初めての転職を成功させる履歴書の書き方とは?採用担当者の心をわしづかみするためのポイント
転職が初めての場合、「履歴書をどう書けばよいか、覚えていない」という方も多いのではないでしょうか。注意しなければならないのは、新卒採用時に提出した履歴書とは、書き方は同じではないということです。初めての転職を成功させるための履歴書の書き方のポイントを解説します。
更新日:2026/05/14
あらためて履歴書の基本を知る
まずは、新卒時にも作成した履歴書も含め、その意義や記載事項のほか、形式・サイズなどの履歴書の基本を確認していきましょう。履歴書の意義
採用担当者は、応募者がどのような人なのかを知る必要があります。履歴書はその基本情報を確認するものです。アルバイトの求人では履歴書が不要なこともありますが、正社員の求人では、転職時の職務経歴書の提出のみを求められる場合などを除き、一般的に履歴書の提出は必須とされています。応募者が多数いるような場合、履歴書に記載されている基本情報で選別されることもあります。つまり、履歴書は採用試験の第一関門ということになります。その意味で、就職活動において重要な提出書類であり、決して手抜きをしてはいけません。
履歴書の記載項目
履歴書は、JIS規格の様式を厚生労働省が推奨してきたこともあり、一般的な提出書類として使用されていました。しかし、JIS規格の様式は2020年に日本規格協会が削除したことから、厚生労働省はこれに代わる新たな様式を作成し、公開しています。今後、使用される履歴書の記載項目は、この厚生労働省の様式のものが基本になるでしょう。新しい様式の記載項目は、以下になります。
- ① 日付
- ② 氏名・生年月日・性別
- ③ 現住所・連絡先
- ④ 証明写真
- ⑤ 学歴・職歴
- ⑥ 免許・資格
- ⑦ 志望動機、特技、アピールポイントなど
- ⑧ 本人希望事項
また、従来のJIS規格には、「配偶者」「扶養家族数」「配偶者の扶養義務」「通勤時間」がありましたが、厚生労働省の様式にはありません。
出典:厚生労働省「履歴書様式例」
履歴書の形式・サイズ・入手方法
コンビニや文具店で市販されている履歴書には、A4サイズ(210ミリ×297ミリ)とB5サイズ(182ミリ×257ミリ)の2種類があります。指定がなければ、A4、B5のどちらでも構わないことになります。しかし、記入スペースはA4サイズのほうが広いため、志望動機、特技、アピールポイントなどは、しっかりと記入することができます。
また、志望先では、応募者の書類をまとめて管理しています。ビジネス関係の書類は、現在、A4サイズが一般的であることを考慮すると、A4サイズを利用するほうが好ましいといえます。
転職の場合、履歴書と共に送付状と職務経歴書を同封することがあります。送付状と職務経歴書には一定の規格はありませんが、A4サイズで作成し、クリアファイルに挟んで送ることをおすすめします。
なお市販のものではなく、厚生労働省からダウンロードしたものや、パソコンで自作したものをプリントアウトして利用することも問題ありません。
新卒時と転職時の履歴書の違いとは?
厚生労働省のフォーマットでは、新卒と転職の際の履歴書の記載欄は同じですが、記載する内容は異なってきます。新卒の就職と転職の違い
まず当然のことながら、新卒採用の場合は「学歴・職歴」欄の記載事項は学歴だけになりますが、転職の場合は職歴も記載することになります。転職時の履歴書で意識すべきこと
次に、新卒時と転職時では、採用する企業側が求める人材像が異なるため、意識すべきことも異なってきます。企業等の採用手法に関する調査研究事業報告書(平成31年度厚生労働省委託事業)では、中途採用における採用ニーズを次の3区分に大別しています。
- ① 現場を支える人材
- ② 将来の幹部層を想定した基幹職であるコア人材
- ③ 法務・人事・経理等のコーポレート職の専門職や、専門的な技術職としてライン職とは別に高度な専門性発揮を期待する専門人材
参考:厚生労働省「企業等の採用手法に関する調査研究事業報告書(平成31年度厚生労働省委託事業)」
採用担当者は、企業が求める人材像に応じて、これらの要件を満たしているかを履歴書上の「職歴」から確認します。つまり、転職の履歴書で職歴を書く際は、企業側が何を求めているのか、言い換えれば何を求められているのかを十分に考えて記載することが大切です。
転職用の履歴書の書き方
実際に転職用の履歴書を書く際のポイントを記載項目ごとにみていきましょう。日付、氏名、印鑑、住所、証明写真、連絡先などの欄
① 日付
原則として、日付は作成した年月日ではなく、提出する年月日を記載します。提出するつもりで日付を入れたところ、実際の提出が遅れてしまうこともあるでしょう。もし企業側が受け取った日と記載されている日付があまりにも離れている場合、応募者の意欲が疑われてしまうおそれがあります。理想は、作成した日に提出することですが、記載事項を確認するなどで時間を要することが分かっている場合、数日後に提出することを想定し、その日付にするとよいでしょう。
表示形式は西暦、和暦のどちらでも構いません。ただし、履歴書の「学歴・職歴」欄などの形式と統一しておくことが大切です。
② 氏名・生年月日・性別
性別については、新しい厚生労働省の様式では記載は任意とされています。氏名の「ふりがな」欄には、平仮名で、漢字の苗字と名前の位置に合わせて書くと見栄えがよくなります。先に漢字で書くと位置を合わせやすくなります。
押印については、1997年に定められた「押印見直しガイドライン」において、「押印を求める必要性や実質的意義が乏しく、押印を廃止しても支障のないものは廃止し、記名のみでよいこととする」とされています。履歴書もその一例として挙げられており、使用する履歴書様式に押印欄がなければ、特に押印する必要はありません。しかし、市販されている履歴書様式によっては押印欄があることがあり、この場合は押印します。また、印鑑はスタンプタイプではなく、朱肉を使用する認印にしましょう。
生年月日の西暦、和暦の記載についても特に規定はありませんが、履歴書全体でどちらかに統一しましょう。
③ 現住所・連絡先・電話番号
現住所は、生活の本拠地となる現在、居住している場所です。帰省している場合など、現住所以外に連絡を希望するときには連絡先も記載します。住所は都道府県から記載し、「ふりがな」欄は番地や部屋番号の前の部分までを書きます。
厚生労働省の様式では、「電話」欄となっていますが、現在のビジネスシーンでは携帯電話とメールが主流で使われていますので、携帯番号、メールアドレスも記載しましょう。
④ 証明写真
応募者が多い場合は、証明写真の第一印象で選別される可能性もあります。特に営業職や接客業で応募する場合は、証明写真を軽視してはいけません。履歴書の証明写真のサイズは、通常、縦40mm×横30mmです。履歴書には貼付欄がありますので、その位置に合わせてズレないよう貼付する必要があります。また、撮影日から時間が経過し、髪型や顔の印象が大きく変わっている場合は、写真を撮影し直して使用しましょう。
写真の背景色は、通常、白・青・グレーが基本です。
学歴欄
学歴欄は、どの課程から記載するかは特にルールがありません。中学校までは義務教育であるため、それ以降の高校入学以降から記載するのが一般的です。学校名については、「◯◯高校」など略称ではなく正式名称で、「〇〇市立〇〇高等学校」「私立〇〇高等学校」のように、公立か私立かも含めて明記しましょう。大学の場合は、大学名と学部名だけでなく、学科・専攻までが記載事項になります。また、入学と卒業はそれぞれ分けて書きます。
なお、転職の場合、高校入学からかなり時間が経過しているため、入学・卒業年を間違えてしまうこともあるので、よく確認してから記載しましょう。
また、大学などを中退している場合に「卒業」と記載すると、経歴詐称に問われることになります。せっかく転職しても発覚すれば解雇されることもあるため、「家庭の事情により中途退学」のように、きちんと理由も付記して正確に記入しましょう。
職歴欄
職歴欄は、転職の場合の最も重要な記載欄です。採用担当者は、職歴で企業が求める人材要件を満たしているかを確認します。職務欄には、会社名、所属、担当職務などを記載します。ただし、役職、仕事内容、実績などの詳細な職務経歴は通常、職務経歴書に記載するため、履歴書に詳しく書く必要はありません。企業が求める人材ニーズを把握した上で、ポイントを絞って記載しましょう。
厚生労働省の様式では、「学歴・職歴」欄は2枚目にまたがっていますが、無理に詳細に記載し、2枚目まで書く必要はありません。そして学歴・職歴を記載した最後の行の次の行は、「以上」で結びましょう。
免許、資格欄
免許・資格欄も職歴欄と同様、採用担当者が求める人材要件を満たしているか確認するための重要な項目です。記載する免許・資格は、何でも書けばよいというものではなく、転職先の募集業務に関連する資格を記載します。例えば、主に自動車で移動することが多い会社の営業職であれば普通自動車免許、IT技術者であれば関連するIT系の資格は不可欠です。特に前職で在職中に免許・資格を取得しているような場合、働きながら勉強し、資格を取得したことがプラスに評価されますのでアピールするとよいでしょう。
ただし、応募する事業や業務に直接、関連するものではなくても、国家資格であれば書く意味はあります。例えば、TOEICなど語学系の資格も一般的にビジネスで活用できるレベルとされる600点以上であれば、記載する価値はあります。実用英語技能検定であれば、2級以上は同様です。
MOS(Microsoft Office Specialist)などのパソコン関連の認定資格なども取得していれば記載しましょう。日常業務でパソコンが不可欠な現在、パソコンの操作に不慣れではないことの証明になるため、書くべき資格といえます。
書き方は、免許・資格の取得順に正式名称を記載します。
そのほか、日本酒検定や剣道・空手などの有段者であることなど、趣味やスポーツの資格は、免許・資格欄ではなく、次の「志望動機、特技、アピールポイント」欄で触れればよいでしょう。
志望動機、特技、アピールポイント欄
この記載欄で中心となるのは、志望動機とアピールポイントです。特に転職の場合、現職または前職の仕事内容が記載された職歴欄の内容と連動し、採用担当者が一読して採用するメリットがあると判断してくれるかがポイントになります。詳細は、職務経歴書に記載するため、ここでは簡素に要点をまとめればよいでしょう。
本人希望記入欄
厚生労働省の様式では、「特に給料・職種・通勤時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」と付記されています。しかし、ここで本音を正直に書くのは、控えたほうがよいでしょう。日本では、コミュニケーションにおいて自己主張を避け、はっきりとものを言わない、本音と建前を使い分けるという文化があります。ことの良し悪しは別として、選別の第一関門で明示することにはリスクがあります。ここでは、「貴社の規定に従います。」と記載するのが無難です。
一般的に賃金などの労働条件は、会社の就業規則(賃金規程)に規定があり、年齢、経験などで基本的には決まっています。転職の場合、社内規定と前職の処遇を踏まえて人事が決定することになります。入社後は、勤務地などの決定も配置転換の一環として会社の意向で行われます。したがって、選考を通過するには、本音と建前の使い分けはやむを得ないと割り切ったほうがよいといえます。
ただしミスマッチを避けるために、応募する上でここだけは譲れない条件や希望などがあれば、記載することも大切です。せっかく入社できたけれど勤務条件が合わず、退職せざるを得なくなったといったことがないよう、しっかりと考えて記載しましょう。
転職だからこそ知っておきたい履歴書のマナー
転職の場合、応募者は社会人経験があるため、ビジネスマナーは身につけていて当然とみなされます。履歴書についても、その期待を裏切らないことがポイントになります。筆記具は何がベスト?
厚生労働省の様式は、PDF形式でダウンロードでき、プリントアウトして使用することができます。この場合、手書きで黒のボールペンで書くのが一般的ですが、最近は、PDFファイルでもパソコン上で記入できるソフトウェアなどを活用し、履歴書をパソコンで作成するケースも増えています。結局、手書きとパソコンのどちらでも構いません。ビジネスの現場では、パソコンで書類を作成するのが日常的になっています。達筆な方は手書きでもよいかもしれませんが、あまり自信がないという方は、パソコンで作成することをおすすめします。また、PDF以外に厚生労働省の様式と同じフォーマットを自分でワードやエクセルで作成して記入する方法や、ネット上ではテンプレートを提供しているサイトも数多くあるので活用するとよいでしょう。
書き間違えたときは?
パソコンで作成する場合、書き損じても削除して書き直せるため問題はありません。この点も、手書きよりもパソコンで作成することをおすすめする理由です。手書きで書き損じた場合は、修正ペン、修正テープなどを使用して書き直すのではなく、新しく履歴書を作成することが鉄則です。郵送・持参の方法は?
郵送の場合は、送付状(添え状)を添付します。こちらも手書きではなく、パソコンで作成しても問題ありません。A4用紙1枚に横書きで作成するのが一般的です。この送付状と履歴書、職務経歴書の3部をクリアファイルに挟み、封入して郵送します。持参の場合も同様に封筒に入れて持参しましょう。
まとめ
特に初めて転職を考えている方を対象に、あらためて履歴書の意義をお伝えするとともに、新卒時の履歴書との違いや、転職で意識すべき書き方のポイントについて解説してきました。選考の第一関門であるという認識を持って、採用者の目に留まる履歴書を書きましょう。
監修者
坪 義生 さん
千葉大学大学院社会科学研究科修士課程修了(経済学)。じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)などがある。
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