面接の逆質問は何を言えばいい?回答例や注意点について解説

面接の場で多く見られる「逆質問」のシーン。いざ「何か質問はありますか?」と聞かれて、困惑してしまったり、慌てて答えたことで突拍子のないことを口走ってしまったりしたことがある方は多いのではないでしょうか。唐突にその場でふさわしい質問内容を考えるのは難しいので、事前に質問する内容を準備しておくことをおすすめします。

この記事では、転職面接の場にふさわしい逆質問の回答例や、答える際の注意点について解説します。
更新日:2026/05/21

面接で「何か質問は?」と逆質問されるのはなぜ?

新入社員の面接でも、中途採用の面接でも、「何か質問はありますか?」といった質問をされるケースは非常に多い傾向にあります。

実際、面接の場面では企業の多くが逆質問をしている状況であり、全体の7割以上が逆質問をしたことがあるといったアンケート調査も存在します。

面接といえば、企業側が応募者の人となりや、これまでの経験、スキルなどについて質問する場ですが、一体なぜ、逆質問をするのでしょうか。まずは、面接担当者が応募者に「何か質問は?」と逆質問する理由について解説します。
【図版】逆質問をする理由

応募者がきちんと準備してきたかを確認している

企業が逆質問をする理由として、まず挙げられるのが「応募者がきちんと面接に向けて準備をしてきたのかを確認する」ことです。

逆質問をされて、とっさに返答できる方は少ないもの。スムーズに逆質問をするためには、面接までにどのように回答しようかを考えたり、ふさわしい逆質問のために情報収集をしていたりする必要があります。

逆質問だけで、応募者がどれだけ情報収集を行い、面接に挑んできたかを確認できるといっても過言ではありません。仮に応募者が逆質問で戸惑うようであれば、「面接の準備が不足している」と判断される場合が多く、採用に影響を及ぼすこともあります。

裏を返せば、きちんと逆質問ができれば、中途半端な気持ちで面接に来たわけではないことのアピールにもつながるので、応募者にとってはメリットの多いものといえるでしょう。

応募者・企業のギャップの確認のため

逆質問は、応募者と企業との間にあるギャップを確認するためのものでもあります。

いざ入社してから、「思っていた企業ではなかった」と応募者が感じたり、「想定していたような人材ではなかった」と企業が困惑したりするケースは珍しくありません。

応募者と企業のギャップは早期離職につながるので、働く側・雇う側それぞれにデメリットがあります。特に、企業側としては、採用に時間やお金などさまざまなコストがかかっているので、せっかく確保した社員に離職されるのは避けたいのが本音。企業側のさまざまな事情により、ギャップを埋めるために逆質問の時間を設けることが多いのです。

会社に対する関心度を確かめるため

逆質問の内容で、会社にどの程度関心があるのかを図れることから、面接の場では逆質問の時間をとることが多い傾向にあります。

採用側としては、やはり自社に関心を寄せてくれている応募者を優先的に採用したいといった狙いがあります。積極的にその企業について情報収集をしていることが分かれば、関心の度合いが高いことも明らかで、採用者を絞る際の判断材料になるのです。

実際、応募先の企業のホームページを確認してみると、ふと気づくことや疑問に感じることなどがあるかもしれません。また、企業のホームページ以外でも、メディアでの取材記事や社員の出演番組(動画等も含む)などでも、逆質問につながるヒントを得られることは多くあります。

どのような形で情報収集をするにせよ、会社に対しての関心度合いが分かることから、逆質問が設定されるケースは珍しくありません。

面接における逆質問のメリット

面接で逆質問の際にどう質問すべきか困惑したり、緊張したりしてしまう方は少なくありません。しかし、適切に質問できれば、むしろ応募者にとって大きなメリットとなります。

面接における逆質問には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
【図版】逆質問のメリット

志望した強い意思をアピールできる

どのような質問を投げかけるかで、「この企業にどうしても入社したい」という意思をアピールできます。特に、一般的に知られておらず、自ら調べないと得られないような情報に関する質問は強いアピールになるでしょう。

応募先企業のホームページをチェックしたり、これまでに掲載されたメディアでの取材記事に目を通したりすることはもちろんのこと、口コミや評判、クライアントの声などもできる限り情報収集すべきといえます。

しっかりと情報収集した上で、疑問に感じたことを質問できれば、本当にその企業に入社したいという強い意思が伝わるもの。面接担当者からも評価が高くなるので、逆質問対策は徹底することが大切です。

質疑応答で不足していたことを話せる

逆質問のメリットとして挙げられるのが、質疑応答ではきちんと伝えられなかったことを、逆質問を通して話すことができます。

面接を振り返ったとき、「もう少しきちんと説明したかった」「伝えたいことが十分に言えなかった」というときには、逆質問の場を使って、あらためて持ち出してみるとよいでしょう。

例えば、自分の経験をうまくアピールできなかったと感じたら、「私は前職で○○職として△△の業務に従事しておりました。この経験を活かせるシーンはどのようなときでしょうか」といった質問の方法があります。自分についてアピールしつつ、しっかりと質問ができれば、質疑応答の不足をカバーしながらも逆質問対策になります。

自分の不安を解消できる

入社するにあたって懸念点がある場合には、逆質問は不安解消の場となります。「自分のやりたいポジションに就けるのか」「希望する職務に携われるのか」など、あらかじめ知っておきたいことがあれば、逆質問は貴重な時間です。

自分の不安を面接の場で解消しておくことは、入社後のギャップで苦しむリスクを回避できますし、企業との認識のズレも早い段階で発見できるので、双方にとってのメリットともいえます。

面接での逆質問時の質問例

逆質問でどのような質問をするのかは人それぞれですし、質問内容は自由です。しかし、選択する質問次第で、評価は大きく異なるものです。印象が良くなる回答例をチェックしておきましょう。
【図版】印象が良くなる逆質問の例

長所をアピールしたいとき

「何か質問はありますか?」と質問されたとき、選ぶ内容次第で長所をアピールすることができます。貴重な時間をしっかり活用して長所を相手に印象づける逆質問をしたいときには、以下のような回答がおすすめです。

「私はチームで連携して仕事を進める能力に長けているのですが、配属先ではどのような職務を任されるのでしょうか」

「前職では、指導役やリーダーの立ち位置にいることが多かったのですが、入社後にこの経験を活かせそうな場面はありますか」

「マーケティングや営業など前職では多岐にわたる経験をしてきたのですが、御社でこの経験を活かせるとしたらどのような場面でしょうか」

まずは、自分のスキルや経験についてのアピールで前置きをしてから、それに関連する質問をするのが基本です。きちんと前置きをすることで、その後の質問の意図が分かりやすくなります。

とはいえ、前置きとしてのアピールが長すぎてしまうと、逆質問への回答ではなく、単純に自己アピールの場になってしまうので注意が必要です。あくまでも「自分が質問をする場であること」を前提として、逆質問しましょう。

やる気をアピールしたいとき

逆質問の場はやる気をアピールするための時間にもなります。「この会社で働きたい」といったやる気をアピールしたいときには、入社後の自分の立ち振る舞いに関する質問がおすすめです。

「入社後はとにかく自分なりにできることを見つけ、頑張っていきたいと思っています。御社ではどのような評価制度を採用していますか」

「御社ではどのような方が成果を出しているのでしょうか」

「御社に入社した後、壁となりやすいのはどのようなことでしょうか」

採用が決まったわけではないものの、もし入社できたらどのような働き方ができるのか気になるという方は少なくありません。特に、その企業に勤めたいという気持ちが強い方であれば、「入社したらどうなるのか」は知りたいところでしょう。

逆質問の際に入社後に関する質問ができれば、自社で働くことについて前向きに考えていることを印象づけることにつながります。

ギャップを確認したいとき

企業側と応募者側に生じてしまうギャップを確認したいと考えている方は多いでしょう。

ギャップは、仕事のモチベーション低下につながるだけではなく、離職率にも影響します。長く勤めることを前提に転職先を探している方にとって、ギャップの確認は必要不可欠です。逆質問のタイミングを使ってギャップを確認する際には、以下のような質問がおすすめです。

「いずれは御社の事業の○○に従事したいと考えておりますが、それを任せていただけるようなチャンスはありますか」

「御社から見て自社の改善すべき点や、問題視されている部分などはありますか」

「御社で評価されやすいのはどのような働きぶりをしている方ですか」

入社してから「もっと社員に耳を傾けてくれる会社だと思ったのに……」「前の会社ではこの頑張りで評価されたのに、新しい会社では全然評価されない……」など、想定外のギャップに悩まされることがあります。

入社後にギャップで悩まないためにも、逆質問のタイミングで自分の理想の働き方ができるのか、企業としての課題は何であると感じているのかなどを質問してみることがおすすめです。

面接でNGの逆質問とは

面接シーンで多い逆質問ですが、「何か質問は?」と聞かれたからといって、どのような質問をしてもいいというわけではありません。

質問する内容によっては相手に失礼となってしまう場合がありますし、印象が悪くなってしまう質問もあります。

具体的に、どのような内容が面接でNGとなるのでしょうか。
【図版】面接でNGの逆質問

「特になし」と答える

逆質問の場において、最もNGといえるのが「特になし」といった回答です。

「特になし」という回答は、相手の会社に対して興味がないといった印象を与えてしまいます。実際、企業ホームページの閲覧、面接での質疑応答などでは、応募先企業の全てを知ることはできません。特に、内部の事情や自分が入社した後のことなどは、インターネットで検索してもヒットするものではないため、必然的に疑問が生じるものです。

それにも関わらず「特にありません」と回答してしまうと、「うちの会社にそんなに興味がなさそう」「うちの会社について調べていなさそう」といったイメージにつながってしまいます。

応募先企業に思わぬ誤解を与えてしまうことにもなりかねないので、逆質問の場で「特になし」と答えるのはNGです。

調べれば分かることを聞く

企業のホームページに書かれていることを、面接の場で質問するのは失礼にあたるため注意しましょう。

例えば、「企業理念は何ですか?」「どれくらいの従業員が働いていますか?」「会社の規模はどの程度ですか?」など、調べれば分かることを質問すると、面接担当者としては「調べればいいのに」「ホームページを見ればいいのに」と感じるのが本音です。

調べれば分かることを聞くことは、企業の情報収集が不十分であるということを露呈してしまうことでもあり、面接ではマイナスポイントとなってしまいます。

質問を考える際には、きちんと企業についてリサーチした上で疑問に感じたことをピックアップしましょう。

応募先について理解不足な質問をする

「何か質問はありますか」と聞かれたときに、注意したいのが応募先についてきちんと理解していないまま質問をすることです。

応募先の企業が募集している職務や業種、事業内容など、正しく理解していないような質問はNGです。例えば、営業職を募集しているにも関わらず「事務として働くことはできるのか」といった質問や、広報関連の部署に応募しているのに、「マーケティングのスキルを活かしたいが可能であるか」などを聞くことは、面接担当者を困惑させてしまいます。

特に、求人に記載されていた応募要項に関する勘違いや、認識の誤りによる質問は、失礼にあたるので気をつけましょう。

条件に関する質問をする

面接での逆質問で避けたほうがよいのが、条件面に関する質問です。

福利厚生や年収、休日などの条件面は、働くにあたって気になる項目であることは確かです。仕事のモチベーションにつながりますし、ワーク・ライフ・バランスを重視したいときには必要な情報といえます。

しかし、条件に関する質問をすると、条件面を目当てに志望していると勘違いされるリスクがあります。

面接担当者に良い印象を与えたいのであれば、仕事内容や社内風土、入社してからの働き方など、前向きな質問をすることをおすすめします。

抽象的すぎる質問

「私が配属される現場の雰囲気について教えてください」など、抽象的な質問は面接担当者が答えにくいので避けたほうが無難です。一口に雰囲気といっても、人間関係のことなのか、仕事の忙しさのことなのか、職場の清潔感に関することなのか、など分かりづらいものです。

また、抽象的な質問は、「思いつかなくて苦し紛れに出てきた質問」といった印象にもなりやすいので注意しましょう。

逆質問の場では、「どのような人が働いていますか」「コミュニケーションは活発ですか」など具体的な内容に絞ったほうが面接担当者は答えやすい上に、「的を射た質問ができる人」といったイメージにもつながります。

質問する数が多い

逆質問はアピールの場になったり、不安やギャップの解消になったりとさまざまなチャンスのタイミングでもありますが、だからといってたくさん質問をすると予定時間を過ぎる可能性があります。

そのため、逆質問の場での質問は多くても3つまでを限度としましょう。ただし、あらかじめ3つに絞ってしまうと、質疑応答の場ですでに用意した質問の回答が得られてしまう場合があります。場に応じて選べるように、逆質問の場に備えて5~6つほどの質問を用意しておくとよいでしょう。

面接担当者の立場では分からない質問をする

逆質問の場では、面接担当者の立場では分からない質問をすることは避けましょう。

面接担当者は、あくまでも応募者の人となりやスキル、会社とのマッチング性などを判断する役であり、企業の全てを把握しているわけではありません。立場上、現場の仕事については把握していないこともあるので、質問する内容には十分注意を払う必要があります。

例えば、面接担当者が人事担当者であるにも関わらず、製造現場の雰囲気について質問すると、答えることができず困惑させてしまうことがあります。

相手の立場をきちんと考慮した上で質問をすることが、逆質問の場でのマナーとなるので注意してください。

まとめ

逆質問は、いざ聞かれると緊張しますし、どんな質問をすればいいのか悩んでしまいがちです。また、質問の内容次第で応募者の印象もガラリと変わるので、質問の内容は慎重に選ばなければなりません。

しかし、逆質問はきちんと備えておけば、自分のアピールの場になりますし、不安に感じていたことを解消できるシーンにもなります。場合によっては、採用につながることもあるので、逆質問の場はチャンスととらえて対策をすることが重要です。

面接という貴重な時間を有効活用するためにも、きちんと情報収集をした上で事前に逆質問での返答を考えておきましょう。
監修者
粕谷 麻衣 さん
キャリアコンサルタント兼ライター。求職者のサポートとして、キャリアカウンセリングや面接対策、履歴書の添削などの支援を行いながら、キャリア系コラムの執筆を手掛ける。自身のシングルマザーとして生活してきた経験を活かし、子ども食堂等でひとり親世帯向けに求人案内やカウンセリングなどのボランティアも実施している。

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