会社を辞めたい


新卒たち

働く22卒の本音を調査

「会社辞めたい……」
そんなつぶやきが、#22卒辞めたい というハッシュタグとともにSNS上で流れてくる。

「みんな、どうして会社を辞めたいんだろう?」

そんな疑問が浮かぶとしたら、それはあなたが幸運な状況に置かれている証拠なのかもしれません。

学校を卒業し、社会人の一員となり、環境が急激に変わっていく。それまでとは違い、異なる年代や

異なる価値観を持った人たちと関わることも増えるでしょう。


就いた仕事が思ったようなものではなかったり、仕事をする中で自信を失ってしまったのかもしれません。コロナ禍の中、通常とは異なる就活や就労環境で十分なパフォーマンスが出せなかった可能性もあるでしょう。

さまざまな事情がある中、あらためて「会社辞めたい」という言葉がどのような思いを経てつぶやかれているのか、22卒にアンケートを取り、正直な声を集めました。

あなたは、会社辞めたい?

22卒アンケート

  • 調査方法:

    インターネット調査

  • 調査対象:

    2022年3月に大学もしくは専門学校を卒業した、全国の社会人の500人
    構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2023年1月27日(金)〜 2月1日(水)

1 会社辞めたいと感じてる?

  • すでに辞めた(転職した)
  • まだ辞めていないが、辞めたい
  • 辞めたくない・辞めることは考えていない
  • どちらとも言えない
4.6%
41.6%
38.8%
15.0%
時計イラスト画像

46%が「会社を辞めたいと思ったことがある」

と回答

約半数の人が辞めたいと思っていることが分かりました。厚労省の統計(※1)では、1年以内の離職率が10%超となっていますが、実際の離職率よりも多い50%近くの人が「辞めたい」と思っていることがわかりました。 ※1 新規大卒就職者の事業所規模別離職状況

2 なぜ辞めたくても辞めないの?

  • 1

    まだ就職して

    間もないから

    17.8

  • 2
    転職先が見つからない

    16.4

  • 3

    環境を変えるのが

    不安だから

    15.2

辞められない 背景画像

問1に対して「まだ辞めていないが、辞めたい」と答えた41.6%の方に対して理由を尋ねたところ、最も多かったのは「まだ就職して間もないから」(17.8%)でした。

次いで「転職先が見つからない」(16.4%)、「環境を変えるのが不安」(15.2%)となっています。

3 会社を辞めた・
辞めたい理由はなんですか?

  • 1
    給与や待遇に不満がある

    18.0

  • 2
    やりがいを感じられない

    16.6

  • 3
    会社に将来性を感じない

    14.2

虎 背景画像
会社を辞めたい理由を見ると、「給与や待遇に不満がある」(18.0%)という意見が最も多く、続いて「やりがいを感じられない」(16.6%)「会社に将来性を感じない」(14.2%)といった会社や仕事そのものへの不満によるものが上位を占めました。

4 仕事の悩みや愚痴などを
言いたいときどうしますか?

  • 1
    家族やパートナーに話す

    36.4

  • 2
    友人に話す

    29.2

  • 3
    職場の同期に相談する

    11.8

辞めて何をしたい 背景画像

約7割が「家族やパートナー」(36.4%)「友人」(29.2%)「職場の同期」(11.8%)と、身近な存在へ相談する傾向が高いことが判明しました。

「SNS上に書き込む」と回答した方は5.6%となり、SNS上で見られる投稿は全体のほんの一部でしかないことが分かります。

5 新卒入社した企業は、
就職活動時にどの程度の志望度でしたか?

  • すでに辞めた(転職した)
  • まだ辞めていないが、辞めたい
  • 辞めたくない・辞めることは考えていない
  • どちらとも言えない

第一志望群の企業で、希望する職種に就けた(44.8%

3.6%
26.8%
52.2%
17.4%

第一志望群の企業だが、
入社後に希望する職種には就けなかった(9.2%

8.7%
56.5%
26.1%
8.7%

第一志望群の企業ではないが、
希望する職種には就けた(19.4%

1.0%
51.6%
40.2%
7.2%

第一志望群の企業ではなく、業界も異なる企業だった(6.2%

9.7%
48.4%
29.0%
12.9%

企業としても業種・職種としても
全く希望していなかった(6.2%

3.2%
61.3%
12.9%
22.6%

そもそも希望する企業や業種・職種などが無かった
(やりたい仕事が無かった)(14.2%

8.5%
53.5%
18.3%
19.7%

約4割の人が「希望する職種に就けた」と答えている。

また、「第一志望の企業だが、入社後に希望する職種には就けなかった」(9.2%)、いわゆる“配属ガチャ“に外れたというコメントも寄せられました。

さらにそれぞれの項目毎に「すでに辞めた/まだ辞めていないが、辞めたい/辞めたくない・辞めることは考えていない/どちらとも言えない」のいずれに当てはまるかの内訳を見るとこのような内訳になりました。

6 今の仕事以外で
やりたい仕事はありますか?

ある38.6%
ない50.6%
10.8%
あったけど
諦めた

今の仕事以外にやりたい仕事が「ない」と答えた方が50.6%と、半数を上回る結果となりました。

「あったけど諦めた」(10.8%)という意見も見られました。

7 転職をするならば、
何を重要視して転職をしますか?

  • 1

    給与や待遇・福利厚生

    が改善できる

    29.0

  • 2
    人間関係の良好さ

    14.4

  • 3
    仕事量や残業が少ない

    14.2

転職の決め手 背景画像

約3割の方が「給与や待遇・福利厚生が改善できる」という面を重視して転職をすると回答。

続いて「人間関係の良好さ」(14.4%)や「仕事量や残業が少ない」(14.2%)などの環境要因を重要視する傾向が見られます。

まとめ 辞めてもいい?
辞めなくてもいい?

まとめ 背景画像
アンケートの結果はどうでしたか?
同年代の方の中でも、共感を覚える人もいれば、違和感を覚える人もいることでしょう。働いてみて初めて「やりたいこと」が何なのかわかったり、必要な給与や福利厚生に気づいたり、ということもあるのかもしれません。
とはいえ、十把一絡げに「新卒」とくくって集計してしまうだけでは、本音が見えてこない部分もあるでしょう。なので、#22卒辞めたい と感じている方4名にインタビューを行い、具体的な出来事や本音を聞いてみました。
それでは、4つのケースを見ていきましょう。

会社を辞めたい/
辞めた22卒インタビュー

「やめたい22卒」アカウントを持つ22卒のみなさんへ、実際にインタビューしました。

あなたは、なぜ会社をやめたいのですか?
ぶらうんさんアイコンぶらうん

管材商社

営業職として配属されたが、任される仕事は荷物運びなどのアルバイトのような仕事ばかり。刺激を求め、休日は本格的な俳優活動を開始。
さなさんアイコンさな

元:人材派遣会社

ショッピングセンターのインフォメーションスタッフとして配属されたが、キラキラしたイメージとはかけ離れた仕事内容と環境に嫌気が差し退職を決意。
SさんアイコンS

IT企業

システムエンジニアとして入社。未経験で飛び込んだ業界だったが、サポート体制が整っておらず、現在は抑うつ状態になり求職中。
そらさんアイコンそら

元:営業代行会社

電話営業の部署に配属されたが、自身のHSP気質と営業の仕事が合わず2週間で退職。現在は自分に合ったアルバイトで生計を立てている。
「就活時に想像していた業務と違った」「自身の特性と業務の相性が悪かった」「社内の教育体制に合わなかった」など、辞めたいと思う理由は多様です。
もしかすると、新卒入社であろうと中途入社であろうと、すべてに満足できる環境と出会えることは非常に稀なのかもしれません。人によっては、新しい環境に飛び込むことに対して、不安を感じてしまう可能性もあるでしょう。

そんな不安を少しだけでも払拭できるよう、ここからは、新卒入社の会社を辞め、現在では異なる仕事に就いている先輩たちのエピソードをご紹介します。今活躍している先輩たちは、どのように新卒時代を感じ、どう思って次のステップに進んでいったのでしょうか?これらのエピソードが、キャリアに悩む方々の今後のヒントになることを願って。

会社を辞めた
先輩たちインタビュー

あの人もこの人も、かつては会社をやめたかった。

さまざまな業界で活躍する7人の先輩たちにインタビューしました。

あなたは、なぜ会社をやめたかったのですか?
えっちゃんさんアイコンえっちゃん

新卒:エンタメ系IT企業


現職:YouTuber

16卒/「ボンボンTV」や「えっちゃんねる/悦子」で活躍するYouTuber。卒業後は学生時代からインターンで働いていたエンタメ系IT企業に就職。社員YouTuberとして3年勤務後、独立。
カツセマサヒコさんアイコンカツセマサヒコ

新卒:大手印刷会社


現職:小説家

09卒/2020年『明け方の若者たち』で小説家デビュー。新卒で入社した印刷会社では、希望していなかった総務部へ配属。5年勤務後、ライターとして編集プロダクションに転職。
竹本萌瑛子さんアイコン竹本萌瑛子

新卒:大手IT企業


現職:フリーランス

19卒/ライター、モデル、SNSマーケターとマルチに活躍するフリーランス。新卒で入社した大手IT企業ではWeb広告のマーケティング職として2年半間勤務後、転職。
夏生さえりさんアイコン夏生さえり

新卒:出版社


現職:ライター

14卒/エッセイ、ショートストーリー、脚本、コピーライティングなど、文章にまつわる活動を行なうフリーライター。新卒で入社した出版社を1年ほどで退職し、転職。
なつぴなつさんアイコンなつぴなつ

新卒:マスコミ


現職:人材業界

20卒/アイドルグループ「学歴の暴力」のメンバーとして活躍する傍ら、会社員として働く高学歴女子。大学院卒業後はマスコミ関連の仕事に就き2年半勤務後、転職。
ニシキドアヤトさんアイコンニシキドアヤト

新卒:大手家電量販店


現職:ライター

09卒/「宮迫チャンネル」に出演していたフリーのWebライター。高校卒業後、新卒で入社した大手家電量販店で7年ほど勤務後、上京とともに転職。
マキヤさんアイコンマキヤ

新卒:コールセンター


現職:DX支援企業

14卒/たまに記事を書く、編集やSEOの仕事をしている会社員。新卒で入社したコールセンター関連のブラック企業で3年半勤務後、転職。

多くの人は、大人になると仕事をしなくてはいけません。人生の多くの部分を、仕事に費やすことになります。

しかしながら、「毎日楽しく働ける」というのは、とても稀で、とても幸運なことかもしれません。楽しいと思う瞬間もあれば、辛いと感じる瞬間もあるでしょう。

今、仕事が辛いと感じている理由も、それぞれの個性に基づくものであったり、入社した環境に依存するものであったりと、人によってさまざまだと思います。 一方で、もしかすると、今は仕事が楽しくなくても、もう少し頑張ってみることで「やりがい」を見出すこともあるかもしれません。また、転職をすることで、より自身に合った天職にめぐりあえる可能性もあると思います。

人生はとても複雑ですし、さまざまな「縁」や「運」によって左右されることもあると思います。 しかしそれだけではなく、長い目で見れば、新卒時の経験からキャリアを積み重ねていった結果、「本当にやりたいこと」や「得意なこと」が見つかったり、結果的に学生の時に考えていた「元々やりたかった仕事」にたどり着いたりすることもあるでしょう。

この特集が、新卒入社の方々だけでなく、転職を検討している方や人材育成を担う先輩社員にも届き、そして、より多くの人が、より良い仕事に巡り合うことで、より楽しい人生へと繋がっていくための、ささやかなヒントとなることを願っています。