採用活動でのAIの利用に対する不安を克服するための5つのヒント

By Indeed

Indeed のResponsible Technology担当責任者が、AIツールの導入に関する懸念や不安、疑念を解消して採用プロセスを改善するための実践的なアドバイスを紹介します。

キーポイント

  • AIの導入を急ぐと大きな失敗につながる可能性がある一方、慎重に導入計画を立てることで、失敗を回避し、長期にわたって効率と効果を向上できます。
  • 人事・採用チームの意見をもとに最も大きな課題を特定し、現場の問題を解決するAIツールを選択することで、AIの導入とチームでの受け入れが成功しやすくなります。
  • 損害が生じる可能性を減らすため、運用開始前のテストや慎重なレビュー、倫理基準の遵守を通じて、AIが強化または増幅させる可能性のあるバイアスや間違いを先回りして予測し、管理することが大切です。

AIによって人材獲得の形は変わってきており、業界のリーダーは期待の高まりと同時に不安も感じています。AIの導入をためらう一般的な理由としては、バイアスや雇用の喪失、技術革新のスピードが急速であることに対する懸念などが挙げられます。AIを迅速に導入しなければ他社に後れをとることになる、というプレッシャーに直面している企業にとっての課題は、「人事・採用担当者が機運を逃すことなく、責任を持ってAIを導入するにはどうすれば良いか」という点です。 

Indeed でResponsible Technology担当Senior Directorを務めるTrey Causeyは、長年にわたり、こうした局面でうまくバランスを取りながら決断を下してきました。Causeyのチームは、AIの責任ある利用に関するアドバイスを提供し、AIモデルのバイアスを評価するツールを開発し、AIが採用活動に与える影響の統計分析を実施しています。 

「Indeed では、変革をもたらすAIの可能性に期待していますが、同じように責任あるAIの導入にも力を注いでいます」とCauseyは話します。「迅速かつ慎重に行動するというのは、一見矛盾しているように聞こえますが、両立は可能であり、極めて重要なことだと確信しています」

Causeyが担当しているような専任チームがない場合でも、適切なアプローチをとれば、採用担当者は迅速かつ責任を持ってAIを導入することができます。AIに対する不安を克服し、自信を持って新しい人材獲得のテクノロジーを受け入れるのに役立つ5つの戦略は、以下のとおりです。

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採用活動でのAIの利用に対する不安を克服するための5つのヒント 

1. 慎重に始めて加速する  

最新のAIテクノロジーの導入は競争のように感じるかもしれませんが、Causeyは焦らないように助言します。米国海軍特殊部隊の標語、「ゆっくりやれば順調に進み、順調に進めば速くなる(Slow is smooth, and smooth is fast)」を引用し、Causeyはスピードよりも意図をもって導入することが重要だと強調します。

適切な計画を立てずにツールの導入を急ぐと、チームが抱えている実際のニーズに対応できないテクノロジーを導入してしまい、新たな非効率が生まれるなどの問題が生じる可能性があります。後で大きな失敗につながるのを回避するため、AIが最大の価値を提供できる領域はどこかを理解するのに時間をかけることが大切です。

Causeyは次のように説明します。「AIツールを所有することで必要になる費用の総額を考えてみましょう。安い車を買っても結局は修理に多額の費用がかかる、という場合と同様の問題が起こり得るからです。最初から適切なツールに投資すると、その後のさまざまな問題を予防することができます」

アドバイス

  • AIによって、自社の採用プロセスが複雑になるのではなく、強化されるよう慎重に計画を立てましょう。  

2. 従業員の意見に耳を傾ける

従業員の意見をもとに仕事で直面している実際の課題を特定し、その課題を解決できるAIツールを見つけましょう。「会社には、人事と採用の専門家がいるはずです」とCauseyは助言します。「課題は何でしょうか?最も困難な仕事は何でしょうか?やりたくない仕事は何でしょうか?もっと時間をかけたいと思うのはどういう仕事でしょうか?」 

従業員の意見を集めるためのヒントは以下のとおりです。

  • チームとの面談やアンケート調査を実施し、人事・採用担当者が不満を感じている、または時間がかかり過ぎると考えている具体的な業務を明らかにしましょう。
  • 繰り返し発生する管理業務の自動化など、課題を解決できるAIツールの導入に焦点を当てましょう。
  • AIソリューションの導入後は定期的にフィードバックを収集し、ツールの効果を評価・調整しましょう。

チームにとって意味のある問題を解決できれば、テクノロジーに対する熱意を高め、従業員のやる気を引き出し、確実に自社の目標に沿ってAIの導入を進めることができます。

3. 正面からバイアスとリスクに対処する  

AIにバイアスや誤情報が含まれる可能性は大きな懸念事項であり、このようなリスクは実際に存在します。アルゴリズムの不具合が差別を助長し、間違った情報を生成し、広報活動に大きな失敗を引き起こす可能性があるのです。たとえば、カリフォルニア州にある自動車ディーラーのチャットボットが、シボレー・タホを1ドルで販売すると提示した有名な事例は、AIの過失が原因で生じた混乱として注目を集めました。 

そこでCauseyは、自社にとって「シボレーを1ドルで販売すること」にあたるのは何か、その状況を回避するために講じている安全策は何かを考えてみるよう勧めます。リスクを予測し、強固な安全策を先回りして導入することが重要だと言えるでしょう。

リスクを緩和する戦略には、次のようなものがあります。

  • 運用開始前にテストする:外部からの攻撃をシミュレーションし、弱点を明らかにするため、レッドチーム(セキュリティ対策の確認テスト)などの手段を活用しましょう。
  • AIの出力結果を確認する:AIが生成する出力結果を人の手で評価するか、別のAIモデルを使用して元のAIモデルの出力結果を評価することを検討しましょう。
  • 責任あるAIの原則に従う:公平性や透明性、説明責任を優先するガイドラインに従い、ツールを調整しましょう。

「責任あるAIの使用とは、AIの使用を避けるという意味ではありません。リスクとチャンスのバランスを取るということです」とCauseyは強調します。「本当の脅威は、AIを無視することや、むやみにAIを導入することにあります。どちらの場合も、業務を効果的に行う能力が低下します」

4. AIの強みと限界を理解する  

AIは繰り返し作業を効率化できますが、現状、共感や文化の理解を必要とする細かなニュアンスへの対応はあまり得意ではありません。たとえば、生成AIは求人内容を作成する際の助けになりますが、候補者の評価やチームの相性判断などは、人間の手で行う方が適しているでしょう。

「AIが得意なタスクと不得意なタスクを理解することは、非常に有用です」とCauseyは話します。またCauseyは、AIツールの働きについてメンタルモデル(仕組みや機能の抽象的なイメージ)を構築し、自分自身が時間を費やしたくない作業のうち、AIがこなせるものは何かを判断して、より人間の力を必要とする業務に注力できる時間を作ることを提案します。

AIの活用例  

  • 意欲的なアシスタントとして:仕事が速い代わりにミスが多いので、常に成果物の精査が必要です。
  • 文書作成の補佐役として:初稿作成やアイデア出しに適しています。
  • フィードバックをくれる相手として:提案内容の改善やプレゼンテーションの準備に役立ちます。  

AIという新しいテクノロジーを効果的に利用するには、AIが人間の代わりに意思決定を行うのではなく、人間の意思決定を補完するものだということを意識しましょう。 

5. 学習の文化を育む  

AIに対する不安は、利用機会や理解の不足に起因していることがよくあります。これを解消するためには、従業員がサポートを受けられる、安全な環境でAIツールを試用できる機会を設け、日常業務でAIを使用するモデルケースを考えてみると良いでしょう。企業の経営陣がAIの使用を奨励し、具体的な使用例を検討している姿を見せることで、従業員自身もAIの使い方を模索する可能性が高くなるはずです。 

「企業のリーダーとして最も戦略的な投資は、学習の文化を推進することです」とCauseyは話します。「学習は常に重要で、従業員の定着と成長に欠かせないものです」 

AIの学習と導入を推奨するためのヒントは以下のとおりです。  

  • 研修会を実施し、従業員にAIツールの効果的な使い方を教えましょう。
  • リスクの少ない用途で試験運用を行い、チームが失敗を恐れることなくAIの可能性を模索できるようにしましょう。
  • 理想的なAIの使い方を明確にし、従業員が自信を持って仕事でAIを活用できるようにしましょう。

従業員が業務外の時間などに自力でAIについての理解を深めることを期待しても効果はなく、やる気を失わせることになります。学習を能力開発計画に組み入れ、研修のためのリソースと時間を確保することで、学習の機会を利用しやすくしましょう。 

不安に思うのではなく、信頼する  

採用活動でAIを利用することを恐れる必要はありません。慎重で計画的なアプローチをとり、AIに対する不安を克服することで、バイアスをなくし、効率を上げ、人間中心の採用プロセスを築くことができるでしょう。 

「採用活動は人間を中心に行うものです」とCauseyは言います。「AIの目的は、このミッションに取って代わることではなく、これをサポートすることです」

免責事項:この記事で取り上げた質問や分析情報は、一般的な採用活動でのAI使用に関するものであり、Indeed や Indeed のプロダクトおよびサービスに限定した内容ではありません。また、/LEADに掲載されている情報はすべて、一般的な情報提供のみを目的としており、法的助言を構成するものでも、これを意図したものでもありません。

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