異業種への転職を成功させるポイントと失敗してしまう原因や注意点を解説
転職をされる方の中には、今までとは違う異業種へ転職される方もいます。しかし、今までとは違う業種で働くことに、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、異業種への転職の実態や、失敗してしまう原因とその対処法など、異業種への転職を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。情報収集に活用できる転職サービスの正しい選び方やエージェントサービスの活用法なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
更新日:2026/05/19
目次
異業種への転職を成功させるために必須となる5つのポイント
異業種への転職を成功させるためには事前の準備や対策がとても大切です。主なポイントとして以下の5つが挙げられます。
異業種の転職では「事前リサーチ」が成功への第一歩
転職する前に無事採用された企業はどのような企業で、自分自身どのような業務に従事するのかなど、明確にイメージしておくことが異業種へ転職する際の重要なポイントとなります。仕事を始めてみたら「自分が思い描いていた仕事ではなかった……」といったようなことにならないためにも、転職を希望する企業や、その企業が属する業界についてリサーチしておくことはもちろんですが、異業種への転職を目指す場合は、希望する業種についてある程度理解しておくことが大切です。インターネットや本で調べ、実際にどのような仕事をすることになるのかイメージを膨らませましょう。知人やキャリアコンサルタントに相談するのもよいかもしれません。可能でしたら、入社前インターンを行っている企業の面接を受けてみるのも有効な手段です。
同時にまた、転職を希望している企業が、今までに異業種からの採用をどの程度行ってきたのか、過去の採用実績などを事前に確認しておくことも大切です。採用後のミスマッチを防ぐためにもしっかりとリサーチをしましょう。
また、求人に応募する前に、やりたいこと、できることなども含めしっかり自己分析をしましょう。自己分析といってもさまざまな方法がありますが、転職時の自己分析には、ご自身の強みと弱みを整理することと、今までの業務経験の棚卸しをおすすめします。これまで経験したことのない異業種への転職なので実績は不要と思われがちですが、これまでの経験が新しい業種とつながりがあり、過去の経験が役立つ可能性があります。面接官に、「●●のような大変な経験をされているならば、当社の〇〇業務も慣れればできるはず。あの▲▲の課題も解決してくれるかもしれない」と思われるかもしれません。
異業種への転職を成功させるために重要となる「志望動機の正しい書き方」
異業種への転職活動を成功させるためへの第一歩となるのが「履歴書の作成」です。希望する企業に採用されるためにはまず、書類選考を突破しなければ、その先にある企業との面接に進むことができません。
そこでここでは、転職を成功させるための「正しい志望動機の書き方」について、重要となるポイントを3つに絞り、順を追って解説していきます。
なぜこの業種を希望するのか明確に記載する
希望する企業に対し、なぜ今まで従事してきた業種とは違う業種への転職を希望しているのか、明確かつ具体的に伝えることが不可欠です。この業種に興味を持ったきっかけや、この業種で今後どんな仕事をしたいと思っているのかなど、具体的なビジョンを伝えなければなりません。また、新しい業種で、さらになぜこの企業なのかを明確に記載しましょう。例えば、「未経験者でも育つ環境がありそう」「とにかくこの業界・この企業が好き、働きたい」など、しっかり考えて記載することが大切です。
転職することで自分はどうなりたいかを明確に記載する
異業種へ転職することで、自分はどんな人材になりたいのか、どんな人材へと変わりたいのか考え、あえて今までとは違う業種への転職にチャレンジをしたいと思ったか具体的に伝えることも大切です。転職することで企業に対してどんな貢献をしたいと思っているかを具体的に記載する
転職することで、自分が企業に対してどんな貢献ができる人材なのかを具体的に伝えることはとても大切です。自分が企業に貢献できる内容と企業が求めている人材像がマッチすれば、より転職に有利となります。
自分が貢献できる内容を記載する前には、事前に応募企業がどのような人材を求めているのかをしっかりとリサーチし、自分を採用することで企業にとってどんなメリットがあるのかを頭の中で整理しておくことも重要なポイントです。
異業種へ転職する場合の「面接でアピールすべきポイント」とは?
転職活動を成功させるための重要なポイントのひとつが「面接」です。面接に進む前には、事前に面接官からどのような質問をされるのか想定し、その質問に対しての回答を考えておくことが大切です。ここでは「面接」を受ける際の重要なポイントと注意点を解説します。
「なぜこの業種を選んだのか?」と聞かれたら
応募者がなぜ異業種への転職を希望しているのか、異業種の中からなぜ当社を選んで応募してきたのかを探るため、異業種からの応募者に対して、ほぼ全ての企業がこの質問をしてきます。こういった質問に対しては、なぜ前職を辞めてまで、全く経験のない業種へ転職しようと思ったのか、しっかりとした意図を持って応募に至ったことを、面接という少ない時間の中でより分かりやすく、具体的に伝えることが大切です。
「あなたのこれまでの成功・失敗の体験を教えてください」と聞かれたら
この質問の意図は、成功体験だけを聞きたいのではなく、失敗した体験をどのように克服したのか、そしてその失敗した体験を今はどのように活かしているのかを面接官は知るためです。また、この質問には失敗を克服するだけの粘り強さと、経験をもとにする前向きな姿勢があるのかをはかる意図も含まれています。
こういった質問に対しては、成功や失敗をもとに何を学び、その体験が今どのように自分の糧となっているのかを具体的に伝えることが大切です。過去の経験は、異業種においても必ず活きます。業種が異なっても自信を持って話せるように準備しましょう。
ポータブルスキルをアピールする
異業種への転職を有利にできる重要なスキルのひとつに「ポータブルスキル」というものがあります。転職活動では「募集をしている企業が求めている人材と、転職を希望している求職者の経験やスキルがマッチすること」が転職を成功させる上で最も重要となります。
そして、異業種への転職を希望している場合、今までに積み上げてきた専門知識以外に、業種が変わっても対応できる知識やスキルを持っていることも重要です。
この「今までの職種で積み上げた専門性以外でも、業種や職種が変わっても活用することができるスキル」のことを「ポータブルスキル」といいます。
参考:厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール」
「ポータブルスキル」とは、5つのスキル「現状の把握」「課題の設定」「計画の立案」「課題の遂行」「状況への対応」をまとめた【仕事の仕方】という要素と、「社内対応」「社外対応」「上司対応」「部下マネジメント」という4つのスキルをまとめた【対人スキル】という2つの要素で定義されています。このポータブルスキルが近年注目を浴びています。
終身雇用制度の崩壊など、今までの働き方や制度が変わっている時代の中で、多くの企業では従来のビジネスモデルや働き方、雇用制度の転換が求められています。
そのような中で、限られた職務や業種でしか働けない人材よりも、業種や職種を問わず幅広い分野に適応できる人材が求められるようになっています。こういった雇用の変化から、異業種でも通用するスキルである「ポータブルスキル」を持った人材が注目されるようになっています。
異業種への転職でも十分活用できるスキルですので、こういったスキルを持っている方は、面接の際には「ポータブルスキル」を活かした実績などをアピールするとよいでしょう。
異業種の転職を成功させるための「転職サービスの正しい選び方」と注意点
この転職サービスには「求人広告型」(求人サイト)と「エージェント型」(転職エージェント)などのタイプがあり、それぞれ求職者のニーズによって、メリット、デメリットがあることを事前に理解しておく必要があります。
「求人広告型」のメリットとデメリット
「求人広告型」は、ネット広告などで多く見かける求人サイトです。「求人広告型」のメリットとして、サイトに数多くの求人が登録されているので、その中から自分にあった求人を探して応募することができます。しかし、求人の検索から応募まで、転職活動を自分一人で進めなければならず、在職中の方にとっては、働きながら転職活動をすることになるため、自身で効率的にタイムマネジメントをする必要などがあります。
「エージェント型」のメリットとデメリット
「エージェント型」は、エージェントサービスを提供している転職サービスです。サイトに登録することで、サイトを運営する企業の転職キャリアアドバイザーからサポートを受けながら転職活動を行います。メリットとしては、自分の希望する企業や業種の求人があった場合に、応募から面接にかかわる作業のサポートを受けたり、自身のキャリアについて相談したりすることができます。また、面接の日程調整や、採用後の給与の交渉などを行ってくれる場合もあります。
異業種への転職の場合は、サポートしてくれる人、相談ができる人がいることは大きなメリットです。経験のない業種へ飛び込むのですから、少しでも情報量を増やしたり、客観的にアドバイスをもらったりすることを求めるのであれば、心強い存在になるでしょう。
一方、デメリットとしては、サポートをしてくれる「キャリアアドバイザー」の力量が転職活動の成否に大きく影響する点が挙げられます。まだ経験の浅いキャリアアドバイザーが自分の担当となった場合、自分の希望する求人をなかなか紹介してもらえない場合もあります。
異業種の転職が失敗してしまう原因は何か?
異業種へ転職するということは、今まで経験したことのない業種へ足を踏み入れることです。企業からのヘッドハンティングなどで入社したのであれば、今までの経験を活かしたポストがあらかじめ用意され、転職後の働き方にもそれほどの苦労はないかもしれません。しかし、そういったケースでなく自らの意思で他業種へ転職した場合、1からのスタートとなる場合もあります。
新しい仕事環境や人間関係など、全てが順調に進むとは限りません。ようやく異業種への転職を果たしても「転職しなければよかった……」「もとの会社で働いていたほうがよかった」などといった結果にならないために、ここでは、異業種への転職で失敗する原因について解説します。
異業種の転職でよく見られる失敗例と対処法
「隣の芝生は青く見える」と言われるように、今自分が置かれている環境に満足できなくなると別の業種や会社がよく見えてしまうことがあります。そういった動機から異業種への転職を考える人も少なくありません。しかし、こういった動機から異業種への転職を果たしても、失敗に終わるケースがあります。外からはよく見えたその業種が、実際に中に入って働いてみたら自分の思い描いていたものとは大きくかけ離れていた、といった失敗例です。
このような失敗をしないためには、自分が転職したいと思った業界や業種がどういったものなのか、入念にリサーチをしておかなければなりません。
自分が転職を希望する業種や業界で長く仕事をしていけるだけのスキルが今の自分に備わっているのか、足りないものは何であるのか。最低でもこれぐらいリサーチをした上で慎重に検討することが、異業種への転職を失敗に終わらせないためにはとても大切になります。
異業種の転職で失敗してしまう人の特徴とは?
業種や職種、環境が変われば仕事の進め方も変わるのは当然のことですが、ようやく異業種への転職に成功したのに、切り替えがうまくできずに、わずかな期間で転職した職場を去ってしまう人が数多くいます。これは、前職での経験が長い人や、前職である程度のポジションにいた人に多く見られる傾向で、どうしても過去に自分が行っていた仕事の進め方に固執してしまうことが原因です。
せっかく異業種への転職を自ら希望するのであれば、過去の成功体験は一旦リセットして、一から仕事を覚えるつもりで挑むことが大切です。
異業種に転職しやすいのは何歳まで?
これまで経験したことのない異業種への転職は、新しく覚えなければいけないことも多いため、転職者にとっては大きなチャレンジになります。また、採用する企業側にとっても、未経験者は教育や育成期間が必要になり、経験者を採用する場合と比較して慎重にならざるを得ません。新卒や第二新卒を含む「20代」は、企業にとっても「これから育てられる人材」として積極的に採用する傾向にあり、この年代は、異業種への転職にも有利な年代といえるでしょう。
「30代」は、企業もある一定の経験とキャリアを積んだ人材と見られ、即戦力になる人材が求められるので、異業種への転職はやや難しくなります。
「40代」「50代」といったシニア世代では、より異業種への転職は困難になります。この年代は、どの企業においてもある一定のポジションと報酬を得ていた年代であることが多く、採用する企業としても、若い世代に比べ雇用期間がそれほど長く見込めないことと、また報酬や待遇面の保証を検討しなければならないからです。
異業種へ転職しやすい業種とは?
未経験の異業種へ転職を希望した際、採用されやすい業種は大きく2つに分かれます。1つ目は専門知識を必要とする技術系の業種、2つ目は身体を使う業務が多い業種です。
この2つの業種に共通していることは、今現在も市場のニーズが高く、これからも成長を期待されている業種でありながら、慢性的に人手不足であることです。
こういった特徴を持っている業種であるために、全くの未経験の人でも正社員として雇用されやすいのもこの2つの業種です。
では、ここからはこの2つの業種の中で、異業種への転職がしやすい業種の代表的な職業である「IT業界」と、「介護業界」について解説します。
IT業界
「IT業界」はさまざまな分野で成長を続けている業種です。ITは、今や私たちの日常において、なくてはならないものであり、今後も成長が止まることは考えにくい業種といえます。しかし、市場の拡大に必要な人材が追い付かず、慢性的に人手不足に陥っています。ITの専門知識を持ったエンジニアやプログラマーなどの求人は、さまざまな求人サイトで時期を問わず募集がされています。
そのため未経験者であっても雇用し、自社で人材を教育しながら戦力に育成していく企業もあります。専門知識を持っていなくても、この業種に興味があり、やる気さえあれば、未経験でも採用される可能性の高い業種です。
介護業界
「介護業界」も慢性的な人手不足に悩んでいる業界です。少子高齢化、高齢者の長寿化などによって、業界のニーズは高まる一方に対し、現場で働いてくれるスタッフが足りず、廃業する企業も珍しくないのがこの業界の現状です。
このため、求人をしている介護サービス企業や高齢者施設では、未経験者でも積極的に雇用をしています。介護の経験もなく無資格であっても雇用されることが多く、働きながら国家資格などを取得すればキャリアアップもできます。
異業種へ転職するメリット・デメリット
「今後も成長が期待できる業種で働きたい」「自分のキャリアをもっと活かしたい」このような理由で異業種への転職を希望する人が増えています。参考:厚生労働省発表「雇用を取り巻く環境と諸課題について」
このような雇用環境のなか、異業種への転職を希望されている方に向けて、ここでは異業種へ転職するメリット・デメリットについて解説します。
異業種へ転職するメリット
異業種へ転職するメリットのひとつに、現職では味わえない新しい仕事のやりがいを感じられることが挙げられます。例えば、現職では人事や総務関連のポストに就いていた人が、そのキャリアを活かしてキャリアコンサルタントとして異業種へ転職したり、ITセキュリティ業に就いていた人がIT製品の製造に携わる業種へ転職したりするなど、新しい業種で今まで味わえなかった仕事でのやりがいを実現できるでしょう。
また、現職で専門知識を得ていた場合、その知識を欲している異業種であれば、年収アップの可能性もあります。
異業種へ転職するデメリット
専門知識がなく、異業種へ転職する場合は、経験がないため年収が下がる可能があります。また、どんな仕事でも、「社内の人間関係が自分とどうしても合わない」「会社全体の仕事の進め方に不満を感じることが多い」といった不満を抱えることはあるでしょう。いざ業務に就いてみると「自分の考えていたものと違った」「今までの自分の仕事の進め方が全く通じない」などのミスマッチが起こる可能性があります。特に異業種の転職は、同業種の転職以上に、業界・企業の雰囲気、自身の仕事内容に変化が生じる可能性が高いです。
転職後では、新しい仕事や人間関係などで戸惑うことも多く、自分が望んでいたような仕事ができない場合もあるかもしれません。しかし、前職での経験や仕事の進め方などは一旦リセットして「1から学びなおす」といった意識を持つことが、こうしたデメリットへの対処法になります。
まとめ
異業種へ転職を希望する方に向けて、転職を成功させるポイントや失敗してしまう原因、注意点などについてご紹介しました。異業種への転職を成功させるためには、事前のリサーチと、書類選考を突破するための、志望動機の書き方がとても重要となります。
面接の際には、自分の強みや転職先で自分が企業にとってどんな貢献ができるのかアピールすることも大切です。
また、自分に合った転職サービスを選ぶことも転職を成功させる重要なポイントで、エージェントサービスの活用なども有効です。
今回の記事でお伝えした内容を参考に、ぜひ実りある異業種への転職を成功させてください。
監修者
宮田 明絵 さん
国家資格キャリアコンサルタント・簿記2級。人事系の職務に20年近く従事。人事コンサルタントとして、人事制度設計、組織調査などを担当。事業会社で人事制度の改定や、実際の運用などを行うほか、現在は、経営管理部長として、管理部全体の指揮も行っている。また、企業側の視点だけでなく、個々の視点からも物事を見ていきたいと思い、キャリアコンサルタントの資格も取得。人事にまつわる執筆なども担当している。
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