第二新卒の志望動機が重要なワケ
第二新卒の志望動機が特に重要視される理由は、彼らが志望動機を基軸にした就職活動を行っているからです。というのも、新卒の場合は「大学時代の経験」や「学外活動」を強みとして語り、中途採用の場合は「キャリア」と「実績」によって存在価値をアピールしますが、第二新卒はこれらが主なアピールポイントにはならないからです。
第二新卒の応募者は、新卒入社した企業を短期間で退職しているケースがほとんどです。その理由も気になるところですが、退職を通じて応募者がどのようなことに気がつき、経験やスキルをどのように生かしたいのかを紐解くほうが大切かもしれません。志望動機をもとに、そういった応募者の意志を考察することができます。
さらに、志望動機からは応募者が自社をどのように解釈しているのかがわかります。お互いの認識が合っているかを判断できる点も含め、相手を理解するうえで志望動機は重要な項目だと言えるでしょう。
担当者がチェックすべき内容は?
次に、志望動機のなかで特に採用担当者がチェックすべきポイントをご紹介します。第二新卒の志望動機は大学時代と一社目の経験が織り交ぜて書かれていることが多く、限られた情報量のなかで応募者の本音を精査するためにはいくつかのコツが必要です。
◆一社目の何がダメだったのか
第二新卒の志望動機には、前職を退職した理由が書かれているかもしれません。大学時代の経験が就職につながったにも関わらず、退職理由で「(入社前はこう考えていたが)実際は〇〇だった」と書かれている場合、それは本人が働くときにどうしても譲れない条件です。
そのこだわりが、自社では本人の意欲を高める形でクリアできるのか、持続的なモチベーションを生み出す環境があるかを判断しましょう。併せて、企業文化や風土と合うかどうかも検討できると良いかもしれません。
◆企業研究で重視したポイントはどこか
志望動機は、企業研究の結果として応募者が導き出した「魅力を感じた部分」でもあります。そのポイントが自社の理念やミッション、求める人材像と重なるかどうか考えてみましょう。
志望動機の書き方は千差万別ですが、多くの応募者は一社目の経験を経て、二社目で期待することを伝えているはずです。そのポイントがずれていれば、応募者は一社目と同様のズレを感じ、早期離職を選んでしまう可能性があります。
◆本音と建て前のボーダーをチェックする
社会人経験がない新卒と違い、第二新卒はビジネスシーンでどのような人間が求められるのかを体感しています。したがって、第二新卒の応募者は、転職活動における模範解答をある程度理解したうえで志望動機を書いていることが前提になります。
企業研究に対する深度も新卒応募者よりも深いため、応募者本人も意識しないまま本音とかけ離れた志望動機を書いている場合が少なくありません。そういった可能性も考慮したうえで、全体を通して志望動機を読んだとき一貫した意志を感じられれば、それは応募者の本音だと考えられます。
第二新卒の志望動機を注意深くチェックしよう
第二新卒の応募者は、前職を短期間で退職したというだけで「忍耐力がない」と判断されることが多く、優秀な人材にも関わらず転職先を決められずにいる場合も珍しくありません。そうした人材を平等に選考し、適切な採用につなげられるかは採用担当者の観察眼にかかっています。
応募者の本音を見極めるための主軸として志望動機を受け止め、注意深く確認することが肝心です。また、短いながら本人の退職という行動を引き起こしている一社目のキャリアを軽視せず、志望動機から読み取れる本人のこだわりや強みに気付くよう意識してみましょう。