社内の雰囲気、自社の強み etc. 採用を成功させるために、面接官に共有しておくべき5つのポイント


企業にとって面接は、応募者のことを知るだけでなく、自社を応募者に知ってもらう場でもあります。「何をアピールすることで、自社を選んでもらえるのか」「入社後の働き方のイメージをどのように伝えていくのか」――こういった戦略を面接前にしっかりと設計しておくことが、採用担当者の大切な仕事となります。
 
特に一次面接は、応募者と自社の社員が初めて出会う場です。第一印象が悪くなってしまっては、そこで打ち切りになってしまうこともあるでしょう。仮に採用プロセスが進んだとしても、最初の悪い印象がひっかかってしまい、最終的に内定辞退につながってしまう可能性もあります。応募者の入社意欲を高める面接を実施するために、採用担当者から面接官へ共有しておくべきことをまとめてみましょう。

 
 

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面接官に伝えてほしい、求職者へおくる5つのメッセージ


応募者に良い印象を持ってもらうために、面接官の態度や身だしなみ、面接会場の清潔さや明るさなど、目で見える部分は皆さん注意して取り組んでいると思います。でも、目に見えない部分はどうでしょう? 特に、面接を通じて「応募者が入社後の自分を思い描ける状態」になるかどうか、ここまで注意を払って面接に臨むのは簡単なことではありません。

 
 

◆選ばれるために、入社後の自分を思い浮かべてもらう


物でもサービスでも「自分の役に立つ」と具体的にイメージできなければ、買ったり利用したりしないでしょう。就職活動も同じです。入社してどうなるのかわからない企業をわざわざ選ぶことはありません。「面接官が良い人だった」「綺麗なオフィスだった」など、そこで終わってしまいます。
 
入社後にどんな仕事ができるのか、自分はこの会社でどう活躍していけるのか。面接では企業側から応募者へ、明るい将来の姿を思い浮かべられるような情報を提供することが大切です。

 
 

◆面接で伝えたい5つの情報


面接官は具体的にどんな情報を提供すれば良いのでしょうか。ここでは大きく5つの項目を挙げます。

 

  1. 社内の雰囲気
  2. 会社のビジョンやミッション
  3. 自社の強み
  4. 社長(トップ)の人柄
  5. 面接官の目指す将来像


応募者にとってこれらの項目は、入社先を選ぶために必要な情報です。面接でどのように伝えていけば良いのか、項目ごとに解説してみましょう。

 
 

面接の中でどのように伝えていくか


はじめに注意しておきます。自社アピールとはいえ、虚偽の情報を提供してはいけません。ミスマッチにつながり、お互い不幸になるだけです。あくまで誠実かつ丁寧にアピールしましょう。
 
(1) 社内の雰囲気
 
応募者にとって最も気になるポイントです。いくら待遇が良くても、自分と合わない雰囲気の職場で働き続けたい人はほとんどいないでしょう。これは応募者から質問されることが多いので、先に伝えることをお勧めします。伝え方としては、面接開始後にアイスブレイク代わりに面接官が自己紹介し、その中で社内の雰囲気について触れるようにします。
 
伝える内容でまず注意したいのは、職場以外でのエピソードです。「飲み会が多くて、みんな仲良しです」「休日は社員同士で遊びに行くこともあります」という話題はフレンドリーでアットホームに見えるかもしれませんが、仕事帰りや休日の付き合いを強要されるのか……といったマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。あくまで就業時間内のエピソードを話すようにしてください。
 
(2) 会社のビジョンやミッション
 
ビジョンやミッションは、会社の羅針盤です。全社員がきちんと羅針盤を見つつ、役割を理解し、考えながら行動していることをアピールしましょう。伝えるタイミングは、(1)と同じく、自己紹介の中が良いでしょう。
 
所属部署の説明をする時に、「当社のミッションは○○○○です。それを実現するために私が所属している△△△部は、□□□□に取り組んでいます。なかでも私は◇◇◇を販売するチームで主に◎◎◎を担当しています」というふうに、わかりやすく伝えます。
 
ここまでの2つは自己紹介で済ませられますが、あまり長くなると応募者へ質問する時間が減ってしまいます。2〜3分で話し終わる尺の長さで事前に原稿を用意し、スラスラ言えるよう練習しておきましょう。
 
(3) 自社の強み
 
一般的に、自社の何を強みとしてアピールするかは、採用担当者や人事部で決定します。応募者に伝えてほしい強みを採用担当者が原稿にまとめて、面接官に共有しましょう。
 
その際、表現の仕方についても、あらかじめ面接官としっかりとすり合わせてください。面接官によって伝える強みがバラバラになることを避け、どの面接官も同じように伝えられる体制を作り上げておくことが大切です。
 
(4) 社長の人柄
 
自分が入社する会社の社長の人柄は気になるものです。直接的に褒めすぎると「ここの社員は社長が怖くて本当のことが言えないのでは?」という印象を与える恐れがあるので、会社の歴史を利用して間接的に伝えることをお勧めします。
 
たとえば、「皆さんが高校生の頃、うちは倒産の危機がありましたが、社長が思い切った組織改革を断行して持ち直しました」と事実を話すだけで、社長は革新的で決断力のある方のようだ、と想像することができます。アピールに使えるエピソードは、採用担当者が数パターン用意しておきましょう。
 
(5) 面接官の目指す将来像
 
(3)と(4)については、面接の流れで触れられないケースはあるでしょう。会話の流れ次第なのでそれは仕方ないのですが、面接官自身がこれからのキャリアをどう考えているのか、目指す将来像については、必ず触れられるようにしたいところです。
 
面接官が入社してから今まで得た経験、そしてこれから目指す将来像を話すことができれば、応募者は入社後の自分、そして会社の中で成長していく自分を思い浮かべることができます。こちらもあまり長くならない尺、2〜3分くらいで端的に話せるようあらかじめ準備しておきましょう。

 
 

入社後のイメージをプレゼンする


ここまで大きく5つの項目について解説しました。自社の採用方針・計画によっては、これとは異なる項目について話すこともありますが、いずれにしても面接でのコミュニケーションは、応募者が具体的にイメージできるように「伝える」ことが何より重要です。応募者の適正や能力を判断すると同時に、この会社に入社したら「このような職業人生が待っています」と、面接を通じて応募者にイメージしてもらえることが大切です。
 
社内にはまだまだ面接に不慣れな面接官もいるでしょう。しかし、面接は自社・応募者のお互いにとって第一印象を決める大切な場です。原稿を用意するのも大切ですが、レクチャーやロールプレイングを積極的に行うことで、しっかり自分の意志を相手に伝える訓練をしておきましょう。
 
面接官として身に着けたテクニックは仕事の現場でも役に立つはずです。面接を通じて社員が成長できると考え、積極的にサポートできる体制を整えてください。

 
 
 

TEXT:国家資格キャリアコンサルタント 戸田敏治
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 

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