地方だから採用できない!は言い訳(後編) 「離職率を減らすことも人材確保につながる」


人材確保は採用に注力するだけではありません。その人材が離職せずに職場に定着し、育っていける環境を作ることも大切でしょう。厚生労働省の雇用動向調査(※)によると、宿泊業は、飲食サービス業とともに、離職率がもっとも高い業界となっています。北海道札幌市に本社のあるカラカミ観光株式会社はIndeedを活用して採用人数を増やしただけでなく、離職率を下げる取り組みも実行し、人材確保につなげています。
 
今回は後編として、カラカミ観光株式会社の販売推進事業部長 兼 人事部長の川口敦郎氏に、離職者数を減らす取り組みについてお話をお聞きしました。

 
 

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人材不足解消は採用に力を入れることだけではない


ーー貴社が離職率を減らそうという取り組みを始めるきっかけとなったのは何ですか。
 
2011年の東日本大震災を契機に経営改善に努めてきました。施設設備のリニューアルなど積極的なハード面での投資を進めるなかで、2016年以降、経営計画の一環として人材育成や組織の見直しを実施しました。日々お客様をおもてなしするマインドは一朝一夕では身につかないですし、お客様のために、ときにはマニュアルを離れ、自分で考えて行動する必要もあります。このような長期的な人材育成を重視する上で、離職率を下げることが経営改善のひとつの方法ではないかという考えにたどり着きました。
 
ーー経営改善のために、離職率を下げ、人材育成に力を入れる取り組みを始めたのですね。具体的にはどのようなことを実施されたのでしょうか?
 
人事から従業員一人ひとりに対し、何か困っていることがないか、不安や不満を抱えていないか、直接話を聞いて状況を把握しました。待遇面ではあまり問題がありませんでしたが、労働環境や職場の人間関係など気になる点が出てきました。そのため、処遇の改善や公正な評価、職場環境の整備など、出てきた課題ごとに整理して、一つひとつクリアすべく取り組みを始めました。
 
徐々に社員の間に意識の変化が現れ、主体性を持って仕事に取り組めるようになってきました。その結果、離職者数も減少してきました。これからも課題解決の動きを継続していきたいですね。
 
ーー課題の解決に積極的に取り組まれた結果、社員の意識が変わり、離職者数も減少しているのですね。ほかに、離職者数を減少させるために今後取り組みたいと思っていることはありますか。
 
これまでは各施設で人事が完結していました。しかし、今後は会社全体として、人材育成の観点から施設間で人材を流動化させていくことも検討していきたいと思っています。施設が変わるとお客様の層が変わり、求められるサービスの内容や質も変化します。施設間の異動を通じ「さまざまな環境でキャリアを積み、会社とともに成長していける」と実感してもらえれば、離職者数も減少すると考えています。
 
ーー最後に、ホテル・旅館をはじめ、地方の企業では人手不足で困っている経営者や採用担当者は多いと思います。そういった方へのアドバイスを、お願いします。
 
人材不足は「採用」と「採用した人材を離職させずに育成する」という2点で解決に導けるのではないかと考えています。まずは自社の魅力は何かを整理し、それを「採用」に生かすこと。従業員の不安や不満を改善し、離職率低下と人材育成に活かすこと。この2点を着実に取り組んでいくことが大切だと思われます。
 
 
2回にわたって、カラカミ観光株式会社様の取り組みをご紹介させていただきました。
 
求人への応募数を増やす取り組みを進めるとともに、離職率低下・人材育成の取り組みを行うことが人材不足解消につながっていくようになるでしょう。

 
 
 
(※)厚生労働省 「平成30年雇用動向調査結果の概況」(令和元年8月21日)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/gaikyou.pdf
 
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