人材採用のために、企業が「第二新卒」について知っておくべき5つのこと

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採用市場において近年注目を集めている「第二新卒」。この記事ではその定義、混同しがちな既卒との違い、採用する上でのメリット、採用するための書類の読み方や面接で聞くべき質問などを紹介します。

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第二新卒とは?

即戦力となる人材を確保したい場合、多くの企業が新卒だけでなく中途採用を検討します。しかし、一言で「中途採用」と言っても、実は求職者のタイミングごとに分類があります。中でも、求人情報を作成するにあたって、採用担当者が疑問に思うのが「第二新卒」。言葉として聞いたことがありつつも、一体どんな人材を指すのか、しっかりと理解できていないという方も多いのはないでしょうか。まずはその定義から確認しましょう。

◆第二新卒の定義

第二新卒の定義は実は明確には定められていません。しかし、一般的には「大学・専門学校・高等学校などを卒業後、正社員として社会人経験を積み、3年以内に離職した求職者」を指すことが多いようです。

・既卒との違い

両者は就職経験の有無という点で違いがあります。
 
「既卒」とは、学校卒業後に正社員として就職しなかった場合を指します。一方「第二新卒」は、正社員としての社会人経験があります。そのため、「新卒」と付いてはいますが、即戦力として期待できる可能性があります。なお、既卒者はアルバイトやパートとして働いていたとしても、それは職歴としてカウントされず、第二新卒の対象にはなりません。
 
「新卒」と「既卒」の定義を含め、タイミングによる人材の分類について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
第二新卒と既卒は定義が違う!?その違いを確認しよう!

第二新卒を採用するメリット

企業が第二新卒を採用する場合、次のようなメリットが期待できます。

◆基本的なビジネススキルを習得した人材である

第二新卒者は、新卒として一度就職して働いており、社会人としてのビジネスマナーは一通り身に付けているため、教育コストの節約が期待できます。

◆即戦力として働いてもらえる

同じ業界での転職の場合、業務内容や業界事情についてある程度知識や経験を持っているため、即戦力としての活躍が期待できます。

◆目的意識を持って転職する人材が多い

第二新卒者の中には、キャリア形成など明確な目的意識を持っている人材が少なくありません。高いモチベーションをもとに業務をこなしてくれることが期待でき、会社の雰囲気をより前向きにしてくれる可能性も持っています。

◆新しい環境に馴染みやすい

一つの企業や業界でのキャリアが長い中途採用者は、新たな環境への適応に時間がかかってしまうことがあります。一方、第二新卒は特定の環境や文化に染まりきっていないため、新しい環境への適応の早さを期待できます。
 
第二新卒を採用するメリットを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
第二新卒を歓迎すべき理由は? 採用するメリットと活躍しやすい職種

第二新卒を採用する際の考え方

第二新卒は新卒や既卒と比べると、即戦力としての活躍が期待できます。しかし、半年〜3年程度の社会人経験に対し、あまり豊富な実務経験や高度なスキルを期待してしまうのは、採用後のミスマッチの原因となってしまいます。基本的にはポテンシャルを重視する「新卒採用」に近い観点で求人を行うようにしましょう。

◆第二新卒の採用で気を付けたいこと

第二新卒の採用において重視すべきは、その求職者が転職する理由です。「元の職場を離れる決め手となった要素が、自社では解消されるのか」という点は、その求職者が自社に合っているか、長く働いてもらえるかを判断する上で重要なポイントです。書類選考や面接を通して、仕事に対する考え方の確認はしっかりと行いましょう。

・第二新卒に対し、求人情報でアピールすべきポイント

第二新卒の転職理由は多種多様です。そんな第二新卒の希望や悩みなどを推測しながら、それに合わせて自社の強みをアピールすると良いでしょう。

例) 応募者:「自分自身をもっと充実、成長させたい」
→ 採用側のアピールポイント:「チャレンジできる風土があり、若手社員の活躍が目覚ましい」
 
例) 応募者:「職務を忠実に全うし、毎日を安心して過ごしたい」
→ 採用側のアピールポイント:「ビジネスモデルが安定し、残業もほとんどない」
 
例) 応募者:「失敗した経験を糧に、自分の弱さを克服したい」
→ 採用側のアピールポイント:「失敗やミスを振り返り、次につなげる企業文化がある」

 

・第二新卒とのコミュニケーション

第二新卒と面接・面談する場合、履歴書だけではわからない求職者の本音を聞き出すように工夫しましょう。

例)転職理由を知りたい場合
「今回の転職を決めた理由は何ですか」
「前職の環境や仕事内容について、自分の期待していたこと、違うと思った点はありますか? 具体的に教えてください」
 
例) 募集している職務への理解度を確認したい場合
「当社の業務内容で、どういう点に興味を持たれたのでしょうか?」
「あなたがする仕事について、入社後にどのようなことを実現したいですか?」

第二新卒へのアピール方法や注意点、志望動機のチェックポイントなどについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
第二新卒の採用で、人事担当者が知っておくべき求人条件と選考ポイント

◆しっかり確認したい、第二新卒の「志望動機」

第二新卒とのミスマッチを防ぐためには、志望動機の確認も非常に重要です。
 
絶対にチェックしたいポイントを以下にご紹介します。

・一社目の何がダメだったのか

先ほども述べたポイントですが、第二新卒の志望動機として、前職を退職した理由はまず確認しておきたい項目です。それまでの経験を通して就職したにも関わらずどうして辞めたのか。そしてその理由は、自社に就職してもらった上で解消されるものなのか。ここの判断を誤ると採用後のミスマッチとなり早期退職される可能性が高まってしまいます。

・企業研究で重視したポイント

志望動機とは、応募者が企業を研究して魅力を感じたポイントでもあります。求職者が一社目での経験を経て、二社目に何を期待しているのかをここから読み取り、自社がそのポイントに合致した理念やミッションを持ち、ポジションを提供できるのかを確認しましょう。

・本音と建て前のボーダーはどこにあるのか

社会人としての経験がない新卒と違い、第二新卒は“ビジネスシーンで求められる人材像”を想定した上で志望動機を書いていると考えて良いでしょう。ときには本音とかけ離れた志望動機を書いてしまうこともあるかもしれません。そうした可能性を考慮した上で、一貫した意思を志望動機から読み取れるかを意識して確認することをおすすめします。
 
第二新卒の「志望動機」の確認方法について詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
第二新卒の志望動機、チェックすべきポイントは?

第二新卒と面接する際に押さえておきたいポイント

転職理由を含めた志望動機や、本音と建前のバランスなど、第二新卒を採用する際のポイントを紹介してきましたが、実際の面接ではどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。聞くべき「3つの質問」と、その考え方を解説します。

◆求人段階で採用目的を明確に

将来有望な第二新卒を採用したければ、まずは採用の目的や背景を明確に伝えるのがおすすめです。「事業拡大に伴い人員が必要」「未経験者でも丁寧にフォローします」など、採用目的と待遇を伝えることで、求職者の安心感と期待感の向上が期待できます。

◆第二新卒の面接で聞くべき質問

第二新卒の採用面接は、次の3つの質問を軸に行いましょう。

・前職の退職理由

求職者が「働く上で大切にしていること」がわかります。自社の社風や求める人物像と照らし合わせ、入社後のミスマッチの防止につなげましょう。

・前職における不満

前職に対する不満を聞くことは、求職者の「本音」を確認することにつながります。一般的に、求職者の側は面接で「前職の不満」を話すことはNGとされていますが、本音を確認しないと、入社後のミスマッチの不安が高まります。
「ここだけの話」「ぶっちゃけ」「逆に」「本音で」などの言葉を使い、求職者が話しやすい状況を作るなど工夫しましょう。

・社会人として身につけたスキル、価値観

「学生時代から変化したこと」を求職者に聞くことで、社会人として身につけたものを確認できます。仕事において大切にしていることに対して、学生の頃も同じ考えだったかといった深掘りをすることで、具体的なエピソードが引き出せる可能性があります。
 
第二新卒の面接テクニックの詳細はこちらの記事をご覧ください。
第二新卒を面接するときに聞くべき「3つの質問」

第二新卒のメリットを最大限に活用できる人材採用を

新卒とも中途採用とも違う特徴を持つ「第二新卒」。そのメリットは、ともすれば“中途半端”な印象を持たれてしまうかもしれません。しかし、新卒とほぼ同等のポテンシャルを持ちながら、ある程度の即戦力として期待できるのが、第二新卒の大きな特徴でありメリットと考えられます。
 
最適なポジションが与えられれば、会社の将来的なエースとして活躍することも期待できます。第二新卒の特徴とメリット、その採用ポイントをしっかりと確認し、採用活動に活かしてみてはいかがでしょうか。

 
 
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