内定辞退の理由は伝える必要がある?内定辞退のマナーや電話、メールの例文を紹介

更新:2023年11月27日

転職 内定 辞退 イメージ画像1


就職活動、転職活動を進めるなかで、企業からもらった内定を辞退せざるを得ない場面も出てくるでしょう。内定辞退の理由を伝える際は、伝え方やビジネスマナーにおいての注意が必要です。

本記事では、内定辞退の理由の例や伝える際のマナー、内定辞退の連絡方法などを解説します。

Indeed で求人を探す
パート・アルバイトの求人
Indeed で求人をもっと見る

内定辞退の理由は伝える必要がある?

一般的に、内定辞退の理由を具体的に踏み込んで伝える必要はありません。

一方で、会社側は入社してほしい人に内定を出しているため、辞退理由は当然、気になるはずです。場合によっては、「一身上の都合」で済ますよりも、きちんと理由を伝えるほうが印象は悪くありません。

後述するマナーを参考にして、内定辞退を誠実に伝えましょう。

内定辞退をする際の基本マナー

採用担当者に辞退する意思を連絡する際は、マナーを守ってわだかまりが生じないように伝えましょう。とくに、以下の5つのポイントに留意します。

できる限り早めに連絡を入れる

会社側は人的、金銭的なコストをかけて、計画的に採用活動を行っています。採用予定人数に達しない場合は、期間内に他の候補者を募って再度選考しなければなりません。

自分の採用試験に時間を割いてくれた先方に配慮して、辞退する場合は早めの連絡を心がけましょう。

選考や内定へのお礼を伝える

会社側は、内定を出すまでに採用担当者や面接官の多くの時間を費やしています。内定辞退の意向を伝える際にはお礼の気持ちも伝えましょう。「この度は内定をいただき誠にありがとうございました。選考にあたって、多大なお時間を頂戴したにもかかわらず大変恐縮ですが…」などの、感謝の言葉を添えましょう

ネガティブな理由を伝えない

内定辞退の理由として、ネガティブな情報を伝えないように配慮しましょう。「残業が多そうだから」「給与待遇に納得いかないから」など、個人的な見解で相手を不快にさせる発言をすることはビジネス上も好ましくありません。

相手に敬意を示し、採用活動に時間を割いてくれた感謝の気持ちを強調しましょう。

嘘をつかない

辞退したいからといって事実とかけ離れた理由を伝えるのは避けましょう。担当者から辞退理由を深く質問されたら答えに窮してしまいますし、同業他社に就職が決まった場合、辞退した会社が「実は取引先だった」という可能性もあります。でたらめな嘘をついて、自分の信用を下げる必要はありません。

内定先の会社名は伏せる

ビジネスマナーとして、内定を了承した他の会社の名前を伝えるのは避けましょう。採用に関わる情報は秘匿情報に該当するため、他社に対して自ら情報を開示することは好ましくありません。

たとえ辞退先の会社から確認されたとしても「申し訳ありませんが、お伝えできません」などと伝え、丁寧に断りましょう。

内定を辞退する理由の例

内定を辞退する理由の具体的な例と、伝え方のポイントを紹介します。いずれの理由を伝えるにしても、ネガティブに捉えられる言い方をしないように注意しましょう。

他社から内定が出た

あまり詳しい理由を伝えたくない場合、シンプルに「同時期に選考を受けた会社から内定を頂戴したため」と伝えるのがよいでしょう。

面接時に「並行して受けている会社もあるが、貴社が第一志望です」と話した場合、「選考中に心境に変化があった」と言い添えるとベターです。「他社のほうが、条件がよかった」など、比較するような発言は控えましょう。

社風が自分に合わないと判断した

面接を重ねて会社の内情を知るうちに、「この会社で働いていける自信がない」「性格的に合わないかもしれない」と感じるケースもあるでしょう。長く働きつづけることを考えると、やむを得ない理由と言えます。

この場合、ストレートに伝えるのではなく、「自分に貴社の仕事に対する適性がないと判断しました」と、自身の問題として伝えたほうが、相手の感情を損ねません。

家族の反対があった

収入や職場環境を巡って家族の反対があったり、家族の介護などやむを得ない事情があったりした場合、ストレートに「家族と相談して慎重に検討した結果、今回の内定を辞退させていただく決断をしました」と伝えましょう。

家族の反対理由など、詳しい内容まで伝える必要はありません。

内定辞退を伝える電話とメールの例

内定辞退は、基本的に電話で営業時間内に伝えましょう。ただし、始業直後や終業前などの忙しい時間帯はなるべく避けた方が無難です。

電話する際の伝え方

電話で内定辞退の連絡をする際は、緊張からその場でうまく説明できない可能性もあるので、事前に伝えたい内容をメモや文章化しておくとよいでしょう。

内定辞退の連絡の流れは以下のとおりです。

  1. 採用担当者の都合を確認する

  2. 内定辞退する旨を伝える

  3. 内定辞退の理由を簡潔に伝える

  4. 採用選考対応のお礼を伝える

【電話の例】

自分:お世話になっております●●です。

先日いただきました「内定通知」の件でご連絡させていただきました。お時間よろしいでしょうか?

先方:はい。大丈夫です。

自分:このたびは、内定連絡をいただき、誠にありがとうございます。こちらの身勝手で申し訳ありませんが、内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。

先方:よろしければ、内定辞退の理由を伺ってもいいですか?

自分:御社と並行して選考が進んでいた会社があり、そちらからも内定をいただきました。自分のキャリアの方向性について検討した結果、御社の内定を辞退する決断にいたりました。

先方:大変残念ですが、承知いたしました。

自分:本来なら直接お伺いしてお詫びしたいところですが、電話でのご連絡となり申し訳ありません。

先方:いえいえ、他社での活躍を期待しています。

自分:選考にお時間を割いていただいておきながら、このような形となり、大変申し訳ございませんでした。

メールする際の例文

メールでの連絡も、基本的には電話連絡と同じです。先方へのお礼を伝えて、内定辞退の旨を簡潔に記載します。

【メールの例文】

 件名:【内定辞退のご連絡】●●(差出人名)

○○株式会社

    人事部 △△様

お世話になっております。●●です。

このたびは、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

内定通知をいただき大変恐縮ですが、今回の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。

自分のキャリアについて検討した結果、他社とのご縁を感じ、貴社の内定を辞退する決断にいたりました。

ご多忙な中でお時間を割いていただきながら、このような形となり申し訳ございません。

本来なら直接お伺いしたいところですが、取り急ぎメールでのご連絡となりましたこと、ご容赦いただければと存じます。

末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

内定辞退についての疑問を紹介

内定辞退を決心して内定先に辞退を伝えようと思っても、先方に伝えた後の反応や辞退を断られるなどの返事が不安で、行動に移せない人もいるかもしれません。

「そもそも、内定をもらったのに辞退はできるのか」「引き留めにあってしまうのではないか」「承諾してしまっていたらどうすればいいのか」など、人によってさまざまな不安や疑問点があるでしょう。

内定を辞退する際に多くの人が悩む代表的な疑問3つに関して、判断基準や対処法などを紹介します。

内定をもらったあとに辞退はできるのか?

結論から言うと、内定が出たあとで辞退することは可能です。

内定辞退は民法627条に定められている「労働契約の解約権の行使」に該当します。労働契約の解約は、いつでも解約の申し入れができることになっており、会社に対して解約の意思を伝えてから2週間後に契約が解消されると定められています*。

会社側は内定者の説得はできますが、内定辞退の拒否はできません。

*参考:e-GOV「民法627条1項」

内定承諾後の辞退は可能か?

ある会社から内定が出て入社の意思を示したあと、より魅力的な他社から内定が出るというケースもないとは限りません。一度、内定を承諾してしまったあとで、辞退することは可能なのでしょうか?

結論を言えば、通常の内定辞退と同様に可能です。

ただし、一般的な内定辞退よりもモラルに欠ける行為なので、やむを得ない事情がある場合にのみ誠意をしっかり示しながら、「辞退する意思と理由」「お詫び」を伝えましょう。

内定辞退後に面談を打診されたら?

まれに、内定辞退の連絡後に面談を求められるケースがあります。

これは「もう一度考え直す意思がないか」の確認と、内定辞退の理由を探ることが主な目的です。

「どうしても入社してほしい」と会社側が考える人材であれば、会社側も説得したいはずです。あるいは、辞退の踏み込んだ理由や自社の印象を聞いて、今後の採用活動に役立てたいとも考えているでしょう。

面談に応じるかどうかは、自分自身で判断しましょう。応じる場合は、内定辞退の理由を説明したうえで、意思が変わらないことを伝えましょう。「説得に負けて意思を変えてしまいそう」と不安を感じるようなら、応じなくても問題はありません。

まとめ

就職や転職は人生に大きく関わるため、事情があれば内定辞退も致し方ないことです。一方で会社はそれなりのコストをかけて採用活動を行っているため、内定辞退の理由は、相手に配慮しつつも誠意を持って伝えるべきです。

ネガティブな表現を使ったり嘘をついたりするといった行動は避け、採用選考の間にお世話になった感謝を込めましょう。

シェアする
Indeed で次の仕事を見つけてみませんか求人を検索する

こちらの記事もおすすめです