日々の求職者との対話から見えてきた、求職者が実は伝えたいこと

By Indeed

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採用における認識のずれは以前からある課題ですが、情報が交錯し、先行き不透明な今日の求人市場では、その複雑さが増しているように感じられます。このずれを解消し、求人条件に合う候補者にアプローチするには、基本に立ち返ることが重要です。 

重要なポイント

  • AIが採用のあり方を変えつつある今も、求職者が最も重視することは変わっていません。それは、企業が示す透明性と、自分という存在に気づいてもらえているという感覚です。
  • 採用企業が信頼を再構築するために、少ない労力で大きな効果が期待できる解消すべき課題が3つあります。それは、実際には募集していない求人、フォローアップ不足、画一的なアプローチです。
  • Z世代のことを正しく把握している採用企業は、仕事を個人の生活に合わせるべきであり、その逆ではないというZ世代の求職者が持っている働き方への考え方を理解しています。

キャリア支援の分野で30年以上働いてきた私は、仕事の世界が変化する様子を幾度となく目の当たりにしてきました。その経験から、何よりも自信を持って言えることが一つあります。それは、変わるものが増える一方で、変わらないものも増えているということです。 

求職と採用において重要な2つの原則があります。候補者は自分を効果的にアピールする方法を知る必要があること、そして採用企業は自社のミッションを支える人材を見つける必要があることです。この原則は、企業への忠誠が重視された時代から、2000年代のテクノロジーブーム、そしてコロナ禍後の大退職時代を経ても変わっていません。 

AIが採用のあり方を急速に変えつつある今も、これらの原則の重要性は変わりません。現在の求人市場において優位な立場にある採用企業には、採用プロセスをできる限り透明で誠実、かつ人間味あるものにする責任があります。では、実際にはどのような取り組みが求められるのでしょうか? 

Matt Berndt、Indeed Head of Job Search Academy

採用企業と求職者がお互いに相手を見つけることが難しい理由

この見出しを文字通りに受け取ると、採用をめぐる両者の溝はかなり深いように思えます。求職者は、企業が楽観的な見通しを示し記録的な利益を上げる中、採用企業は現実を見ていないと感じています。一方、採用企業は、候補者の絶望感を感じ取りながらも、給与や福利厚生を削減すると同時に生産性を高めることを要求し続けています。双方の信頼関係は崩壊しつつあります。

しかし、「採用企業対求職者」という構図は現実を単純化しすぎています。誰もが、経済的不確実性という同じ環境の中で奮闘しています。採用企業は年間の人員計画はもとより、次の四半期の計画にも不透明さを抱えています。求職者は、相反するメッセージが行き交う市場を読み解くことに苦労しています。双方の主張はかみ合わず、うまく意思疎通ができていません。

求職者と交わす日々の会話の中で、同じ話題を繰り返し耳にします。彼らは、どんな内容であっても、採用企業から何らかの反応があることを望んでいます。また、自身の将来を左右する決断を下しているのが、アルゴリズムではなく人間であってほしいと願っています。何よりも、自分の存在に気づいて欲しいのです。 

候補者からの信頼につながる、採用活動における6つの行動

長年にわたり求職者のコーチングをしてきた経験から、採用企業との間に生じる摩擦は、ほとんどの場合、解決可能なごく少数の要因に帰着することがわかりました。

1.実際には募集していない求人の削除

これは、少ない労力で大きな効果が期待できる対策です。自社の採用サイトや Indeed に掲載されている募集中の求人一覧を精査し、現状に即した内容になっているか確認しましょう。すでに候補者が絞り込まれ、採用する部署の責任者が最終選考を進めている求人については、求人を取り下げることをお勧めします。 

実際には募集していない求人の掲載は、求職者にとって最大の不満要因であり、採用企業が行いがちな最も不誠実な行動の一つです。企業としての成長をアピールする目的で募集していない求人を利用することや、まだ実在しない将来の職種に向けて候補者データを蓄積することなども、双方が不幸になる状況です。採用企業にとって、自社のブランドへの信頼を損なうだけでなく、経済のゆがんだイメージを助長することにもなります。

2. 候補者体験の向上 

Indeed Idea Centerで採用企業と仕事をしていたとき、「自社で募集中の求人のいずれかにオンラインで応募してみてください。」と勧めることがありました。すると、彼らの反応はいつも「それは無理です。時間がかかりすぎますから。」というものでした。それに対して私は、「これで求職者の気持ちがわかりましたね。」といつも答えていました。 

まずは採用データを確認しましょう。最大のボトルネックはどこにあるのでしょうか?候補者が最も多く離脱しているのはどの段階でしょうか?フォローアップに時間がかかりすぎていたり、不採用の通知も含めてまったく連絡していなかったりすることはないでしょうか? 

応募者からの次のステップに関する問い合わせが多いようでしたら、採用プロセスを見直す必要があります。優れた候補者体験は、明確な見通しを示し、求職者がありのままの最高の自分を見せられるような環境を整えることから生まれます。 

3. スキルファースト(職歴や学歴よりもスキルや能力を重視する)採用への切り替え 

曖昧な募集要項や面接での画一的な質問は、全員の時間を無駄にします。特定の学歴や経験年数などの採用基準が厳しすぎると、必要とする応用可能なスキルを持った、求人条件に合う候補者を見逃してしまう可能性があります。   

スキルファースト採用アプローチへの移行と行動面接の質問を組み合わせることで、候補者が自分の経験を語る機会が生まれます。「それまで経験したことのない問題を解決しなければならなかったときのことを教えてください。結果はどうでしたか?」などといった質問です。採用を取り巻く環境が進化し続ける中で、このような取り組みはパフォーマンスや人材定着に大きな違いをもたらすでしょう。 

社内での認識合わせも重要です。採用担当者が、本当のニーズとはまったく異なる、条件を限定した募集要項で人材を探そうとするケースは少なくありません。採用プロセスに関わる全員が解決すべき課題を明確に言語化できるようトレーニングすることは、適切な人材を採用できないことで生じるコストよりもはるかに低コストです。

4. 個別化したアプローチの工夫

採用担当者を装った詐欺メッセージやメールは、デジタル化した求人市場における、残念ながら避けられない現実となっています。候補者とのやり取りが画一的で人間味のないものであると、候補者は本当の求人とフィッシング詐欺の区別がつかないことがあります。 

最初の連絡では、候補者の経歴の具体的な内容に触れたり、採用担当者の自社での経験を率直に共有したりしましょう。こうした工夫は小さなものですが、偽りのないメッセージはやり取りに現実味をもたらします。また、採用データを分析し、どの段階で候補者が離脱しているかを確認しましょう。多くの場合、まさにその段階が人間味の欠けているところです。

5. 採用企業としての価値提案の更新

特にZ世代の求職者は、他の世代も学ぶべきと思える考え方の転換を遂げています。仕事の世界で自分の居場所を探すのではなく、「仕事は自分の人生の中でどのような位置づけにあるのか」という、根本的に異なる問いを立てているのです。これはわずかな視点の転換ですが、特に職場に占めるZ世代の割合が増え続ける中、採用企業がしっかりと認識しておくべき重要な考え方です。

求職者からは、柔軟性、安定性、成長、そしてやりがいを求めているという声を繰り返し耳にします。自社の採用企業としての価値提案(EVP)を厳しく見直してみましょう。組織が従業員に実際に提供しているものを、EVPは明確に伝えているでしょうか?さらに重要なのは、クチコミに反映されている日々の従業員体験がそれを裏付けているかどうかです。もし乖離があれば、EVPを見直した上で、従業員体験についても再考する必要があります。 

6. すべての候補者に対して最後まで対応

候補者が連絡を受け取る瞬間は、内容がどんなものであっても、待ち望んでいた瞬間です。面接への招待は喜びをもたらし、内定は人生を変える可能性を秘めています。たとえ不採用であっても、応募者の努力を認め、建設的なフィードバックを伝え、今後の連絡について案内する丁寧な不採用通知は、候補者が「自分の存在が認められた」と感じる重要な機会です。

返答がないと応募者は不満を感じ、自分の価値を疑うことになります。募集した職種のすべての応募者に返答する必要があります。それは、マナーとしてだけではありません。そのような場面での候補者への接し方は、採用企業としての価値観や、従業員にどのように向き合っているかを映し出すからです。 

人と人とが作る採用の未来 

候補者は、自分の存在を認められ、話を聞いてもらい、公平に扱われることを望んでいます。一方、採用企業は最適な人材を見つけ、できるだけ早く本来の業務に戻りたいと考えています。その両方を実現するために採用企業がまず取り組むべきことは、候補者に誠実に向き合うことです。 

高度な採用テクノロジーや洗練された企業ブランドがあふれる中で、際立つのは本物らしさです。採用プロセスにおいて、候補者を顔の見えない履歴書だけで判断するのではなく、一人の人間として見ようとしていることを伝えましょう。それこそが、採用の核心にある人と人とのつながりです。情報が交錯し、先行き不透明な求人市場において、その重要性はかつてないほど高まっています。

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Two women in an office looking at a laptop and smilling

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