冠婚葬祭業界で働くメリットは?仕事の種類、年収と休みなどの待遇をわかりやすく解説

更新:2022年7月9日

ブライダルや葬儀など、私たちの生活に冠婚葬祭のセレモニーは欠かせないものです。そのセレモニーを顧客の希望や宗教、宗派、予算に応じて執り行うのが冠婚葬祭業界です。

この記事では業界で働く人々の仕事の種類や内容、収入の目安、将来性について見ていきます。

冠婚葬祭業界の仕事の種類と仕事内容

冠婚葬祭とは人生の節目にある行事を指します。冠は昔の元服を指し、現代では七五三や成人式、還暦を指します。婚は結婚、葬は葬式、祭は祖先に関する祭礼や、正月などの年中行事を指します。

人生のなかでとくに大きなセレモニー「結婚式、披露宴」「葬儀」を、顧客の要望や予算、宗教、宗派に合わせてプロデュースして執り行うのが冠婚葬祭業界です。

ブライダル専門会社と葬儀社がありますが、なかにはブライダルも葬儀も両方行う会社もあります。

冠婚葬祭業界の主な職種について紹介します。

ブライダル(ウエディング)プランナー

新郎新婦の要望を聞きながらウエディングの総合演出を担当します。会社が用意している既存のプランにオプションをつける場合や、オーダーメイドのウエディングもあり、予算のなかで極力、新郎新婦の要望に沿うようにします。

ブライダルプランナーになるのに資格は必要ありませんが公益社団法人日本ブライダル文化振興協会の認定資格「ブライダルコーディネート技能検定」があります。

ドレススタイリスト

カウンセリングの上、披露宴などで着るドレスをコーディネートします。

ドレスだけではなくアクセサリーやブーケといった小物類の選定も行います。

フラワーデザイナー

ブライダルプランナーから依頼を受け、式場に飾る花をはじめ、新婦のブーケや両親への贈呈用花束など花を使った演出全般を担います。フラワーコーディネーターと呼ばれる場合もあります。

メイク、ヘアメイクアーティスト

新郎新婦の髪型やメイクが衣装と合うようにヘアメイクおよびメイクを行います。

依頼によっては新郎新婦の家族のヘアメイクをする場合もあります。

ブライダルアテンダー

新郎新婦に付き添って介助を行います。

とくに新婦は慣れないドレスや着物で身動きがとりにくいので、ブライダルアテンダーが丁寧に介助します。

ホールスタッフ

式場の設営や配膳を行います。設営はホテルや式場のスタッフが行いますが、配膳は配膳会社から派遣されたスタッフも活躍します。

葬祭スタッフ、葬祭ディレクター

葬祭スタッフ、葬祭ディレクターと呼ばれる職種の人は葬儀に関する企画、運営をし、遺体の引き取りから通夜、葬儀、納棺、火葬まで、遺族に寄り添いながら一切を取り仕切ります。

葬祭ディレクターという名称で働くためには、厚労省が認定し葬祭ディレクター技能審査協会が実施している「葬祭ディレクター技能審査(1級、2級)」に合格する必要があります。

司会進行

セレモニーの間、必要な情報をアナウンスし、進行を担当し、弔電の読み上げも行います。司会専門での募集もありますが、葬祭スタッフが行う場合もあります。

納棺師

納棺師は遺体を棺へと納めます。ただ納めるのではなく、遺族との対面も考え、できるだけ故人の表情をやわらげ、身じまいが整った状態で旅立てるようにします。

ご遺体の傷みを遅らせるといった細かい技術が必要です。

生花スタッフ

生花スタッフはオーダーに応じて会場に花を飾りますが、最近は故人の好きな花を祭壇いっぱいに飾りたいなど、以前のオーソドックスな葬儀とは異なる注文も増えています。

ドライバー

ドライバーは参列者を葬儀場まで運んだり、親族を葬儀場から火葬場まで運んだりします。

霊柩車を運転する場合は、セレモニーに合わせた発車の仕方や、葬列を乱さないような運転技術も必要です。

冠婚葬祭の仕事の年収は?休みの取り方や待遇も紹介

冠婚葬祭業界の働き方で特徴的なのが、一般的に休日となる土日祝日が出勤となりやすいほか、大安などの六曜に影響を受けて業務が決まる点です。

たとえば、葬儀社の場合は友引の日が休みになることが多く、ブライダルの場合は大安が忙しくなります。

土日出勤があり休日も不規則になりやすい業界ですが、基本的に週休2日制については守られています。

待遇については、会社によりますが福利厚生も整っています。未経験者の採用もあり、研修制度もしっかりと整っています。

年収について Indeed(インディード)で検索したところ、葬祭ディレクター約305万円、湯灌・納棺は約314万円、葬儀司会は約364万円、結婚式場スタッフは約320万円、葬儀・セレモニースタッフは約306万円、ウェディングプランナーは約316万円となっています*¹ 。

*¹ 出典:平均年収は、求人検索エンジン Indeed で検索可能なデータより抜粋(2021年12月現在)

将来性はある?冠婚葬祭業界で働くメリット

葬儀市場は公正取引委員会の「葬儀の取引に関する実態調査報告書」によると、2015年時点で市場規模が1兆7000億円を超えると推測されるなど堅実に右肩上がりを続けていました*²。

一方、ブライダル業界は人口減少や結婚への意識の変化による影響を受け、やや厳しい状況が続いてきました。

また、双方とも2020年からはコロナ禍の影響が出ています。ただし、人生の節目にかかわるため、葬儀も結婚式も完全には無くならないと考えられます。

現在、人々の考え方の変化から、ビーチや高原でのパーティーなど、披露宴も新郎新婦の要望に合わせて多種多様な演出が行われています。

家族葬や自然葬、故人をイメージした個性的な祭壇づくりなど、葬儀も多様化しています。オンラインを使用したセレモニーも増えていくかもしれません。

葬儀も結婚式も多様性が生まれてきた分、プロデュースや運営する側にとっては、セレモニーを自分たちで考えて作り上げるという魅力があります。

人生のライフステージに関する大切なセレモニーを顧客の要望に合わせて作り上げ、「ありがとう」の言葉をもらうときに、大きな喜びを感じる人も多くいます。

*²出典:公正取引委員会 「葬儀の取引に関する実態調査報告書」

まとめ

社会の状況に影響を受けやすい業界ですが、オンラインセレモニーなど、ニーズに合わせた新しいセレモニーを企画し実現する魅力もあります。顧客に寄り添い、サポートするやりがいも感じられます。

さまざまなタイプの人が活躍できる余地がある業界なので、未経験でも臆することなくチャレンジしてみましょう。

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