企業が第二新卒を歓迎するべきメリットとは?
第二新卒の定義には明確な基準が存在しません。大学・専門学校などを卒業後、入社3年以内に転職活動をする人たちのことを一般的には指します。
新卒で入った会社では希望の職種に就けなかったり、実際に仕事をやってみた結果、他にやりたいことができたものの現職では実現が難しかったりするなど、早くから転職を考える理由は人によって様々です。短期間で離職していることは一見デメリットのように思えますが、本人の希望とマッチすれば、企業側が第二新卒を採用するメリットはいくつか考えられます。
◆基本的なビジネススキルが身についている
第二新卒の場合、社会人経験を積んでいるので基本的なビジネススキルが身についています。そのため、新卒と比べると教育コストは少なく済むでしょう。新卒を採用して育成することが難しい企業は、第二新卒の雇用を検討するのもひとつの手です。
◆新しい環境に馴染みやすい
中途採用者は前職の文化に慣れていることが多いので、転職先での新しい仕事のやり方に馴染むまで時間がかかってしまう可能性があります。その点、第二新卒は前職の在籍期間が短いため、仕事への固定観念にとらわれず新しい環境に比較的適応しやすいといえるでしょう。
第二新卒歓迎の求人が多い職種
第二新卒を歓迎する求人には、社会人スキルを活かせる職種が多いものです。専門的な知識や技術がすぐに求められる職種よりも、対人コミュニケーションが大切となる営業職などが活躍できる分野のひとつだといえるでしょう。たとえばMRや医療機器メーカーの営業などの医療関係業界。あるいは、保険の営業なども第二新卒を歓迎する傾向があると考えられます。
そのほか、エンジニアなども第二新卒の潜在的能力を比較的生かしやすいです。自社で必要なプログラミング言語を習得していなかったとしても、全くの未経験者よりもスムーズに実務へ取り組むことができるでしょう。
中途や新卒と比べると第二新卒の採用に積極的な企業は少ないため、良い人材が確保しやすい傾向にあります。採用活動に苦戦している企業は、求めるスキルや募集している職種と照らし合わせながら第二新卒の採用を視野に入れてみると良いでしょう。
第二新卒を採用する際の注意点
もちろん、第二新卒を採用する上でデメリットも存在します。「早期離職している」ということが真っ先に懸念点として挙げられるでしょう。せっかく採用したとしても、同じようにまた早期離職に至るケースもないとは言えません。ミスマッチを防ぐためには、転職を決めた理由や希望の職種、将来のビジョンなどを選考の際にしっかりヒアリングしておくことが重要です。また、「仕事に対してどのような意識を持っているのか」など社会人としての考えについても質問すると良いでしょう。
第二新卒の採用で成功するためには、どのような職種ならスキルを活かせるのかを理解した上で本人の適性を見極めましょう。
<取材先>
アルドーニ株式会社・代表取締役 永見昌彦さん
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。
TEXT:成瀬瑛理子
EDITING:Indeed Japan + + ノオト