看護職には保健師、助産師、看護師、准看護師があります。
その中で傷病者の療養上のケアや、診療の補助などを行うのが看護師です。国家資格であり病院・診療所のほか、介護施設や保健所などで活躍しています。働き方としては常勤やアルバイト・パートタイマーもあり、自分のライフスタイルに合わせた勤務先を探すことができます。収入はほかの職業と比較しても高めで、民間よりも国公立の病院のほうが高い水準となっています。また、今後のキャリアアップとして専門看護師や認��看護師、助産師、保健師の資格を取得するという手もあります。
看護師は高齢化社会の中で、ますます求められる職業のため、今後も就職・転職がしやすい状況が続くと考えられます。