FBIのプロファイラーになる方法

更新:2022年7月21日

法執行機関でのキャリアに興味があるなら、米国司法省連邦捜査局(FBI)での仕事について知っておくのもいいかもしれません。この組織には、犯罪プロファイラーなど、さまざまなキャリアパスがあります。FBI捜査官としてのキャリアをスタートさせるには、この特殊な仕事に必要なスキルを学び、経験を積むことが求められます。

この記事では、FBIのプロファイラーになるための方法について、このキャリアを始めるために必要な学歴や職歴などの要件、仕事に就くためのヒント、よくある質問とともにご紹介します。

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FBIプロファイラーとは

FBIのプロファイラーは、バージニア州クアンティコにある国立暴力犯罪分析センター(NCAVC)の行動分析課(BAU)に所属する国家捜査官です。FBIでは「プロファイラー」という一般的な言葉ではなく、「管理官(supervisory special agent)」と呼ばれています。高度な訓練を受けた捜査官が、犯罪心理学の知識と事件解決の経験を生かして、国家安全保障に影響を及ぼす事件について、他の政府機関や法執行機関と協力して捜査を指揮します。この捜査官は、証拠や調査を元に犯罪行為を捜査、分析しています。

関連記事:FBI特別捜査官になるための要件と教育とは?

FBIプロファイラーの仕事とは

FBIプロファイラーの一般的な職務には、次のようなものが挙げられます。

  • 歴史的根拠や技術的な分析ツールを使って、連続した犯罪行為を解釈し、予測する

  • 調査力と分析力を使って、犯罪者の暴力的な行動のパターンを見極める

  • 容疑者、目撃者、その他業界専門家への聞き込みや取り調べを実施する

  • グループや個人での人間の行動を評価し、パターンや指標を特定する

  • 現場での経験や統計データ、確率を使って、犯罪行為に関する結論を導き出す

  • 聞き込み、調査、分析に関する報告書を作成し、調査結果を文書化して他の人と意見を共有する

  • FBIの複数の部門や法執行機関と連携し、証拠の検証や凶悪犯罪者の逮捕に役立つ知見を提供する

FBIプロファイラーになる方法

FBIプロファイラーになるには、長年の専門的な訓練と経験が必要であり、この仕事は管理職と考えられています。この仕事に就くためには、次のような手順に従うことができます。

1. 四年制大学を卒業する

FBIの候補者として認められ、初級捜査官として仕事を始めるには、学士号を取得していなければなりません。特定の学位が必要なわけではありませんが、ほとんどの捜査機関が心理学や社会学、犯罪学などの関連分野を推奨しています。数学や政治学のような学部でも、プロファイラーに必要な分析能力を形成するのに役立ちます。

2. 仕事の経験とライフスキルを得る

FBIに応募する前に、取得した学位に関連した職務に3年以上従事します。応募手続きには通常1年以上かかるため、捜査官になるための手順に従って進む間、自分の生活を支える手段が必要になるかもしれません。教育を続けて犯罪学や社会学の修士号などを取得することもでき、これは捜査官としてのキャリアの後半で役に立つはずです。

3. FBI捜査官になるための要件を満たす

プロファイラーになるには、FBI特別捜査官として採用され、訓練を受けなければなりません。まず最初に、FBIに採用されるためには、23歳から36歳までの米国市民で、市民権と経済的責任に関して優秀な経歴を持っている必要があります。

4. FBI特別捜査官になるための9段階の応募プロセスを完了する

FBI捜査官の応募プロセスは以下の9つのステップで構成されており、それを完了して初めてFBIに配属されます。

  • 応募とスクリーニング:履歴書と大学の成績証明書をFBI公式サイトのオンライン応募ポータルから提出します。最初の応募では、連邦政府の履歴書のテンプレートを使用する必要があります。

  • フェーズ1のテスト: このフェーズでは、論理的推論、抽象的推論、性格、嗜好と興味、状況判断を判断するための5つの評価項目を含む3時間の試験を受けます。試験は2回まで受けることができますが、それ以降は応募が無効となります。

  • 追加の必須情報:フェーズ1のテストに合格すると、FBIからメールで通知が届き、体力、重要なスキル、言語選択に関する自己評価を完了するよう求められます。次の段階に進む前にこれを完了し、フォームを提出する必要があります。

  • 対面による評価プロセス:次のステップでは、審査員が対面で面接を行い、応募書類に記載された情報を確認します。

  • フェーズ2のテスト:次のテストでは、筆記試験と正式な面接が行われます。第1部の筆記試験では、2時間半の間にデータを読み、分析し、優れた文章で書かれた報告書を2つ作成します。第2部のパネル面接では、3人の捜査官がFBI特別捜査官としての能力について質問するので、必ずフォーマルなスーツを着用する必要があります。

  • 体力テスト:体力テストでは、2.4kmのランニング、懸垂、腕立て伏せ、腹筋、300mの短距離走などの一連の運動を行います。FBIでは、スマートフォン用体力テストアプリ(FBI FitTest)を提供しているほか、試験前のトレーニングや準備に役立つ練習用のエクササイズを収録したデジタルガイドも用意しています。

  • 条件付きの内定:体力テストに合格した候補者は、身元調査やさらなるトレーニングに基づいた条件付きの正式な内定を受け取ります。条件付き採用通知を受け取ってから、5日間以内に承諾するか辞退するかを決める必要があります。

  • 身元調査:過去と現在の関係者への聞き取り調査、嘘発見器によるテスト、薬物検査、健康診断など、厳しい身元調査が行われます。これが完了して初めて、FBI特別捜査官になるために必要な最高機密へのアクセスが許可されます。このプロセスは最長で18か月を要します。

  • 基礎的なフィールドトレーニングのコース:特別捜査官になるための最後のステップは、FBIアカデミーで19週間の集中訓練を受けることです。5か月間にわたり、法律、捜査実務、倫理、科学捜査、行動科学などのコースを受講します。また、銃器、監視、戦術的運転技術、潜入捜査、防御技術などの訓練も行います。

5. 非管理職の捜査官として働く

BAUの管理官としての仕事に就く前に、捜査官としての経験を積む必要があります。世界各地の拠点に配属されることもありますが、非管理職の捜査官として働いた後で、NCAVCでの仕事に異動できる可能性があります。

テロリズムと対テロリズム、成人に対する犯罪、行方不明事件などの特定の部門では、捜査の経験を積むことができ、これは管理官になるための重要な要件となっています。また、FBIが提供する特別訓練プログラムに参加登録して、NCAVCで働きながらプロファイラーの仕事に就く準備をすることもできます。

6. BAUの仕事に応募する

専門家は、BAUに応募する前に特別捜査官として7年から15年の経験を積むことを勧めています。BAUのプロファイラーは管理職とみなされるため、FBIでの豊富な経験がこの仕事に就くための唯一の方法です。BAUに応募した候補者の中から、資格、トレーニング、およびその時期に募集中の役割によって異なるその他の要因に基づいて採用されます。

FBIプロファイラーになるためのヒント

FBIプロファイラーの仕事を目指す際に役立つヒントをご紹介します。

  • FBIの価値基準を受け入れましょう。FBIにとって専門分野(コアコンピタンス)である、協調性、コミュニケーション、適応性と柔軟性、自主性、対人能力、リーダーシップ、情報整理力と計画性、問題解決力と判断力を体現することが重要です。

  • 学習を続けましょう。関連分野の上級学位を取得します。法医学や心理学などの分野で修士号や博士号を取得すれば、BAUに応募する際に、高い資格を持った候補者としてアピールすることができます。

  • 体力をつけましょう。体力、持久力、スピードを鍛えて、FBIの体力テストに備えます。

  • 質問があれば、地域の採用窓口に問い合わせましょう。米国内の主要都市にFBIの拠点があります。応募手続きを始める前に、自分の住んでいる地域の捜査官やリクルーターとのミーティングを設定してください。

  • FBIが提供する模擬試験を利用しましょう。FBIのウェブサイトでは、捜査官の志望者がフェーズ1と2の両試験に備えるために使える、解答と解説付きの練習問題が提供されています。

FBIプロファイラーについてよくある質問

FBIプロファイラーになるためのよくある質問をまとめました。

FBIプロファイラーの職場環境はどのようなものですか?

FBIの規定によると、捜査官は週に50時間以上勤務し、24時間体制でいつでも対応できるよう待機することになっています。朝はオフィスでコンピューターを使って調査を行い、その後で犯罪現場に出向くこともあります。プロファイラー(管理官)は報告書を提出したり、局内や他の政府機関、法執行機関との捜査の調整を行います。

ベストな健康状態と体力を維持し、銃器を扱い、必要に応じて武力を行使することが求められます。国家安全保障上の危機が発生した場合、ペースの速い重要な環境で働くことになる可能性があるため、プロファイラーを目指す人はこの種の仕事で成功するための精神的、肉体的な強さと持久力が必要です。

FBIプロファイラーになるには、どれくらい時間がかかりますか?

BAUの仕事に採用されるまでの教育課程やキャリアにもよりますが、この仕事に就くまでには7年から15年かかると言われています。特別捜査官になるための申請プロセスには1年以上かかり、プロファイラーの多くは現場やNCAVCで捜査官として働いてから、管理官の仕事に就きます。

FBI特別捜査官になるために、視力の要件はありますか?

FBIには、すべての捜査官が満たさなければならない視力の要件があります。片目が20/20(1.0)、もう片方の目が20/40(0.5)以上の視力が必要です。

FBIプロファイラーになるには、警察や軍隊での経験が必要ですか?

FBIのプロファイラーになるために、警察や軍隊での経歴は必要ありません。FBIはさまざまな経歴を持つ人材を求めています。しかし、捜査官の志望者の中には、捜査や犯罪管理の経験を積むために警察学校への入学を選ぶ人もいます。

特別捜査官になったら、転勤が必要になりますか?

9段階の応募プロセスを終え、特別捜査官の内定を受けたら、他の拠点に移る準備をしましょう。新人捜査官は特定の都市への配属を希望することができますが、希望の場所に異動するのは50%以下です。また、特定の拠点で働き始めてから転勤を希望することもできます。FBIのプロファイラーは全員、バージニア州クアンティコにあるNCAVC本部を拠点としています。

BAUの仕事に応募するには、上級学位が必要ですか?

BAUへの応募に上級学位は必須要件ではありませんが、上級学位を取得することで、管理官の仕事を希望する、競争力の高い他の候補者たちに差をつけ、採用の確率を高めることができます。

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