神奈川県川崎市で保育所の運営を行っている株式会社川崎優祥会。事業の開始当時、思うように人材が採用できず苦戦した川崎優祥会では、Indeedの活用とサポートで採用状況の大幅な改善を実現しました。保育所運営における人材確保のポイントと、Indeedとの取り組みについて、代表取締役の羽田正樹氏と本社保育事業部 中原美里氏(保育士資格・幼稚園教諭資格保持)に聞きました。
課題
保育園を設立するも保育士の応募がゼロ!ポスティングと紙媒体で応募を待つ半年間
川崎優祥会が事業を開始したのは2016年3月。川崎市多摩区の稲田堤に、地域保育園「優祥会さくら保育園」を設立したのがスタートでした。翌年の2017年に法人化して、株式会社川崎優祥会となり、2018年に「優祥会わかば保育園」を川崎市高津区に、2019年に「優祥会愛育保育園」を川崎市川崎区にそれぞれ開園。現在3つの保育園を運営しています。今年4月には川崎市幸区に4番目の保育園、「優祥会かしまだえきまえ保育園」を設置します。
順調に事業を展開しているように見えるかもしれませんが、最初の保育園を設立する際には、保育士や看護師の資格を持った人の応募が半年近く1件もなく、開園できるのだろうかと本当に困りました。この業界には初めての参入だったので、保育の関係者や、保育士、看護師の方々とのコネクションもありません。当時は労働保険にも加入していなかったので、ハローワークを利用することもできず、新聞の折り込みチラシやポスティングなど、紙の媒体を使って求人情報を発信し、ひたすら応募を待つという日々でした。
紙の求人媒体では、1万部で1人の応募があるかどうかというのが一般的だそうですが、何とか1名の応募があり、「優祥会さくら保育園」はスタートしました。いったん保育園ができると、その評判によって、その後の採用活動はスムーズに進むようになりました。資格を持った人が「家の近くにあって、子育てしながらでも働きやすそう」と応募してくれるようになったのです。それはそれでありがたかったのですが、課題は、応募者の多くに家庭があり、配偶者控除の範囲内で働きたい、パートタイマーとして時間を限って働きたいという希望が多かったこと。働ける時間に偏りができて、シフトがうまく組めないという弊害が生じたのです。フルタイムで働ける人の採用が、次のテーマになりました。
「データに基づいて、アイデアや改善策を提案いただけるので、成果はもちろん、納得感を持って採用活動を進めることができています」
代表取締役 羽田正樹氏,
株式会社川崎優祥会
アプローチ
インターネットへの親和性を考え、紙媒体からIndeedへ
フルタイムで働ける人は20代から30代の年代の方に多く、新聞よりもインターネットに親和性が高いだろうということで、発信手法を紙からネットに変更する必要があると考えていたところに、知人から勧められたのがIndeedでした。担当者との打ち合わせをメールで行いながら、なじみの薄いクリック単価などの料金の仕組みについて丁寧に教えていただき、採用を進めていきました。
Indeedを使った採用活動を進めるなかで、より興味を持ってもらえる求人票にするにはどうするべきかを考えていたところ、担当者から「求める人材のニーズを分析し、それに対応する自社の特徴を盛り込むべき」とアドバイスをもらいました。そこから、Indeedに蓄積されているデータを参照しながら、社員にもヒアリングを行ったところ、より強く求められているのが「給与の額」と「仕事と育児の両立」であること、そして、ここでの「給与の額」は、安心して生活ができる、という意味合いが強くあるということも分かりました。保育業界ではこれまで、施設運営による利益が現場の先生方に十分に還元されていないと感じており、「賃金が低いこと」が業界全体における最大の問題であると考えていました。
続いて、これらを解消できる自社の特徴は何か、を整理してみると、「地域内において最高水準の給与」であることに加え、「川崎市宿舎借上げ制度」や「預けながら働く制度」の採用といった福利厚生面の充実などが該当しそうだということで、求人情報に記載することにしました。
ちなみに、川崎市宿舎借上げ制度は、保育士が働きやすい環境を整備するため、保育士の宿舎を借り上げるための費用の一部を川崎市が支援するもの。「預けながら働く制度」という当社の独自施策で、保育士や看護師が働いている間、子どもを私たちの施設で預かるというものです。子どもと一緒に登園して、一緒に帰ることができます。業界には子どもは別の保育施設に預けるという、暗黙のルールのようなものがあったのですが、通勤時間のムダを省ける、物理的な距離感の近さで心の安心感が得られるなどのメリットが大きいと判断し、導入をしました。
給与水準も福利厚生面のメリットも、同じ地域にある同様の施設などの実際のデータを参照しているので内容と実際の状況にギャップはなく、それが業界的には低水準といえる離職率にもつながっていると思います。
本社保育事業部 スタッフ 中原美里氏
(2022年4月より、同月開所の「優祥会かしまだえきまえ保育園」園長先生に就任予定)
「求人の内容が魅力的だったので、Indeedから応募しました。実際に働きはじめてからも、入社前に感じたイメージ通りだったので、気持ちよく働けています」
成果
必要なタイミングで短期間での採用に加え、業界平均の3分の1以下のコストを実現!
参考ですが2019年の優祥会愛育保育園の開園に向けて、Indeedで募集をかけたところ、約2カ月で25人の応募がありました。10人を採用する予定だったので、選考ということを初めてしました。それまでは選考どころか、応募をひたすら待つという状態だったので、うれしかったですね。
2021年4月に優祥会わかば保育園が川崎市認可保育所に移行するのに伴い、常勤スタッフを5名増員した際も、約3週間で必要な数の応募がありました。当社は新たな施設の開園に合わせて、まとまった人数を採用していく形をとっているのですが、必要なタイミングで短い期間で目標の人数を採用することができています。
また、採用単価も大幅に下がり、業界的には30万円から40万円とされているところが、5万円から8万円という結果になっています。
Indeedの強みとして一番大きいと感じているのは、やはりデータです。これまで対応されてきた、さまざまな業界や職種の採用データに基づいて、アイデアや改善策を提案いただけるので、成果はもちろん、納得感を持って採用活動を進めることができています。
今後、川崎優祥会では、障がい者のための福祉施設(グループホームなど)が保育所以上に不足していることから、そこへの貢献、事業参入が目下の検討事項になっています。参入時にあたっては、新しい人材が必要になるので、その際にはIndeedのデータから、また、色々と教えてもらいたいと考えています。
企業プロフィール
株式会社川崎優祥会
神奈川県川崎市高津区坂戸3-8-2 1F
「毎日を明るく楽しく生きていく」を企業コンセプトに、川崎市内に「優祥会わかば保育園」「優祥会さくら保育園」「優祥会かしまだえきまえ保育園」「優祥会愛育保育園」の4施設を展開。保育の現状を閉鎖的と感じ、「働く」ことの主な対価である「賃金・給与」をはじめとした、業界の「当たり前」を改善しながら働く方のことを第一に考えた企業運営を行う。今後は、保育所以上に不足していると言われる、障がい者のための福祉施設(グループホームなど)の分野への貢献および事業参入を検討している。