より幸福度の高い職場がもたらすメリット
従業員のニーズと要求を評価することは、従業員のエンゲージメントと生産性を高めるために重要です。イギリスのコベントリーにあるウォーリック大学の調査によると、満足度の高い従業員は平均して満足度の低い従業員より12% 生産性が高く、対照群と比較して最大で20% も高いそうです。
満足度の重要性を理解することで、競争力を高めることができます。米ギャラップ社が実施した2014年度の調査によると、大多数のアメリカ人は仕事に対して受け身の姿勢であることが明らかになりました。
同時に、職場の満足度を改善できなかった雇用主は、生産性の低下、 離職率の高さ、士気の低下、優秀な人材を採用する能力の低下、従業員およびスタッフと顧客との間の人間関係に悩まされる可能性があります。
従業員満足度調査で測るべき項目
従業員満足度調査の中身は、規模や業種など、企業ごとに異なります。ただし全体として、従業員の幸福度とエンパワーメントの度合いに加えて、次の項目に対する姿勢を測るとよいでしょう。
- 業務の完了
- コミュニケーションと指示
- 従業員のサポート
- 仕事量の分配
- 管理職からの評価と認識
- 企業文化
- 企業のミッション
- チームメンバーとの連携
- 昇進の機会
匿名で調査を実施することで率直な回答が得られますが、企業の文化に最もあった手法を選択するとよいでしょうか。たとえば、マネージャーが少人数のグループに口頭で質問したり、離職する従業員との面談を行うこともよいでしょう。
効果的な質問を考える
調査では、正直で率直な回答を引き出すことが大切です。そのため、質問は簡単で、分かりやすい必要があります。特定の回答を引き出すようにするのではなく、自由回答形式の質問を設けるとよいでしょう。質問の口調は、会話調で分かりやすくする必要があるので、専門用語は使用しないでください。回答の選択肢では、基本として、関心がない (「私には関係がない」)、知識がない (「このトピックに精通していない」)、確信がない (「わからない」) ことを示す選択肢を作成してください。
あらゆる調査に含めるべき、いくつかの重要な要素があります。回答は、複数の選択肢と自由回答形式を組み合わせることができます。ここでは、全体的な仕事の満足度に関する従業員の満足度、企業のミッションと文化、従業員のパフォーマンス向上への意欲、管理職からの評価とサポート、他の従業員との連携を測るための例をご紹介します。
カテゴリー | 質問 |
全体的な仕事の満足度 | 仕事に対するあなたの全体的な満足度を1~5段階で評価してください。また、回答について説明してください。 |
企業のミッション | 企業のビジョンとミッションについてどう思いますか? 次から選んでください: 非常に重要、重要、どちらでもない、重要でない、まったく重要でない |
企業文化 | 私たちの会社の文化は、経歴にかかわらず、すべての従業員を受け入れる文化だと思いますか? (回答は「はい」、「いいえ」、「わからない」から選んでください)。また、回答について説明してください。 |
質の高い仕事への意欲 | 質の高い仕事をすることについて、あなたの気持ちを最もよく表しているものは次のうちどれですか? 非常に意欲的、意欲的、少しは意欲的、あまり意欲的でない、まったく意欲的でない |
管理職からの認識と評価 | 自分の力を最大限に発揮してタスクを実行すると、上司は必要なだけの協力的で有益なフィードバックをくれます。それが役立つこともありますが、もっとサポートがあれば助かります。今以上のサポートが必要です。 |
必要な情報とサポートが提供されているという実感 | ほとんどのタスクで、仕事の実行に必要なすべての情報を____% 与えられていると感じている。 |
他の従業員との連携 | 敬意を払って私とコミュニケーションをとってくれている同僚は、ほぼ全員/大部分/何人かいる/ごく少数/まったくいないと感じている。 |
フォローアップの重要性
調査データが収集され表にまとめられると、うまくいっていること、職場の満足度を高めるために変更する必要があることについて、貴重な情報が得られます。データを集めた後の行動として最も悪いのは、何もしないことです。満足度調査の実施は、従業員に「自分たちの声を聞いてくれている」と感じさせるための単なるパフォーマンスではありません。管理職が自分たちのニーズを気にかけてくれていると従業員が信じられるように、適切かつタイムリーなフォローアップが不可欠です。
職場の満足度調査を実施するにあたって、次を準備する必要があります。
- 透明性を確保する。企業全体の調査結果を従業員に報告します。
- 有意義な変革を計画する。データを評価する際は、満足度の低いパターンと、企業全体に利益をもたらす合理的な要求を特定します。
- 変革を行う際に従業員に関与させる。変革に向けて前進するにあたって、意見を述べる、従業員による委員会を立ち上げます。
- 追加の調査でフォローアップする。変革が実施されたら、従業員がその変革についてどう感じているかを再度調査します。
職場の満足度を評価し、どのような変化が従業員の満足度を高めるかを把握したいという誠実な思いで満足度調査を行えば、エンゲージメントと生産性の増加というリターンが得られます。さらに、従業員からの信頼が高まるにつれ、双方にとって有益となる率直な意見を提供し続けてくれるはずです。