オンライン採用のメリット
デジタルツールやデジタルプラットフォームを使用すると、採用プロセスで通常発生する対面でのやりとりを大幅に削減できるため、ウイルス感染のような健康リスクを最小化できます。さらに以下のようなメリットがあります。
- 採用プロセスの効率の向上:採用担当者は、オンライン上であれば短い時間で多くの応募者と面接でき、更にオンライン就職説明会、オンライン審査、オンライン入社試験などのツールを活用することで、より効率的に大人数の選考を行うことができます。
- 採用単価の削減:オンライン採用を利用すると、新しい社員の採用と研修を迅速に行うことができるため、全体的な採用単価を削減できます。また、候補者との面接のスケジュール設定など一部の手動タスクを自動化すると、採用担当者の労働時間も削減可能です。
- より幅広い候補者母集団の形成。オンライン採用では、企業は従来の地理的な制限を今までほど気にすることなく、カスタマーサービス担当者などの短期リモートワーク職種向けに候補者を検討できます。たとえば、コールセンターではなく自宅で勤務するオペレーターを募集する場合、より広い地域で候補者を検討できるため、潜在的な人財プールが大きくなります。
- 無断欠席や無断欠勤の削減:失業率が低く売り手市場が続く中では、、無断欠席または無断欠勤は大きな問題でした。2019年の Indeed の調査によると、世界の83% の企業が、予定されていた面接での候補者の無断欠席や、新たに採用した社員の出勤初日の無断欠勤を経験したと答えています。
このような状況であってもオンライン採用技術を利用することで、応募者と採用担当者の初期のコミュニケーション (出欠の返事など) を自動化および合理化し、無断欠席や無断欠勤を削減することができます。また、応募者にとってもメールを作成するなど時間と手間をかけずに連絡が取れるため、無断欠席が減ったと採用担当者は報告しています (2020年6月-7月、Indeed調べI)。
- 適切な担当者複数による面接を設定:特にハイクラス職の採用では、面接官複数名が候補者の面接に参加しなければならない場合があります。最も適切で多様な面接官を集めるには、交通面ではオンラインで実施する方が容易です。この結果、自社にとってより優秀な人材を採用する結果を生む可能性があります。
オンライン採用の課題
使用するツールにかかわらず、オンライン採用にはいくつかの課題が付いてまわります。
- 採用決定に対する自信の欠如:雇用期間や雇用形態に関わらず、直接会うことがないまま人材を採用することに不安を抱く採用担当者も、多くいます。実際に、Indeed の調査によると、採用企業の一部は、コロナウイルスの影響が強い現在の状況下でも採用プロセスの最終過程を対面で実施していました。ほとんどの採用担当者は、オンラインのみで採用決定を行うことに慣れていません。オンライン採用を成功に導くには、採用担当者が決定を誤ることへの恐れを乗り越え、オンラインで面接した候補者を正しく評価する方法を学ぶことが必要です。
オンラインでのやりとりには、通常候補者の評価に使用される多くの非言語および身振りなどのコミュニケーションが欠けています。採用担当者は、練習やトレーニングを通じて新たなコミュニケーション媒体に慣れることで、必要なスキルを身に付け、新たな手法にに適応し自信を得ることができるでしょう。
- 設備調達:オンライン採用では、設備調達において解決すべき問題や制限があります。オンライン採用を利用すると、より多様な候補者にアクセスできますが、高速インターネットへのアクセスや必要なハードウェアを所有していない候補者との面接が制限される可能性もあります。また、採用後の設備手配に関しても、新たな検討事項が生じます。企業は在宅勤務者向けに研修プロセスを調整し、必要なツールを提供し、システムへのアクセスを設定する必要があるのです。これらの課題は克服できないようなものではありませんが、すべてを計画に組み込まなくてはなりません。
多くの企業にとってオンライン採用が主流になっていく
「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) が流行する前は、採用担当者の多くはオンライン採用を経験したことがなく、オンライン採用ツールの必要性を感じていませんでした」と、Recruiting Daily の社長 William Tincup 氏は話します。「パンデミックが発生し、在宅勤務の必要性が生じたため、状況は一変しました」
「そして多くの採用担当者は、オンライン採用ツールに慣れた今、従来の採用方法に戻りたくないと考えています」「一度フェラーリを運転したら馬車での移動に戻りたくないのと同じです」と Tincup 氏は話します。