非正規社員と正規社員の違いとは?各メリット、デメリットを解説
更新:2023年5月15日

契約期間や働く時間の違いで、大きく「非正規社員」か「正規社員」に分かれます。
本記事では、非正規社員と正規社員の福利厚生や給与、雇用形態別の特徴や、各メリット、デメリットを紹介します。
非正規社員と正規社員の働き方
非正規社員も正規社員も、法律上は労働契約を結んで働く「労働者」です。
一般的には契約期間が決まっておらず、労働時間がフルタイムで、働く先に直接雇用されている労働者を正規社員、他の労働者が非正規社員と呼ばれています。
厚生労働省の労働力調査によると、昨今の日本では、約7割の人が正規社員で働いており、約3割の人が非正規社員で働いています*¹。
*¹出典:総務省「労働力調査(詳細集計)」
非正規社員の働き方
非正規社員のなかには、契約社員やパートタイム、派遣社員など、いくつか呼称がありますが、共有点は契約期間が決まっている場合が多いことです。
つまり、契約期間が終了すると、就労していた職場での仕事はなくなってしまいます。もちろん契約が更新され、継続して働く場合もあります。
契約社員は、主に専門性の発揮を目的として期間を決めて働く場合が多いです。1回の契約期間の上限は原則3年ですが、高度の専門知識などを必要とする業務の場合は、上限5年まで認められています。
また、同じ雇用主との雇用契約が通算5年を超えた場合は、労働者側から無期雇用への転換を申し出ることができます。
パートタイムは、1週間当たりの所定労働時間が、職場の他の方と比べて短い労働者とされています。労働時間が短いため、業務の責任や範囲が限定されている場合が多いです。
非正規社員の派遣社員は、派遣元の会社に登録をして、仕事があるときに派遣元と雇用契約を結んで派遣先へ赴き仕事をします。毎回の契約内容によって就業場所や時間は異なり、フルタイムで働くケースもあります。
正規社員の働き方
正規社員は、期間の定めなくフルタイムでの労働が一般的です。仕事の責任は多く、業務内容も多岐にわたる場合が多いです。
しかし、昨今では、勤務地や職務の内容、勤務時間を限定した新しい正規社員の働き方も増えてきています。
非正規社員と正規社員の違い
福利厚生や待遇など、雇用形態の違いを紹介します。
雇用保険
雇用保険は、31日以上の雇用が見込まれて、1週間に20時間以上働く場合に加入します。正規社員でも非正規社員でも条件を満たせば加入します。
健康保険と厚生年金保険
健康保険と厚生年金保険は、以下の要件をすべて満たす場合は非正規社員であっても加入することができます。
週の所定労働時間が20時間以上
1年以上継続して雇用されることが見込まれること
1月当たりの給与(各種手当を含めた総支給額)が8.8万円以上であること
昼間学生でないこと
なお、令和4年10月1日より、従業員の数(会社全体の従業員の数)が101人以上の会社に勤める非正規社員の方で、上記の要件をすべて満たす場合は。健康保険と厚生年金保険の加入が義務付けられています。
福利厚生や給与などの待遇
厚生労働省「賃金構造基本統計調査*²」によると、非正規社員は時間や日数が短いこともあり、平均すると正規雇用の6割~7割の給与です。
さらに、正規雇用の賃金は年齢とともに上がっていく傾向がありますが、非正規社員の場合は、年齢による差が少なく、働き初めの20代と40代でも大きく変わりません。
*²出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
教育や管理職への昇進の違い
教育訓練の実施状況も正規社員と非正規社員で異なります。
厚生労働省の「能力開発基本調査*³」によると、職場での計画的なOJTや職場外の研修の機会など、スキルアップの機会が非正規社員は正規社員の約半数しか実施されていない現状があります。
*³出典:厚生労働省「能力開発基本調査」
非正規社員と正規社員のメリット、デメリット
次に、非正規社員と正規社員のメリットとデメリットを紹介します。
非正規社員のメリット、デメリット
非正規社員のメリットは、1つの職場や仕事に縛られない働き方ができる点です。雇用期間が決まっていたり、日数や時間が短い契約をしていたりすると、仕事とプライベートのバランスをとりながら複数の職場での労働が可能です。
また、仕事内容が限定されている場合が多いため、自分の専門性を生かしやすい働き方とも言えます。
デメリットは、雇用が不安定なところです。契約期間が決まっているので、1つの仕事が終了すると、また探さなくてはなりません。次が見つかる保証はないため、空白期間ができてしまう可能性もあります。
賃金が正規社員より低くなる傾向にありますが、業種や仕事の内容によっては、正規社委員以上の待遇とされているものもあります。
正規社員のメリット、デメリット
正規社員のメリットは、まず収入と雇用が安定している点です。社会的な信用度が高く、ローンなどの審査もとおりやすくなります。
そして、福利厚生も十分活用できる点や、研修や業務の幅の広さから成長の機会が多い点もメリットに挙げられます。
デメリットは、多くの場合フルタイムで働くため、拘束時間が長く業務量が多い点、質的に責任の重さがある点が挙げられます。
総合職で職務を限定されていない場合は、会社の都合での異動や職種変更があり、自分が望んでいない仕事もやらなければなりません。
まとめ
雇用形態は、働き方だけでなく、生活や人生設計にも大きく影響します。
昨今は、多様な正規社員の働き方や、雇用形態に関わらない同一労働同一賃金など、より、自分の状況や希望に合った働き方が選択しやすくなっています。
自分がどう働きたいか、生活したいかをよく考えてから、慎重に検討しましょう。
監修
岡崎壮史
マネーライフワークス 代表
社会保険労務士・1級FP技能士・CFP
現在は、助成金申請代行・活用コンサルとして、企業様の助成金の申請代行や活用に向けたサポート業務、金融系サイトへ多くの記事を執筆・記事監修を担当し、社労士試験の受験指導講師としての活躍の場を全国に展開している。
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